今回はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
■因果関係と相関関係
子供の学力と足のサイズは比例する…という主張がある。つまり足の大きな子供の方が頭がいいわけだ。しかも統計データもそれを裏付けているという。
小学1年生の足のサイズは6年生に比べれば小さいだろう。学力も小学1年生は6年生に劣るであろう。学力と足のサイズが比例するという事実は間違いではなくても、そこから人々が一般に連想することとはギャップがある。
足のサイズと学力には相関関係はあるが因果関係はない。強いていえば、成長と足のサイズ、成長と学力の間に因果関係がある。
* * *
相関関係は因果関係を予感させるものではある。相関関係がありそうだから、「そこに因果関係はないか?」と研究を始めるわけだ。相関関係がないもの同士の間には、あまり因果関係はありそうにない。
では相関関係と因果関係、2つの間に横たわってる「超えられないミゾ」とはなんだろう。モデルを作ることだと思う。こういう仕組みで一方が他方に影響を及ぼしているというモデルを、想像してみるわけだ。
するとそのモデルの性質も(想像の中で)明らかになっていく。こういう仕組みなら、こうすればこうなるはず、と。それを実験などで検証してみる。現実がモデルが予測する通りになるなら、そのモデルは「正しそうだ」となる。
あくまで「正しそうだ」であって、絶対に正しいという証明にはならない。そもそも証明などできない。昨日まで成り立っていた法則なら、明日も成り立つだろうという前提で、行動するしかないのだ。だから明日突然成り立たなくなる事もありえる。
たとえば明日は地球の引力がなくなり無重力になってしまうかもしれない。でもこれまでそういうことは起きなかったから、これからも起きないだろうと、人間は思い込んでいるわけだ。科学の正しさというのは、突き詰めればそういうこと。
執筆: この記事はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年06月26日時点のものです。
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