ガジェ通

自分探しの学生が言う「人生観が変わった」が胡散臭い理由

2013/08/22 18:30 投稿

  • タグ:
  • 登録タグはありません
  • タグ:
  • 登録タグはありません
自分探しの学生が言う「人生観が変わった」が胡散臭い理由

今回はやたすんさんのブログ『やたすんのお話』からご寄稿いただきました。

■自分探しの学生が言う「人生観が変わった」が胡散臭い理由
旅行をしていると「旅をして人生観が変わった」という学生によく出会う。そんな彼らの話には共通して、発展途上国が登場する。テンプレと言っては表現が悪いが、彼らはそこで貧しい暮らしをする人々を目の当たりにして、人生観が変わったと言うケースがほとんどである。

で、さらに本人たちには申し訳ないのだが、どうしてもその言葉が胡散臭く聞こえてしまう。人生観が変わったとはなんとも仰々しい言葉である。これまでに形成された人生観とはすなわち、自我やアイデンティティを意味する。だからもし本当に人生観が変わったのならば、これまでと同じ生活など出来ないだろう。

そもそも「あなたの人生観とは何ですか」と問われて、まともに答えられる人がそういるとは思えない。ましてや二十歳そこそこの学生ならなおさらだ。彼らは「人生観が変わった」というが、そもそも変わる前の人生観すら持ち合わせていない。ゆえに彼らの言葉に説得力が出てこないのだ。

もともと人生観など無いのだから、人生観が変わったという表現は適切ではない。正確にいえば「初めて人生観を意識した」ではなかろうか。そう言ってもらえばコッチも納得できる。今日は書かないが、僕も発展途上国を見てきて思うことは多々あった。

「ウチ」の外を初めて見た時、その光景に誰もが驚く。そうやって比べる対象を知ることで、初めて「ウチ」の世界を認識出来るようになる。

彼らの「人生観が変わった」を統合すると「貧しく暮らす人達を知って、自分の豊かさに気が付いた」になる。そう。ただ気が付いただけだ。別に人生観など変わっていない。せいぜいボランティアに足を突っ込むくらいで、今日も彼らは美味しいご飯を食べて、ふかふかの布団で眠る。

といっても人生観が変わらない人に何か問題があるとか、そんなこと僕は全然思わない。なぜならそれが普通の反応だから。誰にも出来ないからこそ、マザーテレサは偉人なのだ。

ただ、みんながそう簡単に人生観が変わった気になるのはどうかと思う。それは「知っている」と「理解している」を混同するのに似ているように思える。加えてその態度は本当に人生観が変わって、問題解決に尽力する人に対して失礼だ。偉人ごっこほど見るに堪えないものはない。

とはいえ今まで会ってきた人の中にも、本当に「人生観が変わった人」はいたのかもしれない。おそらくそういう人は僕には見えない、そこまで心を突き動かされる何かが見えるのだろう。僕はそんな人を本気で尊敬しています。

執筆: この記事はやたすんさんのブログ『やたすんのお話』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年08月20日時点のものです。

■関連記事

森三中の大島さんが27時間テレビで放送事故

終戦記念日にアンパンマンが靖国神社を参拝するも警備員に包囲されていた模様

山手線1周の運賃はいくら? JR新宿駅の見解はこうだった

リベラルな日本人と韓国の大誤算

店員がふざけて冷蔵庫に入り写真をアップしたブロンコビリーが店舗の閉鎖を発表 店員に対して賠償請求も検討

ブロマガ会員ならもっと楽しめる!

  • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
  • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
    • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
    • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
ガジェ通

ガジェ通

ガジェット通信編集部

月額:¥550 (税込)

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

ガジェット通信プレミアムチャンネル

ガジェット通信プレミアムチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細