2013年4月12日、中央合同庁舎第4号館で開かれた稲田朋美内閣府匿名担当大臣の記者会見に出席できました。そこで、担当のクールジャパンに関する質問をすることができましたので、その部分を抜粋して紹介します。
●クールジャパン関連の質疑応答(抜粋)
――4月2日のクールジャパン推進会議での秋元康さんの発言で、「日本の優秀なクリエーターが“ノー・ギャラ”でやるチームを作って取り組む」という部分が多く批判されています。言葉だけが独り歩きしている部分もあると思いますが、アニメーターなど多くのクリエイティブ職は生活が不安定だという現実もありますし、推進会議の方向を不安に見ている人も多いと思います。クリエーター支援という観点をどうとらえていらっしゃるのかお伺いします。
稲田大臣:生活が苦しいクリエーターの皆さん方を、特に若手の支援をしたいというはクールジャパンでも議論も出ています。ただ、秋元さんがおっしゃったのは、日本の危機を突破するためにクールジャパンという意気込みを示すために、超有名な方々が、本来ならば競演できないような芸能関係や文化人の方が集まって、みんなで協力して日本を売りだしていこう、みたいな発信をしたいということは常々ご持論としておしゃっていたので、それは若手のクリエーターとかそういう趣旨ではなくて、本来なら競演の実現がなかなか難しい、世界的の有名な方々が集まって、しかも本来は高いギャラにもかかわらず、ノーギャラでやりますよという意気込みを見せましょう、という趣旨で発言をされましたので、若手のクリエーターを育てるというのは、秋元さんとの違う観点だと私は理解しています。
――4月9日のポップカルチャー文科会で特区構想も出たそうですが、推進会議に議論がどのように盛り込まれていくのでしょうか。
稲田大臣:(分科会は)フルオープンでもなされて、私は集中審議だったので出席はできなかったのですが、後から事務方からいろいろな面白い意見が出ているという報告を受けています。ポップカルチャー分科会は4月中にもう一回開く予定ではいますが、そういう観点を変えたというか、出た意見も是非クールジャパンの取りまとめに入れていきたいと思っています。
●若手クリエーター支援の具体案には触れず
このように、秋元康さんの「無報酬」発言は、超有名な芸能人や文化人がノーギャラでやるというもので、若手のクリエーターを対象にしたものではないと再三強調した稲田大臣。ただ、クリエーター支援の具体案について明言をすることを避けられてしまいました。
4月9日のポップカルチャー分科会も、マスコミにフルオープンと発言がありましたが、実際は首相官邸で開催されたため、記者証のないネットメディアやフリージャーナリスト、一般傍聴者はシャットアウトされています。今後、クールジャパン推進会議の議論の方向性や、議論が開かれた中で行われるかどうか、引き続き注視していく必要がありそうです。
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