ソフトバンクモバイルは5月7日、発表会『SoftBank 2013 Summer』を開催しました。6機種のAndroidスマートフォンとモバイルルーターが新製品として発表されたこの発表会は、前半にかなりの時間を割いて「つながりやすさ No.1」をアピールしたほか、後半には新しいクラウドサービス『SoftBank HealthCare』を発表しました。発表会の模様をレポートします。
●「Wi-Fi」「小セル化」「ダブルLTE」でトラフィック増大に対応
発表会にはソフトバンクグループ代表の孫正義氏が登壇。3月21日に開催した記者発表『モバイルネットワークに関する説明会』同様、まず同社のモバイルネットワークの現状と施策について説明します。2008年と比較して60倍となったモバイルのトラフィック増大と、圏外ではないのにネットワークに接続できない“パケ詰まり”に対する同社の施策は「Wi-Fi」「小セル化」「ダブルLTE」の三本柱。
同社のWi-Fiスポット数は4月18日時点で46万基と、同社によると世界最大の規模。SIMカードによる認証で認証時間を2~4秒に短縮する、電波が弱く接続が不安定な場所ではモバイルネットワークへの接続に切り替えるなど、Wi-Fi回線の品質改善にも取り組んでいることを明らかにしました。
100人規模の基地局を設置してトラフィックの分散を図る小セル化はトラフィックが集中する都市部で推進。基地局同士で電波が干渉する問題に対して、複数の基地局のトラフィックをネットワークで接続した外部の制御装置でまとめて管理する“クラウド基地局”を運用していることを明らかに。こちらは世界初の試みだとのこと。また、基地局の設置には、現在月間6億件のアプリ通信ログを解析し、設置計画に利用していると発表しました。
「ダブルLTE」については、3月21日の発表時に『iPhone 5』と『iPad mini』を対象に、2.1GHzの同社のLTEと1.7GHzのイー・モバイルのLTEを併用可能にしています。
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http://getnews.jp/archives/303417
●「つながりやすさ No.1」を改めてアピール
ここで、3月21日の発表でも使われたソフトバンクグループのAgoop社による「パケット接続率」の調査結果とイプソス社による「音声接続率」の調査結果の最新データを引用。5月5日の「パケット接続率」の調査は、Yahoo! が配布する『防災速報』とAgoop社が配布する『ラーメンチェッカー』の各アプリを利用する各キャリア4万台、計12万台のアプリ通信ログを使用して、ソフトバンクが96.7%と引き続き1位であることを発表しました。
「音声接続率」ではスマートフォン利用者1万4100人を対象に調査を実施した結果、ソフトバンクは98.4%と引き続き1位であったことを発表。「つながりやすさ No.1」は、「科学的根拠に基づいた結果」(孫氏)とアピールしました。
●Androidスマートフォン6機種とモバイルルーター1機種を発表
ここまでの前置きの後、「つながりやすさ No.1を活用する端末」(同氏)として新製品を発表していきます。最初に発表されたのはシャープ製の『AQUOS PHONE Xx SoftBank 206SH』。5.0インチのフルHDディスプレー、1.7GHzのクアッドコアCPU、3080mAhのバッテリーを搭載し、フルHDのフルセグ放送の視聴に対応。F値1.9と明るく撮影できるカメラも搭載します。
続いて富士通製の『ARROWS A SoftBank 202F』を発表。こちらも5.0インチのフルHDディスプレー、1.7GHzのクアッドコアCPUを搭載し、フルHDのフルセグ放送の視聴に対応。バッテリー容量は3020mAhで、2日間使えるバッテリーの持ちが特徴。
『AQUOS PHONE SS SoftBank 205SH』は、本体幅が60.4mmとコンパクトなスマートフォン。『PANTONE』スマートフォンに搭載されていた放射線測定機能を搭載し、測定時間を1分と約半分に短縮しています。
京セラ製の『DIGNO R SoftBank 202K』は、重さが約94グラムと、同社によると「世界最軽量の防水スマートフォン」。画面全体が振動して音を伝えやすくする『スマートソニックレシーバー』の機能を搭載します。
モバイルルーター『Pocket WiFi SoftBank 203Z』は、ソフトバンクが持つ2.5Hz帯の『SoftBank 4G』と1.5GHz帯の『ULTRA SPEED』、イー・モバイルが持つ1.7GHzLTEの2社のネットワークに対応するモバイルルーター。下り最大110Mbpsの高速通信に対応し、バッテリー容量は5000mAh。
『Disneymobile on SoftBank』の新製品『DM015K』も発表されました。キャラクターに合わせた3種類のデザインから本体が選択でき、さらに立体ケースとライブ壁紙を組み合わせて14種類のキャラクターデザインにカスタマイズが可能。
スマートフォンではさらに1機種、ドコモ『らくらくスマートフォン』のソフトバンク版となる『シンプルスマホ SoftBank 204SH』も発表されました。通話、メール、ホームの3ボタンに機能を集約し、ブラウザのズーム操作が簡単にできるのが特徴です。
●『Fitbit』を核にした健康管理サービス『SoftBank HealthCare』を発表
端末の発表に続いて、デバイスから取得した健康情報をクラウドで管理し、アプリやサービスで利用可能にするコンセプトのクラウドサービス『SoftBank HealthCare』が発表されました。
第1弾として、歩数や移動距離、消費カロリーなどの活動量と睡眠の時間と深さを腕に装着して計測・管理するガジェット『Fitbit flex』を核にしたサービスを提供。『Fitbit flex』本体と活動量を管理するサービス、生活状態から未来の自分の顔や体重を予測するサービス、電話での健康相談を24時間365日受け付けるサービスをセットにして月額490円で提供します。
全体として、新端末より回線と新サービスの訴求に力が入っていたように見える今回のソフトバンクの発表。5月15日にはドコモ、5月20日はauの発表会が開催を発表されています。回線品質をアピールされたほか2社はどのような内容で勝負してくるのでしょうか。ガジェット通信はいずれもレポートをお届けしますのでお楽しみに。
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