今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■規制と緩和
瀬戸大橋の通行料金が一般高速道路並に引き下げられるらしい。瀬戸大橋は1988年に開通したようだ。むろん喜ぶ人もいたが、反対する人たちもいた。橋の橋脚の土台としてだけ使われて、上を通過するだけの島とか、漁業への影響、そして競合するフェリーの減益。橋ができてもフェリーがないと不便な人たちはいるだろう。
当時もマスコミはそういう問題をたくさん取り上げていたように思う。まるで瀬戸大橋が開通しない方がいいんじゃないかと思うほど。通行料金が高く設定されたのは、建設費を回収するためもあるが、フェリーを保護する意味もあっただろう。
しかし時は流れ、人々の生活は瀬戸大橋の存在を前提とするものに変わっていった。そうなると通行料金を安くしろということになるのだろう。
* * *
2000年に廃止された旧大店法も、地元の商店街を保護するためのものだった。施行は1974年のようだ。当時大型店舗の進出と地元商店街の圧迫が問題になっていたように思う。俺の子供の頃は小さなスーパーぐらいしかなく、その他は個人営業の店ばかりだったのが、ある時駅前に大きなデパートができてびっくりした。
やはり当時テレビでも、地元商店街の味方をしていたように思う。住民の生活と密着した個人商店が消え、金儲けしか考えないデパートがどんどん進出していく、みたいな構図で語られた。
実際その後個人商店は時間をかけてゆっくりと減っていった。いまや駅前はビルばかりだ。子供の頃近代的(?)な新しい店ができてすげーと思っていた店がいまでも1軒残っているが、いま見るとみすぼらしい。当時は周りは木造の店ばっかだったので、すごく立派に見えたのだけど、いまや周りのビルに取り残された小さな店でしかない。
残っている店も店主が高齢化しているらしい。ようするにいまの店主が死んだ時にこれらの店はなくなり、すべてビルになるのだろう。
* * *
んで旧大店法は2000年に廃止された。大型店の進出を規制することが時代に合わなくなったということ。むしろ規制を緩和しどんどん大型店舗を作ることが地域のメリットに変わった。むかしは目の敵にしてたんだけどね。正確には俺の親たちが大型店を目の敵にしていた。でも利用したけど(笑)。
まあ時代が変わったといえばそれまでだけど、人間ってホント現金なものだと思う。ようするに変化が激しすぎると人間が対応できないので、変化を止めることはできないにせよ、ブレーキを掛けて変化の速度を落としましょう、ってことなのだよね。
大型店ができると個人経営の店が潰れてしまう。そうなると店主やその家族の生活が脅かされる。なのでその「世代」だけは猶予期間を設けましょう、と。その子供はもはや家業を継ごうとは思わない。それが時代の変化というものなのだろう。
* * *
でもそういう規制があっても、日本は経済発展してきたはずなのだけどね。経済発展が速すぎるからこそ規制というブレーキが必要だったのかもしれないけど。
最近なにかと規制緩和が叫ばれるけれど、中にはそんな規制を緩和しても日本全体の経済発展には寄与しないんじゃ…?と思うものが少なくないのは、俺だけ?
なんか日本経済の敵のようにヒステリックなほど「規制」を目の敵にしているけれど、ホントに規制を取り払えば、日本経済は好転するのかしらん。金融緩和の効果は信じないのに、規制緩和さえすれば何もかもよくなるみたいな自信はどこからくるのか。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年06月13日時点のものです。
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