今回は井上 大紀さんのブログ『Gloomy blog』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/316540をごらんください。
■熟女のアプリ作ってアップルと闘った話
つい先日おっぱいのアプリ「乳師」を無事売却したことをこのブログでお伝えしたばかりの中、このようなタイトルの記事を更新するのは誠に不本意なのですが、再度アップルと争うことになったので少しその話をさせて下さい。
予め断っておきますが、こんな記事を書くと「あ、こいつ乳師が少し話題になったから調子のってんな」と勘ぐる人もいるかもしれませんが、それは全くの誤解です。今回もただただ純粋にアップルへの怒りを綴りたいだけなのです。
どうぞ、お付き合い下さい。
●-出落-
昨年の9月、僕が所属するアイデアマンズという会社から1本のアプリがリリースされました。「スライド四字熟語」というアプリで、パズルのよう表示される四文字熟語を正しい順番で指でなぞっていくという、クイズゲームアプリです。楽しみながら四字熟語が勉強できるというコンセプトと指をスライドさせて回答していくというその操作性が受け、リリース直後から口コミだけで順調にダウンロード数を伸ばしていきました。そして2013年3月現在、10万ダウンロードを目前に控えています。
「スライド四字熟語」 『iTunesプレビュー』
https://itunes.apple.com/jp/app/suraido-si-zi-shu-yu/id556754442?mt=8
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/ap01.jpg
このアプリは僕がいるチームとは別のチームが開発していたのですが、せっかく10万ダウンロード直前まで迫っているのですから、何とかその大台に乗せるべく、僕も何か協力出来ないかと考えました。その結果が、「スライド四字熟女」という便乗アプリをリリースすることでした。パズル状に並んだ四文字の熟女、例えば「榊原郁恵」「高島礼子」といった名前を、指でなぞって回答していくというアプリです。
「スライド四字熟語」と「スライド四字熟女」という、タイトルをただもじっただけのアプリ。そうです、出オチです。出オチのアプリです。別にいいじゃないですか、出オチだって。しかも「スライド四字熟語」を知らない人にとっては出オチにすらなりません。それでもいいんです。普段一生懸命受託開発をしているのですから、たまには息抜きがしたいのです。
こうして、「スライド四字熟女」の開発がスタートしました。
●-開発-
開発というと大袈裟かもしれません。基本的には「スライド四字熟語」のプログラムの熟語部分を四文字の熟女に変えるだけなので、そこまで手間のかかる作業ではありません。しかしアプリのタイトルが変わるので、当然デザインは作り直す必要があります。
ベースとなる「スライド四字熟語」のデザインはとにかくシンプルです。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/ap02.jpg
そして今回開発する「スライド四字熟女」については何てったって出オチアプリなので、デザインに時間をかける必要はありません。一応「スライド」シリーズなのでベースデザインを踏襲する必要があります。忙しいデザイナーに遠慮しつつも、デザインの作成をお願いしました。
僕:「四字熟語のデザインをベースに軽く熟女っぽくして下さい。適当な感じで良いのでw」
的な感じでデザイナーにユルく依頼をしていたのですが、後日仕上がったデザインがこれでした。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/ap03.jpg
うん、なんか凄いのでてきた。原型をとどめてなさ過ぎて、シリーズ感はゼロです。でもいいのです。出オチですから。このデザインでいくことにしました。
●-審査-
予定通り、開発は非常に短時間で完了しました。先ほどのデザインも乗せて、いよいよアップルの審査です。過去におっぱいアプリの審査で苦汁を舐めさせられた僕でしたが、今回は特に不安要素はありませんでした。既に「スライド四字熟語」が審査で通ってる以上プログラム的な問題はありませんし、このアプリにはエロ表現もありません。おっぱい画像に比べれば遥かにマシです。誰も僕の企画をとがめるものはありません。そう信じていました。
審査依頼から約1週間後、アップルから回答がきました。結果は「リジェクト」。トラウマがある「リジェクト」という文字が表示されていました。「どこかプログラムにバグがあったか?」「紹介文の記載に不適切な表現があったか?」僕は瞬時にあらゆる可能性を考えました。そしてそのリジェクト理由を確認したところ、次の理由が書かれてました。
アップル:「誤解をまねくアプリ名なので」
ちょっと待って欲しい。「スライド四字熟女」にはウソもごまかしもありません。ましてやユーザーに誤解を与えるようなアプリではないです。四文字の熟女をスライドするアプリなのだから「スライド四字熟女」。そのままなのです。そこで僕はアップルに対してこう思いました。
変な妄想して勝手に勘違いしたのは、おまえらだろうが!!
さすが天下のアップル社員、想像力が豊富なようです。「スライド」と「熟女」というキーワードからどんだけエロいアプリを想像したのでしょうか。なのにいざアプリをやってるみると、別にエロくない普通のアプリだからガッカリしたのでしょう。そもそも「熟女」って「40~60歳くらいの女性」って意味だから別にエロい言葉ではないはずです。その根拠を示すべく、試しにGoogle先生で「熟女」というキーワードで画像検索してみたのですが、
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/ap04.jpg
これはアカン。
僕はこれをオフィスで使ってる大きめのディスプレイで見ていたので大惨事になりました。通常のエロ画像ならまだしも、熟女のエロ画像は迫力満点です。この画面を見た時に何となく、「ダイナソー」という言葉が頭をよぎりました。みなさんもこんな時のために、Googleのセーフサーチはしっかり設定しておきましょう。
ともかくアプリをリリースのために「熟女」というキーワードを外すことになりました。代案となるキーワードをいくつも考えメンバーと相談した結果、少し語感がズレるので出オチ感は損なうものの、「スライド四字淑女(しゅくじょ)」でいくことにしました。「熟語」と「淑女」で、まあ似ている語感なのでギリギリOKとしましょう。一応こちらも事前にGoogle先生で画像検索してみました。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/ap05.jpg
うん、まあ大丈夫でしょう。ところどころアレな画像もありましたが、基本的に「淑女」というワードに卑猥なイメージはありません。むしろ気品ある女性のイメージです。こうして、「スライド四字淑女」として再度審査の依頼を送りました。
●-三井-
若干のエロを感じる「熟女」というワードを外して気品ある「淑女」というワードを選定した僕らにぬかりはありませんでした。年度末の忙しい時期にバタバタと受託開発をこなしながら、みんなで必死に考えた「淑女」というキーワード。これが通らないわけはありません。審査が通ることをほぼ確信しながら、僕らはアップルからの回答を待ちました。そして数日後、アップルからの回答がきたのです。
しかし、その結果は「リジェクト」でした。
しかもその理由は、前回と全く同じ、「誤解をまねくアプリ名」でした。
僕
「なぜオレはあんなムダな時間を・・・」
(スラムダンク 三井寿より)
長い時間考えて「淑女」という言葉にたどり着いたあの時間は何だったのでしょうか。おっぱいの時同様、またしてもアップルは強固に僕の前に立ちはだかったのです。しかしせっかくここまできたのですから後にはひけません。どうにかしてこの出オチアプリを公開するべく、さらにアプリ名を改良、デザインも作り直し審査にかけたのです。
●-終焉-
そのときの僕らは受託の忙しさと、度重なるアプリの改良、審査でボロボロでした。今回の改良で審査が通らなければ、もう諦めるしかありません。そのような追いつめられた状況の中、アップルからの回答がきました。結果は合格!アプリが公開されることとなったのです!そしてつい先日、そのアプリが無事にリリースされました。それがこのアプリです!
「スライド四文字女優」
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
http://px1img.getnews.jp/img/archives/ap06.jpg
そう。アプリ名が変わり過ぎて、出オチ感が全く無くなっていたのです。
当初、「スライド四字熟語」の10万ダウンロードに向けて、タイトルをもじった出オチのアプリを作ろうと始まり、アプリ名の語感を似せた出オチ感にこだわり続けたこのプロジェクトですが、度重なるアプリ名変更を余儀なくされ、ただ四文字の女優を指でなぞるアプリをリリースするだけという結果になったのです。
ということで皆さん、この誰も得しない意味不明なアプリを奮ってダウンロード下さい。
「スライド四文字女優」 『iTunesプレビュー』
https://itunes.apple.com/jp/app/suraido-si-wen-zi-nu-you/id616111079?mt=8
最後までお読み頂きありがとうございました。
執筆: この記事は井上 大紀さんのブログ『Gloomy blog』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月06日時点のものです。
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