今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
■敦賀原発で考えなければならないこと(1)(中部大学教授 武田邦彦)
日本原子力発電の敦賀原発2号機について、原子力規制委員会は活断層が存在するとして運転を認めず、会社の方は不服であるというテレビ会見を行っている。この問題は次のように考えるべきだ。
まず第一に、政府が国民と約束している原発の設置、および運転についてはどうなっているかだが、
1) もともとは原発の重要な建築物の下に活断層が存在する場合は建設が許可されない。地層のどれが活断層であるかは、建設当事者の会社が決定するのではなく、国のしかるべき機関が調査し、決定する。
2) 敦賀原発が建設されているので、建設時(1980年台)には活断層は発見されていなかった(発見されていなくても活断層はあった)。どのような判断を誰がしたかをハッキリし、日本原電ではなく判断した当事者が説明する必要がある。
3) その時の建設許可の審査がどのように行われたかを明らかにする必要があり、これは責任問題を超えて、今後の審査に大きな参考になる。従来から、活断層の存在は意見が分かれるので、どのような状態の時に「活断層あり」とするのかが問題になっていた。
4) その上で、今回の判断となにが違うかをハッキリさせる。ここがもっとも大切なことで判断が2つに分かれている(建設されているのだからもともとOKで、今度は何が違うのか?)
5) このような問題が起こったとき、「大臣や社長」が出てくるのではなく、科学的な判断がどのように行われたのか(当時は分からなかった活断層が見つかったのか)についてまずは明らかにするという原則も存在する。
つまり原子力規制庁の発表も、テレビ報道や社長の会見もきわめて曖昧で、過去と違う理由を明確に科学的に国民の前にハッキリさせなければならない。まずここまでがまず第一段階である。
執筆:この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年5月27日時点のものです。
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