今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~』からご寄稿いただきました。
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■「懺悔~ゴマキの弟と呼ばれて~」を読んでみた ~学校ってやっぱ大事なんだな~
今度元収監者の再就職事情の取材をすることもあり、今日は前々から読んでみようと思っていたゴマキこと元モー娘。の後藤真希さんの弟の後藤裕樹氏の「懺悔~ゴマキの弟と呼ばれて~」*1を読んでみたので感想をちらちらと述べたいと思います。
*1:「懺悔~ゴマキの弟と呼ばれて~ [単行本(ソフトカバー)]」 後藤 祐樹(著) 『Amazon』
http://www.amazon.co.jp/懺悔~ゴマキの弟と呼ばれて~-後藤-祐樹/dp/4813022170/
結論から言うと、
「その辺にいるチンピラの回顧録といったところで内容は薄いけれど『懺悔』と呼ぶにふさわしい素直な書きぶりで、その内容の薄さも含めて一読の価値がある」
というところです。「スーパースターの姉を持ち芸能界でそこそこ売れた後に犯罪者に転落した」という端から見れば特別な自分の人生を脚色することも無く、素直にその人生の薄さや思慮の浅はかさも含めて淡々と書いたのは本当に勇気があることだな~と感心しました。多分人が犯罪に手を染めていく過程に特別なことなんてほとんどの場合無くて、ほんのちょっとした道のずれなり不運の積み重ねなんだろうと思う。そういう意味で戦後まれに見る凶悪犯罪のドキュメントなんかより、こういったどこにでもありそうな話を丁寧に追ってくれた本の方が社会問題の本質を考える上で価値がある気がする。
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彼の場合だと、一家の規律を支えていて自分を叱ってくれる存在であった父親が早くして不慮の事故で亡くなったことや、若くして芸能界という華やかな場に入ってしまい学校という義務教育の環境から半ば隔離されてしまったことで、自分が道を誤っても止めてくれる存在が誰もいなくなってしまって、気付いたらアンダーグラウンドの世界に足を踏み入れて常習的に犯罪を繰り返すようになってしまった、というところだろうか。
人間関係の幅が狭く成長過程で社会ってものを強く意識する過程がなかったので、自分の行動が周りにどういう影響を与えるかという想像力が培われないまま大人になってしまったってことなんだろう。某有名ブロガーが最近「学校なんていらない」ってなことを言ってたわけだけれど、それは学力や才能を伸ばすという意味では正しいのかもしれないけど、社会教育という意味ではやっぱり学校の重要性は変わりなくて、これからは学校はそういった方面により力を入れることが求められるんだろうと思う。
まぁそんなわけでさして特別なことが書いてある訳でもなく、とても薄い内容の本で2時間もあれば十分読める本なのですが、その薄さ・素直さ故に価値がある本で犯罪というものについて考えてみたい人にはお勧めの本です。特に犯罪心理学を研究のテーマにしている人などはいい題材になるのではないかと思います。
個人的には一度、彼と学校ってものについてどう考えるか話し合ってみたいな~、と思いました。機会があればコンタクトを取ってみよう。
彼のこれからの人生はきっと苦しいものになるだろうけど、文章の節々に心の底からの反省というものを感じられたので、きっと試練を乗り越えてくれるものだと信じて応援してます。
ではでは今日はこんなところで。
執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年05月17日時点のものです。
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