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6月16日(金)より『Amazonプライム・ビデオ』にて配信される『東京ヴァンパイアホテル』(全9話)。園子温監督にとって初のオリジナル脚本となるドラマシリーズは、地球の滅亡を図る吸血族と人類の戦いが描かれる。

このたび、今作でドラキュラ族のK役を演じる夏帆さん、吸血鬼コルビン族の山田役を演じる満島真之介さんを直撃。二人が「毎日死ぬかと思ってた」「夢を見ているようだった」と語る壮絶な撮影の裏側について話を聞いた。

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日活撮影所の3ステージをベースに撮影を行い、ヴァンパイアの故郷ルーマニア・トランシルヴァニア地方の地下道や、ドラキュラ伝説にまつわる古城などでもロケが敢行された今作。物語は怒涛のアクションと銃撃戦から幕を開け、演じる本人たちでさえ「どんな方向に向かっていくのか分からなかった」という。

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夏帆:「台本を読んだだけでは全く想像がつきませんでした。撮影と並行して台本が完成していったので、私自身、Kという役柄については現場で徐々に知っていきました。撮影前は不安で仕方がなかったです。私はルーマニアの現場がクランクインでしたけど、その時はまだ脚本の土台ができたくらいの段階で、何が何やら分からないままルーマニアに行って、直前にルーマニア語のセリフを覚えなくちゃいけなくて。現地のルーマニア人スタッフも“これはどんな作品なの?”という状態で、かなり混乱した現場でした」

それでも、実際に完成した作品を見た彼女は、「撮影現場と出来上がった作品とのギャップが凄い」と園監督の手腕に舌を巻く。

夏帆:「完成した作品を見て、こんな作品だったのかと驚いたし、自分はこんな顔ができるんだと新たな発見がありました。今まで自分でも見たことのない顔が映っていました。ルーマニアの場面が凄く良いんですよ。作品が締まるし、ヴァンパイアものとしての説得力が増していました」

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一方、Kと敵対する山田は、人間の若い男女をとあるホテルに集め、「明日世界は滅び、このホテル内にいる人間だけが助かる道が残されている」と宣言する。演じた満島さんは、「不良やヤクザ、幽霊や妖怪などとは違う、日本の文化にはない役柄なので、演じる上でワクワクしかありませんでした」と目を輝かせた。

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満島:「ヴァンパイアについて描かれている作品はたくさん見ましたけど、僕らは僕らの世界観を作るしかないと思ったし、それしか方法がないということを理解しました。信仰や文化、生きるマインドが全く違うので、それなら日本独自のヴァンパイアを描こうと。根底のメッセージとして、日本と世界の関わりの中で日本がどうあるべきか、時事的なものを踏まえて園さんの観念や精神がガッツリ盛り込まれています。表面的にはエンタメだと思わせていますが、一石を投じるものになるんじゃないかなと思ってます」

かつて助監督という立場で園監督をサポートし、映画『ちゃんと伝える』(2009年)などの作品を裏方で支えた経歴を持つ満島さんは、「役者としてまた再会できて、この作品に対する思い入れは人一倍強い」と語る。

満島:「当時は園さんが手書きでバーっと書きなぐった脚本をパソコンに打ち込む作業もしていました。ミミズ文字なのでほとんど読めないんです。それを“たぶんこうかな?”と何とか拾って、ちょっと自分の言葉も入れてみたりしてました。『冷たい熱帯魚』とか『恋の罪』の脚本の一部もありましたが、僕が勝手に作った箇所もあります。『ちゃんと伝える』の時は全編を豊橋で撮影していて、僕が商工会議所に行って撮影の調整をしたりしていました。実はワンシーンだけ内トラで登場もしています。今作も最初の銃撃戦のシーンは豊橋で撮影したので、当時の僕を知ってるオジちゃん、オバちゃんたちが自分の息子のように喜んでくれました。山田役の扮装を見て、“変わったねぇ”って。いやいや、これは役ですから(笑)」

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何をされても死なないヴァンパイア同士の抗争は、刀、拳銃、斧などを駆使した壮絶なバトルへと展開。もちろん、アクションの演技も一筋縄ではいかなかったという。二人はインタビュー中に「とにかく大変だった」という言葉を繰り返した。

満島:「みんなギリギリの状態で撮影に挑んでいたと思います。アクションの練習も時間がとれない中で、夏帆ちゃんはずっと刀を持って現場で素振りしていて、常に時間と空間があれば逃さない。普通じゃない精神状態の顔が画面に映ってるんですよね。あの時は皆が覚醒状態、今生きることが精一杯という中で必死に撮影していました。とにかく、その瞬間をケガせずに乗り切ることだけに集中していました」

夏帆:「毎日、本当に死ぬんじゃないかと思いながら撮影していました。ずっと撮影所のセットにこもっていたので、時間の感覚も分からず、その期間は現実世界と引き離されていたような感じでした。毎日のように血まみれになって、何度も繰り返しシャワーを浴びて。今となっては全てが夢だったんじゃないかと思うくらいです」

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そんな壮絶な現場で、「クランクアップの時にはいろんな感情が溢れてしまい、スタッフと共に涙を流しました」と語る満島さん。それを見てテンションの上がった園監督が、「もうワンカットだけ撮っていいか」と追加撮影を申し出たそうで、「その時のすべてが抜けきった姿も本編で使われていると思います」との情報も明かしてくれた。

満島:「『Amazonプライム・ビデオ』で配信なので、世界との近さは意識していました。日本から世界に勝負をかけていこうと思って取り組んでいましたし、自分自身も新たな挑戦でした。この作品が世界中を駆け回ることが楽しみで仕方ありません」

夏帆:「ドラマ、映画の枠を超えて、いまだかつて誰もみたことのない衝撃的な作品が出来上がったと思います。作品を見た皆さんがどんな反応をするのかがとても楽しみです」

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園子温監督『東京ヴァンパイアホテル』 90秒予告(YouTube)
https://youtu.be/cW2JvBKiztk

Amazonプライム・ビデオ:
www.amazon.co.jp/primevideo

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