今回は壇 俊光さんのブログ『壇弁護士の事務室』からご寄稿いただきました。
■ごめんで済んだら警察いらん。(弁護士 壇 俊光)
最近香ばしい事件が相次いでいる。
「堺のGS窃盗:誤認逮捕、起訴取り消し 大阪地検、ずさん捜査謝罪」 2013年07月30日 『毎日jp』
http://mainichi.jp/area/news/20130730ddn001040009000c.html
窃盗事件を巡る大阪府警北堺署の誤認逮捕問題で、大阪地検は29日、窃盗罪で起訴した男性会社員(42)について起訴を取り消した。男性が事件に関与していないと判断した。地検はずさんな捜査の結果、起訴に至ったことを認め、男性に直接会って説明する意向を明らかにした。府警も男性に謝罪する方針。
経緯はこの記事*1に詳しいが、すこぶるずさんである。
*1:「起訴取り消し:典型的な見込み捜査 大阪府警誤認逮捕」 2013年07月30日 『gooニュース』
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130730k0000e040136000c.html
男性は1月13日朝、堺市西区のセルフ式ガソリンスタンド(GS)で、盗難カードを使ってガソリン約25リットル(約3500円)を給油したとして起訴された。GSの販売記録によると、犯行時刻は午前5時39分だった。「給油後、高速に乗った」。弁護人の赤堀順一郎弁護士は男性の妻からこう聞いて調査を始めた。自動料金収受システム(ETC)の記録を入手し、男性が犯行時刻の1分後の午前5時40分、阪神高速堺入口を通過したことを突き止めた。
GSから堺入口まで約6.4キロ。1分間で移動するには時速360キロで車を飛ばした計算だ。ETC記録はアリバイを示す重要な証拠だったが、北堺署は確認していなかった。
アリバイに関する証拠をちゃんと調べるなんてのは、捜査の基本中の基本である。
しかも、この方は3ヶ月弱勾留されているのである。
お粗末な話である。
「時効成立に気付かず容疑者起訴 東京区検」 2013年08月02日 『日本経済新聞』
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO58029120S3A800C1CC0000/
東京地検は2日、建造物侵入罪の時効が成立していたにもかかわらず、東京区検刑事部の検察官が誤って容疑者を同罪で起訴し、不当に53日間勾留したと発表した。被告はすでに釈放されており、東京簡裁から免訴が言い渡される見通し。
時効制度の見解はいろいろあろうが、法が時効制度を定めている以上、時効成立していないかを確認するのは、基本中の基本である。
しかも、この件、問題は、検察だけではない。勾留を認めた裁判所も問題である。
で、2ヶ月弱の勾留である。
お粗末な話である。
執筆: この記事は壇 俊光さんのブログ『壇弁護士の事務室』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年08月05日時点のものです。
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