米Netflixの共同設立者で会長兼CEOのリード・ヘイスティングスが、大手Eコマース会社米アマゾンについて、ストリーミングビデオ業界の成長を手助けしていると称賛しつつも、巨大で恐ろしいライバルであると認めた。

ヘイスティングスは、「我々は米アマゾンを観察し感銘を受けています」と、米CNBCの番組『Squawk Alley』によるインタビューで語り、「米アマゾンは業界の成長を助けています…しかし、彼らは非常に恐ろしいです」と、続けた。

同時にヘイスティングスは両社の全体的な戦略を区別し、米アマゾンが数100種類の異なるプロダクトを売ろうと試みている一方、米Netflixは完全にビデオ・オン・デマンド(VOD)のサブスクリプション(定額販売)に注力していると発言し、「米Netflixはスターバックスになろうとしており、米アマゾンはウォルマートになろうとしているのです」と、語った。

米アマゾンのビデオ部門の2017年の予算は、JPモルガンの試算によると45億ドルだ。米Netflixは、2017年に60億ドルを費やす予定で、マーケティングに追加の10億ドルをつぎ込む。

米アマゾンは、来シーズンのNFLの“サーズデー・ナイト・フットボール”の10試合のパッケージ獲得に5000万ドルを支払う。しかし、米Netflixは未だにスポーツのライブ中継の権利を獲得することに興味を持っておらず、ヘイスティングスは、彼とほかの重役が示してきた立場を繰り返し、米Netflixは生中継のニュースに投資する予定がないことも付け加えた。

米CNBCのインタビューでヘイスティングスは、米Netflixがユーザーへの視聴番組提案機能を向上させるために継続的に人工知能に投資していると語り、「我々は皆さんに一連の4番組をすべて視聴していただきたく、皆さんもすべてを見たくなるのです」と、続けた。

クランチング・データにおいて米Netflixは評判の高い専門知識があるにもかかわらず、ヘイスティングスは、同社のコンテンツ獲得が “基本的にクリエイティブな賭け” であると語り、コンテンツ役員トップのテッド・サランドスを称賛した。視聴メトリクスを公開していないことで有名な同社は、大抵の場合どれだけの人々が番組を見たか、番組が視聴者の新規獲得と保持率にどれほど影響を及ぼしたたかをもとにコンテンツの成功を測っている。

ヘイスティングスによると、米Netfliixは、ティーンの自殺をテーマにしたドラマシリーズ『13 Reasons Why(原題)』の人気に驚かされたようだ。バズ・ラーマンが手掛けた製作費の高いオリジナルシリーズ『ゲットダウン』を1シーズンで終わらせたことについては語らなかったが、ヘイスティングスは、同社が多くの番組を中止していないことに言及した。

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