かつて街に溢れていた小さな中華料理屋はなりを潜め、代わりに台頭してきたのが、若い店主が腕を振るうラーメンの専門店だ。いまではどの街にも、塩、味噌、しょう油、豚骨の専門店、インパクトのあるオリジナルメニュー、清潔感のある店内、そして腕組みした男達の写真が並ぶラーメン店がある。この、各店がしのぎを削る状況のおかげで、うまいラーメン店は増えたが、店の選択はより難しいものとなった。だが、肉を味わわせる店となるとそう数はない。ここでは、鴨シャブ、ステーキ、手羽先、豚バラ、骨付き鶏にトンカツなど、厳選した“うまい肉”を提供するラーメン店、15店を紹介する。
■亀有で豚バラ炒め
肉玉そばで知られる『肉玉そば おとど』。東京では篠崎店、亀有店、そして2013年4月にオープンした高円寺店の3店舗を展開している。「日本一ご飯がすすむラーメン」を掲げる肉玉そばは、特製の甘辛ダレで炒めた豚バラ肉がたっぷりと盛りつけられており、それに合わせるためのご飯は、無料で提供。信州豚、鶏ガラ、牛骨でとったとろみのあるスープは濃厚で、もっちりした平打ち麺に合い、うまい。中央にぽっかりと浮かんだ卵を溶かすとマイルドな味わいになるので、最後まで飽きることはない。まさにご飯に合うラーメン。
●肉玉そば おとど 亀有店
料金:肉玉そば 700円
アクセス:亀有 駅
営業時間:11時30分~15時00分、17時30分~25時00分
■赤坂で鴨シャブ
昭和56年(1981年)創業、鴨しゃぶしゃぶをメインに様々な鴨料理を提案する鴨専門店、竹亭。愛知に本店を構える竹亭、東京唯一の支店が赤坂にある。通常は18時からの営業となる同店だが、火曜、木曜のみランチタイムもオープンしている。そしてランチに提供しているのが、鴨シャブと並ぶ名物、鴨らーめんだ。上品な味わいの鴨スープと、スープをふんだんに吸収した極細麺、ネギやミツバなどのシャキっと歯ざわりのいい野菜、そして自慢の鴨肉がたっぷりと入っている。鴨らーめんはロースとモモの2種類あるが、ここは鴨ロースのたたきがのっている鴨らーめん(ロース)を注文してほしい。竹亭を味わい尽くせる贅沢な一品だ。セットの鴨ご飯と漬け物も、抜かりなく品のよい仕上がり。
●鴨シャブ 竹亭 赤坂店
料金:鴨らーめん(ロース)1890円
アクセス:赤坂 駅(2番口 徒歩5分)
営業時間:ランチ 11時30分~(火・木のみ)
■綾瀬で牛すじ
古きよきラーメン屋といった佇まいだが、オープンと同時に満席になることもあるほどの人気店だ。その秘密は、看板メニューの牛すじらーめんにある。券売機で購入したチケットを渡すと、「ぶっかけ?(もしくはノーマルらーめん)」「冷や?熱?(麺)」「大盛り?」「ニンニクは?」など聞かれるので、好みのタイプを選ぶこと。出てきた牛すじらーめんは、大きなどんぶりに、極太の麺、キャベツにモヤシ、そしてホロホロと崩れる牛すじの塊がたっぷりとのっている。らーめんは、甘辛いスープのおかげで極太麺がスルスルとのどを通り、甘く煮込まれた牛すじと麺のうまさが楽しめる一杯だ。だが、醍醐味を味わいたいのであれば、力強い麺とホロホロの牛すじに卵をまぜ合わせるジャンクな一杯、ぶっかけを注文してほしい。
●らーめんしょっぷ 中吉
料金:牛すじらーめん 800円
アクセス:綾瀬 駅
営業時間:18時00分~
■十条でステーキ
十条駅前のアーケードで被われた商店街、十条銀座の一角にあるラーメン店、らあめん HAJIME。こちらの牛スープらあめん(牛塩と牛醤油)には“ステーキのせ”がある。つまり、ラーメンの上にステーキが1枚のっている。名物メニュー『ステーキのせ牛塩らあめん』は、さっぱりとしているが濃厚な牛の出汁がでたスープに、もっちりした少し縮れた平打ち麺、穂先メンマと玉ねぎのフライ、青ネギが添えられている。注文を受けてから焼き上げたステーキのうまみと、濃厚な牛のスープとが溶け合い、うまい。醤油と刻みニンニクの小皿が出されるので、ステーキだけで味わうことも可能だ。ステーキはトッピングとしても注文できる。
●らあめん HAJIME
料金:ステーキのせ牛塩らあめん 1000円
アクセス:十条 駅(北口 徒歩1分)
営業時間:11時30分~15時、18時~22時30分(土・日、祝日は20時まで)
■大門で手羽先
鶏ポタラーメン THANKは、化学調味料を使わず鶏と野菜で作ったポタージュスープが特徴のラーメンを提供している。自慢のポタージュスープは、さらさらとした食感の“さらり”、適度なとろみがある“とろり”、どっしりとした“ぽてり”の3種類を用意。まったくといっていいほど刺激のないこのスープは、鶏白湯と数種類の野菜をじっくり煮込み、ダシを加えたもので、一口ふくむと繊細な旨味が徐々に広がっていく。注目すべきは、こちらもこだわりのチャーシュー。手羽先をしょう油ベースのタレにつけ、スチームオーブンでこんがやりと焼いたもので、さっぱりとしたスープにジューシーな手羽先がよく合う。
●鶏ポタラーメン THANK
料金:スペシャルラーメン 950円
アクセス:大門 駅
営業時間:11時30分~15時00分/18時00分~22時00分(土曜は昼のみ)
■神田で豚のほぐし肉
渋谷、神保町と移り、今は神田に店をかまえる『背脂醤油 のあ』。店主の気まぐれで様々な創作ラーメンを提供しているが、そのベースとなっているのは、ほぐしたチャーシューと背脂がたっぷり盛られたまぜそば『脂そば』だ。つるっとした中太麺は、こちらもたっぷり。それらを混ぜ合わせながら、こってりした背脂のほんのりした甘み、塩辛い味付けのタレ、コシのある麺を味わう一品。卓上には、ラー油、ニンニク、酢などが用意されているので、単調に感じ始めたら、これらを混ぜてみるのもいいだろう。店主の体調などにより、オープン時間が変更されるので、来店前にはブログのチェックを。
●背脂醤油 のあ
料金:脂そば 700円
アクセス:神田 駅(西口 徒歩3分)
営業時間:18時00分~(不定)
■新宿二丁目でフライドチキン
魅惑の新宿二丁目にあるラーメン店、GACHI。市ヶ谷・麺や庄ののセカンドブランドとして立ち上げられた同店では、超濃厚な鶏ポタージュ塩味のつけ汁『Sio』をはじめ、『TERIYAKI』『麺 in BLACK』などのつけ麺、『中華ソバ』『まぜそば』など、様々なラーメンを提供している。だが今回注目するのは、各メニューのデラックスに入っているフライドチキンだ。このガチチキン、器からはみ出すほどのボリュームで、塩コショウがきいており、外はパリっと中はジューシィ、完成度の高い一品だ。自家製麺、そして濃厚なスープと一緒に味わってほしい。
●二丁目つけめん GACHI
料金:まぜそば DX(デラックス)990円
アクセス:新宿三丁目 駅
営業時間:11時00分~23時00分
■御成門で激辛薬膳牛肉
独特の辛さがある中国の薬膳料理を提供する、味芳斎。ランチ時などは行列ができる人気店だ。野菜とレバーの炒めもの、豆腐が細かく砕かれた麻婆豆腐など人気メニューは多いが、同店には名物ラーメンもある。それが、牛肉がゴロゴロと入っている牛肉麺だ。花椒、八角、五香粉、ニンニク、鷹の爪など様々な香辛料がたっぷりと入ったこの名物メニュー、食べ進めるほどに辛さが増し、額からは汗がにじみ出てくる。だがその独特の風味にはまる人も多い。まさに病みつきになる辛さだ。
●味芳斎
料金:牛肉麺 1200円
アクセス:御成門 駅
営業時間:11時00分~15時00分、17時00分~22時00分
■水道橋でメガから揚げ
水道橋駅を出てすぐ、ガード下にある『旨辛ラーメン表裏』は、店名にあるように辛みのあるラーメンが特徴。その中の一品、極辛あんかけDXは、見ての通りどんぶりを被うような大きなから揚げ、“メガから”がのっている。だが、ただ大きいだけのから揚げではない。しょう油風味の香ばしさが食欲をそそり、外はカリっとした食感、柔らかな鶏肉はジューシーな仕上がり。豚骨しょう油がベースのスープともよく合う。小麦の種皮を使用した麺は歯ごたえがあり、もやし中心だが野菜がたっぷりなのもうれしい。卓上には辛みパウダーなどもあるので、もの足りなければそちらを。
●旨辛ラーメン表裏
料金:あんかけDX 980円
アクセス:水道橋 駅(東口 徒歩1分)
営業時間:11時00分~15時30分、17時00分~22時00分
■新宿で極厚チャーシュー
新宿駅西口のラーメン店、満来。この老舗ラーメン店の名物は、極厚の、どんぶりを覆うようなチャーシュー。1400円という値段はやや高く感じるかもしれないが、“ちゃーしゅーらあめん”には、どんぶりを被うほどの極厚チャーシューが3枚、いや肉の固まりが3ブロックほど盛りつけられている。この特別なチャーシューを味わうため、鶏ガラ、そして醤油ベースの透き通ったスープは、さっぱりとしており上品な仕上がり。平打ちの少し縮れた麺は、こちらもたっぷりと入っているので、無理な注文はしないように。
●満来
料金:ちゃーしゅーらあめん 1400円
アクセス:新宿 駅(中央西口 徒歩4分)
営業時間:11時00分~19時00分
■大島で鶏もも肉の天ぷら
大島駅からすぐ、新大橋通り沿いに店を構えるラーメン店。蕎麦店での修業経験を生かし、日本蕎麦からヒントを得たラーメンが非常に特徴的だ。そばつゆの要領でサバ、カツオ節を煮詰めた醤油だしをベースとし、そこに鶏主体の動物系、昆布や干し椎茸の精進系スープが合わさる。定番メニューの『中華そば』(650円)は上品な味わい。スライスしたレモンがたっぷり載った『レモンラーメン』(650円)は、レモンの酸味がスープをぐっと底上げしている。だが、必ず頼みたい一品は、ッピングの『鳥天』(200円)。もし食べきれなくても持ち帰りが可能。
●りんすず食堂
料金:鶏天ラーメン 750円
アクセス:大島 駅(A1出口 徒歩2分)
営業時間:11時30分~14時30分、18時30分~21時00分
■赤坂で肉味噌と排骨(パーコー)
青山、南阿佐ヶ谷、軽井沢に店舗を展開する中華料理店、希須林。各店それぞれ個性的な本格中華料理を提供しているが、ここ赤坂の店舗は坦々麺の専門店となる。ここで注文したいのが、大きな排骨が入った特製 排骨坦々麺。坦々麺は、芝麻醤(チーマージャン)がきいており、ごまが香るクリーミーなスープに、ラー油の辛さがピリっときいている。縮れた中細麺の上にはたっぷりのもやし、その上に甘みのある肉味噌が。そして排骨はそれらを覆おうよう盛り付けられている。辛さは1~5まで選べるが、苦手でなければ少し辛めで味わいたい。サービスのご飯と、卓上のザーサイも合わせて堪能してほしい。
●希須林 赤坂
料金:排骨担々麺 1200円
アクセス:赤坂駅、赤坂見附駅、溜池山王駅
営業時間:11時00分~23時30分(L.O. 23時00分)
■北千住でローストビーフ
北千住駅東口より徒歩5分、赤い看板が目印の『牛骨らぁめんマタドール』は、『ちゃぶ屋』などの人気店で修業を積んだという店主が営む店。焼肉店で発想のヒントを得たという、牛骨や牛スジ、牛アキレスからとった、少し脂の浮くスープが特徴。まるでローストビーフのような大判の牛チャーシューが載る『贅沢焼牛らぁ麺』は、牛づくしの一杯でおすすめできる。少しとろみのあるスープはなめらかな味わいで、思わずグイグイ飲んでしまう。平打の細麺ともよく合っている。見た目のダイナミックさとは裏腹に、非常に繊細に作り込まれており、奥行きがあるラーメンだ。
●牛骨らぁ麺マタドール
料金:贅沢焼牛らぁ麺 1000円
アクセス:北千住 駅(東口 徒歩4分)
営業時間:11時30分~14時30分、18時00分~売り切れ次第閉店
■代官山でとんかつ
恵比寿駅と代官山駅の中程、駒沢通り沿いにある『らーめん山田』は、昼時の2時間半のみという限られた時間内しか営業していないため、オープンから行列が絶えない名物店。人気メニューは、しっかりと旨みを持たせている魚介だしが入った、あっさりとマイルドな味噌味のラーメン。その上に揚げたてのトンカツをのせたものが、ボリューム満点の名物、トンカツラーメン。奥行きのある味わいのスープ、プリっとした麺、たっぷりの野菜を味わえる贅沢な一品。
●らーめん山田
料金:トンカツラーメン 950円
アクセス:恵比寿 駅(徒歩5、6分)
営業時間:11時30分~14時00分
■秋葉原で骨付き鶏
味噌、塩、海老、蟹、各店舗で様々なラーメンを提供している東京ラーメンけいすけの秋葉原店『辛BLACKつけ麺七代目けいすけ』が、2013年2月8日にリニューアルオープン。2012年末、シンガポールにオープンした『鶏王けいすけ』が上陸を果たした。メニューは、こってりした鶏白湯の『鶏王らーめん』と、あっさりめの鶏清湯の『鶏そば』。柔らかく煮こんだあとに表面をカリッとローストした骨付き鶏モモ肉は、別皿に取り分け、卓上の辛みそをつけて味わえるので、ここではあっさりの『鶏そば』を注文。鶏の旨味が濃縮されたスープと中細麺に合わせ、香ばしくローストされた特大の鶏チャーシューを楽しんでほしい。食べ放題のもやしナムルも忘れずに。
●鶏王けいすけ
料金:鶏そば味玉入り 850円
アクセス:秋葉原 駅(徒歩4分)
営業時間:11時00分~23時00分
※この記事は、東京のイベント・お店情報サイト『タイムアウト東京』が執筆しました。
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