昭和食べ物伝説

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

■昭和食べ物伝説
子供の頃、基本的に「インスタントは体に悪い」というかなり強力な風潮があったように思う。インスタントラーメンはともかく、カップヌードルは「あんなもの食べちゃだめです」と。

なのでカップヌードルは家では決して食べさせてもらえず、なんか遊園地に行った時だけ、簡易的な売店で食べたような気がする。初期のカップヌードルは麺がゴムのような食感で、あれが「好き」だった(笑)。当時の大人たちは「こんなゴムみたいなもんよく食うな」とか言ってた。子供同士の間では「実はあれは輪ゴムが原料なんだ」とか噂しあってた。

あ、ここでいうカップヌードルは必ずしも日清食品のではなくて、カップ麺のことね。でもたぶん初期は日清食品のものしかなかったような。

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チクロ。なんか恐ろしい毒薬のようなイメージで、テレビでも大騒ぎしていたと思う。いまwikipediaを見ると、人工甘味料のようだが、発癌性や催奇形性が疑われたようだ。でも結局はっきりせず、EUとかは禁止されていないらしい。

当時の母親たちに相当な拒絶反応を引き起こしたと思う。「チクロが入っているから」というのは、もう「絶対子供に食べさせない」という魔法の呪文のような。

たぶんサリドマイド事件とか水俣病とか、当時ビジュアル的にも悲惨な事件が多かったから、それと結びついて世の母親が震え上がったのだろう。

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味の素。これもかなりの拒絶反応があったような。大量に食べると舌や体のしびれを引き起こすと問題になった。とはいえどんな食品でも大量に食べれば体に影響がでるわけで、結局は問題なしという結論に落ち着いた。しかし今度は企業がものすごい圧力をかけてそうさせたのだという噂が。

ちなみに俺は味の素が好きで、こっそり舐めていた(笑)。手のひらにパパっと振り出して、ペロッと。禁止されていたので、なおさら甘美な味だったのかもしれない。

一方で「味の素を食べると頭が良くなる」という説もあったような。脳はタンパク質で、その成分はグルタミン酸。味の素もグルタミン酸。つまり味の素を食べれば脳が強化される。

「家」ごとにそういうルール(?)があり、友達の家とかに行くと、混乱したものだ。だって子どもとしては親から言われたことが正しいと思うじゃん。でもなぜか友達の家では違うことになっている。そういうものは統一してほしい、と。

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焦げは癌になる。これはさすがにサンマとかどうすべきか母親が苦悩していたような。「まあ、いいことにしましょう」と。決定権はすべて母親にある(笑)。いくらなんでも焦げが体に悪いとするのは無理がありすぎ。定着しなかった。

ごはんのお焦げも体に悪いと言われてた時期があったような。むかしの炊飯器は性能が悪くて、焦げができるものもあった。しかしそのうちわざわざ焦げを作る「お焦げモード」を搭載した製品がでてきて、なんじゃ~?と思った記憶が。お焦げモードって使ってる人いるんですかね。

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粉末ジュース。なんかこういうのがあったような。水に溶かすとジュースになる。ジュースといってもたぶん適当に味がついた砂糖水。なんとなく昔は今ほどジュース類を飲ませてもらえなかった気が…。「水でも飲んでなさい」と。あとお茶だけど、お茶は渋くて飲めなかったし。カルピスは1日○杯までと決まってたような。

優遇されてたのはプラッシー。なぜかこれだけはフリーw。どうも他の缶ジュースとか瓶ジュースは、合成着色料とかが入っていて、それがよくないということだったらしい。あくまで当時の主婦の感覚として。

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ファンタグレープが合成着色料の問題で一時的に発売中止になったりした。問題の着色料と使わない(グレープの色がでない)ゴールデングレープというのが代わりに発売。その後別な着色料を使ったファンタグレープになった。でもなにがそんなに問題だったのか、いま検索してもわからん。確かに飲むと舌が紫になったけど。

でもファンタに限らず、当時の駄菓子屋に売ってるものって、食べると舌にその色がつくものばっかだったような。俺はファンタの中ではグレープが好きでいつもそれを選んでたから、一時的にせよグレープ店頭からなくなってしまったのはショックだった。

あとコーラは特に目の敵にされていたような気がする。コーラじゃなくてファンタにしなさいとか。まあ俺も子供の頃はコーラはあまり好きじゃなかったから問題なかったけど。コーラって炭酸がきつすぎると思うのだよね、これはいまでもそう思う。

気の抜けたコーラが美味しいというのも、そういうところからきてるのではなかろうか。炭酸のないコーラとかあってもいいと思うのだが(と、思って検索したら、やっぱ同じような事を言ってる人がいた)。

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ちなみに都市伝説の「ゴールデンアップル」は、飲んだ気がするけどなぁ、絶対。いや、ゴールデングレープと混同してるんじゃなくて、ゴールデングレープのアップル版が出たんだなと思いながら、飲んだ記憶が確かに…。これからはゴールデンシリーズに移行していくのか、と子供心に。

だからやっぱり実在して何かの理由で闇に葬られたのだと思う。マスコミにもすべて圧力がかかっている。慰安婦問題じゃないけど、やっぱこういう生きた証言は後世に残して行かないと。想像するに、ゴールデングレープだけだと「なぜグレープだけ別なの?」という疑問がわき、いつまで経っても合成着色料事件が風化しない。

そこですべてゴールデンシリーズにしてしまえば、そういう疑問はなくなると考え、とりあえず違和感のないアップルから移行を始めた。ところが上述の通り問題ないグレープの着色料の開発に成功したため、この計画はなかったことにされたのではなかろうか。逆に今度は「なぜゴールデンシリーズが生まれたの?」という疑問を、事件を風化させるために封じねばならなくなったわけだ。

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いまスーパーやコンビニでごく当たり前に買って食べているインスタント食品を思うと、当時の拒絶反応はなんだったのかな、と。まああれからいろいろ安全になったのだろうけど。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年07月01日時点のものです。

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