“改造”という言葉に燃えない男はいない。
男ならば誰しも、とくに中学生くらいの年頃になれば、身近な乗り物を改造してみたいという欲に駆られるはずだ。“身近な乗り物”といえばやはり自転車だが、せっかくだから地域住民に大注目されるようなスーパーマシンを作ってみたい。
ただしそれは、ハンドルをハーレーみたいにするとか、サドルに長い背もたれをくっ付けるとか、そんなみみっちいことではない。本来の意味の“改造”とは、走行性能の向上を実現させるものだ。この記事では、普段乗っている自転車を一瞬にして電動アシスト車にする素晴らしい製品をご紹介しよう。
①bimoz
まずは、スイス発のこの製品から。
スマホアプリと連動する外付けモーターキット『bimoz』。これは総重量わずか1.97kgだが、250Wのパワーを持っている。それをごく普通の自転車に取り付ければアラ不思議、憧れの電動アシスト自転車の完成である。
bimozは1回の充電で最大150kmの移動を可能にする。アシスト可能上限速度は最大25km。先述の通りスマホに接続し、アシスト配分や走行データの管理も行える。こりゃすごいぜ!
ヨーロッパはCO2排出に関してはベラボーにシビアで、クルマに乗るくらいなら自分で自転車を改造しちまおうという気風が強い。交通安全を最重要する日本人とは違い、EU圏の人々は地球環境が第一なのだ。だからアメリカの金権大統領からいろいろ悪口を言われていたりするのだが、ともかく現代ヨーロッパ市民の理想の世界は「緑豊かな地球」である。
当然、その発想がクラウドファンディング界隈にも大きく影響しているわけだ。
②go-e
だがいくら地球環境に優しくても、中には「やりすぎじゃね?」と思ってしまう製品もある。
たとえば、この『go-e』という製品。先ほどのbimozとは機構が違うが、普通の自転車にモーターとバッテリーを取り付けて電動アシスト車にするというコンセプトは変わらない。
ところがgo-eの性能諸元を見てみると、最大出力800Wで最高時速45kmとあるではないか。これは誤植か? いやいや、どうやらマジらしい。
しかも親切なことに、製品出荷時はEU基準の250Wにデフォルト設定されている。そのあとは自己責任で出力を調整してくれ、とのことだ。だってKickstarterのページにそう書いてあるんだもん。このあたり、日本人には真似のできない措置だ。
それにしても、日頃慣れ親しんだママチャリがある日突然45kmで走り出したら、恐ろしさのあまりに失禁するかも……。
③UrbaNext
最後は『UrbaNext』という製品をご紹介しよう。
これもすごいぞ! 前輪に取り付ける外付けモーターで、最大出力350W・最大時速32kmという性能だ。もっともそれだけなら、先述のgo-eに大きく劣る。だがUrbaNextの場合は、ノーペダリングのスロットル操作で32kmまで持っていけるらしい。
これって電動アシスト自転車じゃなくって、もはや原付じゃないか。最大行動範囲は50kmだそうだから、ちょっくら街中を暴走……もとい乗り回すには最適だ。
これを地元の不良中学生にプレゼントしたら、きっと喜ぶだろう。いやいや、そんなことをしてはいけない。大体ここで紹介した製品は、地球温暖化を食い止めるために開発されたものなのだ。縦に折り曲げたハンドルの自転車でカッコつけるために使うものじゃありませんよ!?
以上、あなたの自転車を一瞬で電気アシスト車にするスグレモノを取り上げた。
当然のことながら、ここで挙げた製品は日本の法律をまったく考慮していない。改造自転車で公道を走っている場面をお巡りさんに見られたら、ほぼ間違いなく検挙だろう。
というわけで中学生諸君、どうしても改造自転車で公道サイクルをエンジョイしたいのなら、まずは法改正を待とう。何十年かかるか分からないけど。
【参考・動画】
bimoz – world’s lightest and smartest e-bike drive-Indiegogo[リンク]
go-e ONwheel converts your bike into an e-bike in seconds-Kickstarter[リンク]
UrbaNext: Convert Any Bike to an Electric Bike in 60 Seconds-Kickstarter[リンク]
bimoz – The Next Level of Biking!-YouTube[リンク]
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(執筆者: 澤田 真一) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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