“精進料理”というと、どのようなイメージを持たれるでしょう?
「何やら味気なく、辛気くさい病人食みたいなもの」と思われた方は、メタボまっしぐらの肉食男子ではありませんか? 正直いって、こうしたイメージはもはや時代遅れになりつつあります。
いまや精進料理のみならず“お寺”“お坊さん”“仏教”は、妙齢女子の心をくすぐる萌えワード。肉食男子的な単純思考は、絶滅した恐竜のように急速に化石化しているのです!
……なる仮説を実証するため、何やら草食モテ臭ただようイベント『お寺レストラン』*1 に潜入してきました。
*1:「さあ、年末! 都心で楽しむお寺ごはん ? お寺の料理で心とからだを整えて、新しい年を迎えましょう ?」2012年11月26日『虚空山 彼岸寺β』
http://www.higan.net/feature/2012/11/post-3.html
「草食=僧職」のダブルミーニングにもなっている本イベント、MBA資格も持つ浄土真宗の“料理僧”こと青江覚峰住職*2 が、自著『お寺ごはん』*3 の出版記念として、神谷町・光明寺に期間限定(~12/6まで)オープンした精進料理レストランが、その正体。
*2:「青江覚峰」『虚空山 彼岸寺β』
http://higan.net/apps/mt-cp.cgi?__mode=view&id=31&blog_id=58
*3:「お寺ごはん」『Discover』
http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799312483
精進料理の芳香のみならず、“草食=僧職男子”萌えの女子の香りも嗅ぎ付け、境内に迷い込んだところ……いるわいるわ、妙齢の“ひとり女子”または“カップル女子”。みなさんおごそかに食事中!
いささか恐縮しながら席に着いたところ、まず目を見張ったのは僧職男子の執事顔負けのホスピタリティー! うやうやしく「こちらはお肉の代わりにお麩を使った“お麩じゃが”でございます」「お寒くはございませんか?」と、端正な面持ちでのもてなし攻勢。これは女子のハートも胃袋もわしづかみでしょう。
若い僧侶たちはかすかにオタクっぽい方が多く、境内は“女子部員ばかりの文化部で、まめまめしく働く男子部員”といった風情が漂っていました。もちろん、男性である筆者にもいっさいの差別のない、心暖まるおもてなし。ああ、食す前から「ごちそうさま」の気分です。
料理一品一品も「おいしゅうございました」というほかないクオリティーで、全身の血液がほんのり浄化されるのを実感できます。これで物足りないという方は、本気で食習慣を見直したほうがいいかも。
お坊さんのホスピタリティーにあてられ、まるで“現世でないような”不思議な居心地が味わえました。昔のお寺的な敷居の高さは微塵もなく、“お坊さんはサービス業”として全うされている感じ。サービス業全盛時代らしいお寺の在り方ですね。
「ただ“丁寧に”を心がけ、一つひとつの工程に気持ちを込めてつくっております」「身近で毎日体験する“食事”を通じて、仏教を感じていただければ」と語る青江住職。精進料理の精神を堪能しながら、身も心も養生できるという、贅を尽くしたリトリート・スポットでした。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「青木ポンチ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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