今回はひっくんさんのブログ『nkt.com』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/282628をごらんください。
■マクドナルドの”60秒ルール”批判が好都合なマーケティングかもしれない件
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/01128.jpg
※はじめに
なぜか僕が炎上しかけているのでw 冒頭に注意書き!
あんまりマジになりすぎて読まないように!ネタな気持ちでね!落ち着いて読もう!b
2013年、最初のビッグニュースといえば皆大好きマクドナルドが始めた「ENJOY! 60秒サービス」*1だろう。ネット上で批判コメントが溢れている中で、僕は「実はこの批判はむしろ想定していて、この反応はある程度狙っていたのではないか」と思ったので一筆。
*1:「ENJOY!60秒サービス」 『マクドナルド』
http://www.mcdonalds.co.jp/campaign/60seconds/index.html
知らない方はもういないと思うが、念のためおさらいしておくと、「会計終了後から商品お渡しまで、60秒を越えたらお好きなバーガー無料券を。60秒以内に提供できてもコーヒーの無料券をプレゼント!」という前代未聞の従業員いじめのキャンペーンだ。
ネット上では、「従業員可哀想。。」「60秒とかやらんでいいから、普通にだしてくれ。。。orz」「誰得なのこれ…ワロタ」などの批判コメントが多数見受けられ、Twitterではパンからはみ出まくっているタルタルソースと野菜達が惨めに晒されている。
せーや @ninnjinnmesi60秒以内じゃなくてもいいからもう少しキレイにつくってほしかった( ´△`) pic.twitter.com/tbotXCWw
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/00097.jpg
https://twitter.com/ninnjinnmesi/statuses/287048615740985344?tw_i=287048615740985344&tw_e=details&tw_p=tweetembed2013年1月4日
さて、このような状況の中でやはり多くのメディアは「マックの60秒ルールキャンペーンは失敗だ!」と当然ながら皆が納得する記事を書くわけだ。共感も得られるのでPV伸びますからね。
しかし、僕は上記の通り、マクドナルドが全てこういった反応を予想してキャンペーンを行っている可能性はないか疑問に思ったのだ。
ということで、これを炎上マーケティングというのかわからないが、無理矢理カテゴリ分けすると炎上マーケに入るこのキャンペーンを僕なりの解釈で説明しよう。
●ズバリ、このキャンペーンの狙いは..!!!
「60秒ルールでいったん集客」→「サービス劣化しすぎwww」→「炎上」→「(記事とかTwitterを見て)とりあえず僕(私)も行ってみよ」→「集客」→「炎上」→「いつも通りのサービスで十分だよ!」→「(キャンペーン終了後)やっぱり、いつものマックのサービスって良かったんだね。泣」→「ロイヤリティ向上」→「ファン増える」
的な流れだと思う。
すでにTogetter*2を見てみると、悲惨なバーガーを出されたお客さんは「60秒以上経ってもいいし無料券もいらないので奇麗に作ったハンバーガーください」とツイートしている。
*2:「【やはり無理があった】マクドナルドの「ENJOY!60秒サービス」が酷い」 『togetter』
http://togetter.com/li/433935
おかっぱ巻娘@みやのすけ シスA-14 @okappamusume60秒以上経ってもいいし無料券もいらないので綺麗に作ったハンバーガーください
https://twitter.com/okappamusume/statuses/287139271394074626?tw_i=287139271394074626&tw_e=details&tw_p=tweetembed2013年1月4日
このツイートをした方はフォロワー280人程だが、このツイートに関しては38リツイートされている。フォロワー280人に対してリツイート38というのは中々の共感度だ。
※ここに計算式がありましたが、イミフだったことが判明したので消しました。ご指摘ありがとうございます。お恥ずかしい…w
まさにこれは狙っていた反応ではないだろうか。これに加え、Twitterで話題になればメディアで取り上げられる可能性も高いため、全部の媒体を含めるとかなりのリーチ数が見込める。
ここまでで、ネット上ではひとまず「いつも通りのサービスで十分だよ!」という気持ちがかなりの数の人に芽生える。さらに、新聞やテレビで少し取り上げられればネットをあまり見ない顧客も同じ気持ちになるだろう。
いつも通りのサービスの質の高さをアピールするために敢えて無謀なチャレンジをし、キャンペーンが成功したらそれはそれで「マックはんぱねぇ。60秒でベーコンレタスセット出してきやがった…!!!」となるし、キャンペーンが不評でもあとあと良い方向にむかうという絶妙なマーケティングなのだ。
そして、「いつも通りのサービスで十分だよ!」という気持ちが皆に浸透したところ、つまり1月末にキャンペーンが終了する。
で、キャンペーン終了後にはサービスの質の高さを再認識させる。
キャンペーン終了後にマクドナルドに行った人は「やっぱいつも通りのマックが一番だし、あんなルールにしなくても早く出てくるじゃん!コノヤロウ//」と思われるだろう。これで、「いつものマックのサービスって良かったんだね。泣」という再認識の機会を与えるのだ。
60秒を過ぎてしまったら(過ぎなくてもコーヒーの)無料券を配っているが、これは再認識の機会を与えるためのチケットとも考えられる。ぐっちゃぐちゃのバーガーを渡された方はキャンペーン中にもう一回買いに行く可能性が低いが、無料券の期間は2月7日までなので、キャンペーン終了後も1週間使える。
オフィスや大学の近くにマクドナルドがある方は、せっかくだから無料券使えるうちにもう一回行こうと思う方は多いだろう。
時給850円で夏は暑く、冬は寒い厨房?の中で頑張っている方達が1人あたり数百円の利益を出すため、必死に働いている姿を幼い時から見てきて、さらに60秒ルールで死にものぐるいで頑張っているクルーを見て心が痛まない日本人は居ないだろう。もうそんなに、頑張らないでいい。いつもの君で居てくれ!と願う気持ちが高まる一方だ。
もし、あなたがキャンペーン終了後の2月にマクドナルドに行って「キャンペーン中は私たちの力不足で雑な対応になり、申し訳ございませんでした。」などと言われてみよ。
「もうロッテリアやモスバーガーなんて言わない。これから僕はマクドナルド一筋だよ姉さん。君のスマイルを見れなくなるなんて、想像できない。90秒、いや180秒でもいいんだ!いつも通りのサービスで僕は十分なんだ… なのに..お前ってやつは..この..おばかな頑張り屋…//」とついつい言ってしまいそうではないか。いや、言うよ絶対。むしろ、言いなさい。
こんな感じで、マクドナルドの接客力の高さ、クオリティの高さを再認識し、僕達日本人はマクドナルドがまた好きになってしまうのではないだろうか。少しネタっぽくなってしまったが、大半の人は本当に上記のようにマクドナルドクルーに対して、「いつも頑張ってくれてるんだね。ありがとう。」という気持ちが芽生え、印象が良くなるだろう。
これでロイヤリティの向上→ファン増えるの過程が終了する。
以上のように、マクドナルドの60秒キャンペーンは結局のところファンを増やす良いマーケティングになっているのではないだろうか。
おそらく、今まで「マクドナルドのキャンペーンアホすぎワロタ」と思われていた方も少し納得していただけたと思う。実際にマクドナルドに2月に行った時はぜひ、あなたのマクドナルドに対する印象を考え直してみてほしい。
●おわりに
BLOGSでマクドナルドの記事を何度か取り上げている(*下部にリンク)大西宏さんによると、マクドナルドは客数が伸びているものの客単価が落ちているとのことなので、これでは客単価の増加というのは解決できないかもしれないが、後々「ハンバーガー全品10%値上げ」とか言われても、このキャンペーンの後なら「あれだけ頑張ってるからな。ハンバーガーが100円になってもいいや。」と納得して、いつも通りマクドナルドに行くと思う。
僕は飲食業界に関しては知識は少ないし、この仮説が正解かどうかは全くわからないが、なんだかんだマクドナルド上手いんじゃないかなぁ、と。
というわけで、批判も多いですが僕はあんがいアリなマーケティングだと思っているのでした。
※アルバイトさん、もう少しだから頑張ってください!!
*大西宏さんのマクドナルド記事
「マクドナルドの「ENJOY!60秒サービス」が裏目にでるかも」 2013年01月05日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/53427/
「「会計後60秒超でビッグマック無料」ってどうなんだろうね」 2012年12月21日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/52719/
「マクドナルド不調の原因は?」 2012年12月03日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/51607/
他、BLOGSの関連記事
「マクドナルドの通称「60秒ルール」速すぎてやばいwwwと話題」 2013年01月06日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/53470/
追記:
さっそく、「こんなリスク取るのか?」というご意見をチラホラといただきました。
僕的にはどっちに転んでも大丈夫な戦略だと思うので、やったんじゃないかなぁと思いますた。
執筆: この記事はひっくんさんのブログ『nkt.com』からご寄稿いただきました。
■関連記事
au 版iPhoneがデータ通信不能に! 「データ通信機能を起動できませんでした」
【ソフマップ】相武紗季似のグラビアアイドル萌木七海のDVDジャケットとの差が凄い!
マクドナルド“60秒キャンペーン”について店員が評判や裏技を大胆激白! バイト「やめて」「無理!」の悲鳴
コミックマーケット83 やっぱりあった『どうぶつの森』のしずえさん同人誌!
関東JKミスコン 「ローラ越え宣言」の準グランプリの女子高生が新年早々飲酒を暴露
コメント
コメントを書く