「心が通わない同居なら一人のほうが寂しく無い」。26日より公開となった映画『31年目の夫婦げんか』にはそんな、女性なら誰しもが共感してしまうセリフがあふれています。それもそのはず、本作は『プラダを着た悪魔』やドラマ版『セックス・アンド・ザ・シティ』(数話を担当)で世界中の女心をガシっとつかんだデビッド・フランケル監督がメガホンを取ったラブコメディ。
メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズを主演に迎え、結婚して31年目、変わり映えの無い毎日を過ごす2人が「夫婦セラピー」を受ける事から始まる物語。夫婦がいつまでも仲良く一緒に歩くためには? 女性が輝いた毎日を送るためには? 私たちが知りたいたくさんのヒントがつまった大人のための恋愛映画です。
今回はデビッド・フランケル監督にインタビュー。映画についてや、「なぜそんなに女心が分かるのか!」など色々とお話を伺ってきました。
――本作ではとても素敵な大人の恋愛物語が描かれていますが、最初に脚本を読んだ時の感想を教えてください。
デビッド・フランケル監督:企画の段階でメリル・ストリープが主演ということは決まっていたのですが「メリル・ストリープとまた一緒に仕事が出来るなら!」と2つ返事でOKしました。そして、脚本を読んだら夫婦が一緒に困難を乗り越え様とするチャレンジが面白いなと思ったり、夫婦セラピーを受ける居心地の悪さがコメディとしてとてもやりがいがあると思いました。
――「変わりたい妻と変わりたく無い夫」の姿がとてもリアルだったのですが、参考にした実在の夫婦はいらっしゃるのでしょうか?
デビッド・フランケル監督:世界中の夫婦が一度は経験した事があると思うし、僕も結婚して15年なのですが、出会ってからは35年なんです。その中でジェットコースターの様に紆余曲折あって、それこそが夫婦生活なんじゃないかと思います。今回の作品で描いた夫婦はジェットコースターの谷間にひっかかってしまっている状態だと思うんですね。
僕は夫婦セラピーを受けた事は無いのですが、プロデューサーが経験があって、セラピーのリアルさは参考しています。脚本の女性は結婚した事が無いのに、何でこんなに洞察力があるんだろうって思いました(笑)。
――私は監督が男性なのに、なぜこんなに女心が分かるのか! といつも不思議に思っています(笑)。
デビッド・フランケル監督:それはやっぱり女性が大好きだからだよ(笑)。女性のミステリーに興味があるので、こういう作品を通してより女性の事を知ろうと努力しているから、その様に思ってもらえるのかもしれないし。
母をはじめ、僕の周りには好奇心旺盛で強くて魅力的な女性がたくさんいるんです。妻や娘もそう。僕は女性は“影のヒーロー”だと思っていて、『セックス・アンド・ザ・シティ』ではNYで働く女性を描いているけど、女性が仕事や恋愛や性への興味を失わずに「寂しい」という事に負けずに頑張っていますよね。僕は自分自身の作品を通して、そういう女性の事を本当に素晴らしく思っているんです。
――監督が心から魅力を感じているからこそ、キャラクターたちがイキイキと私たちの目に映るんですね。最後に、日本の男性に“良い旦那さん”でいる為のアドバイスをいただけますか?
デビッド・フランケル監督:思っている事を全て口にしてしまったら、関係がこじれる事がありますよね。言った事はもう取り消す事は出来ないし。気をつけないといけない。お互いがパーフェクトじゃなくても、ちゃんとお互いを見ていれば必ず分かり合うことは出来ると思う。映画の中でも、描いているのですが、お互いの気に障る所が実は一番好きな所なのかもしれないし。映画を楽しみながらヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。
――どうもありがとうございました!
『31年目の夫婦げんか』
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