8月18日、ゆるキャラ界にインパクト絶大のニューフェイスがデビューしました。
茨城県北茨城市のゆるキャラ『こうちゃん』(写真左)です。北茨城市を代表する魚・アンコウをデザイン化したもので、「北茨城市民夏まつり~復興実現祭」でお披露目されました。写真中は『こうちゃん』の相棒で北茨城市観光ナビゲーターの「あんちゃん」。写真右は彼らの活躍を激励する豊田稔・北茨城市長。
●一度見ただけで脳裏に焼き付く存在感
今や、ゆるキャラは地域振興において欠かせないビジネスモデルに成長しています。熊本県の「くまモン」、滋賀県彦根市の「ひこにゃん」を筆頭に、ゆるキャラが大きなPR効果を生み出す例が増えています。そのため、多くの地方自治体がゆるキャラを作り、広報活動に活用しています。
しかしその一方で、似たようなキャラがあふれていることも否めません。そのため、十分な認知度を得られず、埋もれてしまっている不遇のキャラも多数います。
そこへ行くと、この『こうちゃん』の存在感は、デビュー時から際立っています。もともとアンコウ自体がグロテスクな風貌をしていますが、そのインパクトを損なうことなくゆるキャラ化できています。一度見ただけで脳裏に焼き付く、そんな存在感です。決して可愛らしいわけではないですが、愛嬌があります。このインパクトなら、全国的に有名になるのもそう遠くないでしょう。
デザインは市内外から公募し、223点の作品の中から高萩市立高萩中1年の和田梨々香さんの作品が選ばれました。その後、名前も公募したところ全国から2542点が集まり、4名の方が名付けた『こうちゃん』が採用されました。
プロフィールによると、平成15年10月1日生まれのオス。「あんちゃん」に吊り上げられ、それ以来「あんちゃん」の相棒となり、いっしょに五浦岬公園に住んでいるそうです。
●『こうちゃん』が復興の旗印になる
北茨城市は、東日本大震災で被災し津波による死者も出ました。しかし、東北地方に比べると被災地として紹介されることが少ないため、そのことを知らない人も多くいます。それだけに、全国・全世界の人に北茨城市のことを知ってもらおうという市民の想いは並々ならぬものがあります。
今秋には竹中直人さん主演の映画『天心』が公開されます。これは、日本の近代美術を発展させた岡倉天心を主人公にした映画です。天心は1905(明治38)年、北茨城市の五浦海岸に六角堂を建て、思索にふけりました。世界的な活躍をした岡倉天心の映画だけに、北茨城市では映画と合わせたさまざまな地域おこしを計画しています。
それに加えて、今回の『こうちゃん』です。他のゆるキャラにはない、どっしりとした安定感があります。「大変かもしれないけどさ、いっしょにがんばろうぜ」と彼から言われたら、元気になれそうです。『こうちゃん』と北茨城市のこれからの活躍に期待したいです。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「すぱあく」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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