この記事ははせおやさいさんのブログ『インターネットの備忘録』からご寄稿いただきました。
■「やる気」を他人が出させることはできない
後輩指導とか教育の話になるとよく「相手にやる気を出させる」って単語が出てきて本当にうんざりします。
他人から無理やり押し付けられても、それは「やる気がある演技」にしかならなくて、結局破綻する。「いいから頑張れよ」とか「根性見せろよ」とかいうスタイルの指導も内容がフンワリしすぎて、何をどうすればいいかまったく指示していないわけで、これって指導者の怠慢だよなーと思います。
わたし自身も「部下がやる気ない」みたいな問題にぶつかったことがありますし、その時は指導方法が分からなくて、「うーんどうしたらいいかよくわかんないけど何しろ頑張ろうよ!」という大雑把な投げ方をしてしまって、心底反省しています。
ここでイカンのは「他のチームはこんなに頑張ってるんだから負けるぞ」とか「次の査定に響くぞ」みたいな、ハッパをかけるという名の脅しをしてしまいがちだったこと。当時の自分に「バカッ!!!」って平手打ちしたい。フライング平手。
そんな言い方しても相手は萎縮するか心が折れるのがほとんどで、「そうか、じゃあがんばろう!」ってスイッチが入るのは、やるべきことと本人の資質がたまたまカチッとはまったときだけで、指導法としては再現性が低すぎて、マジでダメなんですよね。
という経験をふまえて、1つ前のエントリでも書いたように「今まで出来なかったことを出来るようになってもらう」ための教え方、というのは
「超具体的なTODOを与え、都度仕上がりを確認する」
→「仕上がりのレベルに応じて次のTODOを与える」
→「最終的にはTODO出しも本人ができるようにする」
の3ステップかなと思います。
自分でも実践してみて、わりと成功してる、と思う。
超具体的なTODOは、与えたら達成するまで続けてもらえばよいわけで、そこに「やる気が」とかあまり関係しない。というか、「やる気はあるけど出来ない」「出来てないけどやる気はある/がんばってるから」みたいよくわかんない評価を出す必要もなくなるという意味で、上司も部下もハッピーになる可能性が高いんじゃないかな。
「やる気はないけど、目標として設定した成果は出してる」、これでいいじゃん、っていう。
この場合、最初に与える超具体的なTODOが異常にレベル高いとか、TODOの先にある成果の目標が無理筋であるとか、そういうハチャメチャなことをしなければ、わりと段階を踏んで成長してもらえると思います。
この場合でも、低めの階段から1段ずつ登ってもらって、都度「できてる!」「いいよいいよ!」と褒めて、はっきり本人に「自分は階段が登れている」ことをアピールすること。
1つ1つは小さい達成でも、都度肯定されることで本人の自信が積み上がって、それがひいては「やる気」なるものを呼ぶんじゃないかな。
上司も投げっぱなし・言いっぱなしじゃなく登山するときみたいに上を見つつ常に下もチラ見して、手を貸しすぎず放置しすぎず一緒に歩むのがいいわけで、本当に人を育てるって大変だなあと中間管理職はじめ世の中のお父さんお母さん各位の心中お察し申し上げますまで書いたところで出かける時間になったので今日はこのへんで。
執筆: この記事ははせおやさいさんのブログ『インターネットの備忘録』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年02月28日時点のものです。
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