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総発行部数1,300万部を超える大ヒットコミックが実写映画化! 『ピーチガール』が5月20日より公開となります。見た目は派手だけど中身が超ピュアな女子高生・ももと、硬派なさわやか男子・とーじ、学校一のモテ男・カイリ、見た目と裏腹に中身は小悪魔な・沙絵という個性的な4人のキャラを中心に、様々な恋の事件が勃発するラブコメディです。

本作を盛り上げる劇中音楽を手がけたのは蔦谷好位置(つたやこういち)さん。YUKI、エレファントカシマシ、Superflyなど数々のアーティストのプロデュースを務め、名曲の影に蔦谷さんアリ! と素晴らしい作品を世に送り続ける音楽プロデューサー・作曲家です。

今回は蔦谷さんに劇中音楽の製作秘話や、映画について色々とお話を伺ってきました。

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【蔦谷好位置さんプロフィール】
1976年生まれ。2000年、CANNABISとしてワーナーミュージックジャパンよりデビュー。2004年よりagehaspringsに加入。
YUKI、Superfly、ゆず、エレファントカシマシ、 木村カエラ、Chara、JUJU、絢香、backnumberなど多くのアーティストへ楽曲提供やプロデュース、アレンジを行う。近年では映画の音楽監督やCM音楽も多数手掛けるなど幅広く活躍している。

―蔦谷さんが『ピーチガール』の映画音楽を担当することになった経緯をお伺いさせてください。

蔦谷:JUDY AND MARYさんの曲や、YUKIさんの曲とか、(楽曲を手掛けた)既成曲が劇中歌として候補に挙がっていて、その中でYUKIさんの『ドラマチック』を使うという話になって、映画全体の音楽も『ドラマチック』のような曲の世界観でやりたい、ということでお話をいただきました。

―これまで劇中音楽を担当された作品を見るとどれも個性的な作品ですが、作品選びのポイントなどはありますか?

蔦谷:選んでいるというわけではなく、いただいたお仕事をやらせていただいているという感じですね。映画音楽自体にはすごく興味があるし、映画がもともと好きなので、お話をいただいたらすごく嬉しいし、トライさせていただきたいなと思ってます。

―『ピーチガール』はジャンルとしてはラブコメディーといった形になりますが、蔦谷さんご自身がやってみたい映画音楽のジャンルはありますか?

蔦谷:ちょっとシリアスなヒューマンドラマとかもやってみたいなと思いますけどね。サスペンスとかも面白そうですし。シリアスなやつをやってみたいと思いますね。

―ご自身が普段作られている楽曲の雰囲気とは違った感じですよね。

蔦谷:そうですね。そっちも結構好きなんですよ、実は。最近『ムーンライト』を観たんですけど、音楽が素晴らしかったですね。映像もよかったですけど、音もすごく新しい感じがしたんですよ。
聞いた話によると(音楽を)作っている人が、ヒップホップ的なやり方で、オーケストラをサンプリングしてチョップしたみたいに並べ替えたりしてやっているみたいで。それがすごい面白かったんですよね。発想が面白いですよね。

―『ピーチガール』をご覧になっての率直な感想を聞かせてください。

蔦谷:いやあ、もうキラキラしてるなあ~という感じですよね、まずは(笑)。切ないなあ、というところもあったし。こういうことないなあ~、ああ!あるある!いや、俺にはなかったかも、とかいろんなことを思いながら観てました。

―今回音楽を担当される前から「ピーチガール」の原作はご存知でしたか?

蔦谷:僕は知らなかったです。原作があるというのを聞いて「そうなんだ」と。で、奥さんに聞いたら「学生の頃めちゃくちゃ読んでた!」って言っていて、「カイリは誰がやるの?」とか。やっぱり女の子はそこが気になるんでしょうね(笑)。

―オープニングや『ドラマチック』が使用されているシーンもそうですが、作品全体的に疾走感というか、走っているシーンが印象的ですよね。

蔦谷:あとで監督と「やっぱり走るってすごいな」という話になって。映画だけではないですが、走るシーンってたくさんあるじゃないですか。それで走るシーンに合う音楽ってなんだろうと思ったら、たしかに『ドラマチック』めちゃくちゃ合うな!と思って。
そこからこの映画も走っているシーンなかなか多いぞ!と思ったときに、オープニングの音楽をイメージしていった感じですね。
『ドラマチック』を作曲した自分が音楽を担当するということよりは、“走ってる”というところで、テンポ感とかをイメージしていきました。

―どの様な音楽にするかはすぐにまとまったのでしょうか。

蔦谷:(映画を)観た時に自分で勝手にイメージして何曲か作ったりしたんですけど、それはすぐには使われなくて。やっぱり監督の考えるイメージなどだったりとかを聞いて「ああなるほど、そうかそうか!」と思って、それを具現化していくという作業をやりました。

―監督からは「蔦谷さんが普段やられているような音楽をやってほしい」というようなことを言われたとか。

蔦谷:そうですね。それはすごく大きかったです。監督だけではなくて、プロデューサーのみなさんからもそういう風に言っていただいて。「かっこつけんじゃねえよ、蔦谷好位置!」みたいなことですよね(笑)。
だから普段通りやればいいんだ、というよりも「昔こういう風にやれてたじゃん!そうだそうだこの辺だ、この辺にあったじゃん、あっこれだ!」みたいな感じで引き出しをカッと開く感じでしたね。

―ティーンの女の子が主なターゲットとなる作品だと思いますが、ズバリ!なぜ蔦谷さんは大人なのに若者の“キュン”とした恋愛感を音楽に出来るのでしょうか?

蔦谷:これがよくわからないというか、無意識でやっているところで……。「蔦谷さんの音楽はキラキラしてんですよ~」ってよく言われるんですけど、あんまりそう意識したことはないんですよ。だけどなんか“キラキラおじさん”みたいなとこがあるんじゃないですかね、たぶん(笑)。わかんないけどなあ。
ただ昔から結構女性ボーカルのものが好きだったとかはありましたね。学生の頃から。オーケストラももちろん好きだし、ジャズも好きだけど、輝いている音楽が結構好きなんですよね。マニアックなものも好きなんだけど、マニアックなものより輝いているものが好きで、若い人にしか分からないような音楽も嫌いではないけど、そうではなくて、その存在自体が輝いているものが好きだったりするから、それを集めた集合体かもしれないです。もしかしたら。

―本作は大人でも楽しめる作品だと思うのですが、キュンキュン映画を敬遠しがちな大人の皆さんにオススメポイントを教えてください。

蔦谷:僕は音楽の面からでしか言えないんですけど、『ドラマチック』を作曲した12,3年前なので、リリースされたのは12年くらい前かなあ。たぶん『ピーチガール』の漫画がすごく流行っていたのと同じくらいの頃か、もうちょっと後くらいかと思うんですけど、『ドラマチック』が流れることでその当時にタイムスリップできる人っていると思うんですよ。それと同じように、当時漫画を見ていた頃、自分が学生生活をやっていた頃にきっと戻れると思うんですよね。
僕も音楽を作っている中で自分が『ドラマチック』を作って、YUKIさんの曲をたくさん作っていた頃の自分が憑依してくるじゃないですけど、そんな感じでやっていたんで、そういう体験もきっとできると思いますし、いま現役の若い子たちにはすごく刺さるところもあると思います。

―それはある意味で蔦谷さんの青春のときだったと?

蔦谷:そんな気がします。自分のターニングポイントというのは、みなさんそれぞれたくさんあると思うんですけど、『ドラマチック』とか『JOY』とか作曲していた頃、27か28が間違いなく自分のターニングポイントだったし、YUKIさんが僕を拾ってくれたみたいなとこがあるんで、そのきっかけである曲がこうやって時を経て使われているというのは、間違いなく自分にとって大きいことですし、昔にタイムスリップができた感じです。

―ご自身がいま音楽をやられている上で影響をうけた漫画などはありますか。

蔦谷:『ジョジョの奇妙な冒険』』ですね。『ジョジョ』は音楽が色々出て来るじゃないですか。スタンドの名前とかも音楽からとってきていたり。(東方)仗助とかも、もろプリンスみたいな格好をしているし。そのスタンドっていう概念というか。発想とか、たぶん結構(原作者の)荒木(飛呂彦)さんは色んなものをコラージュして作っていると思うんですけど、そのコラージュの中にすごくオリジナリティがあって。

それ自体がものづくりの参考になるなって思ったのは、本当の意味でのオリジナリティってじゃあなんなんだろうって。自分の中からしか出てこないし、人から影響を受けたものの集合体がいまの自分であるから、その上で組み合わせだったり、人が考えなかったレシピだったりとか、そういう全く食べたことのない料理を食べているような感じを受けた漫画なんですよね『ジョジョ』って。
僕の音楽もどこかで聴いたことがあっても、「こういうことをやったことある人、いないよな!」っていうものを作り続けたいなって思ってます。

他にもいっぱいありますけど、手塚治虫さんも好きだし、(浦沢直樹原作の)『MASTERキートン』とかも好きだったりとか。でもやっぱり『ジョジョ』ですね。一番は。

―ところで蔦谷さんは大変多趣味として知られていますが。

蔦谷:でも続かないんですよ。カメラも一時期ハマっていた頃はレンズを20本くらいもっていたりしたんですけど、今はもう何年もレンズを買っていないですし、同じレンズを使ってます。ダーツにハマってやっていた頃なんかは、半年でプロに勝っちゃうくらいになったんですよね(笑)。そしたら肘と肩を壊してしまって、ピアノが弾けなくなっちゃったんですよ。それでもうダーツは辞めちゃったんですけど……。なんか急激に伸びるんですけど、「大体分かった」みたいな感じになって。
去年もインドの料理ですけどカレー屋に煩悩の数と同じ108店舗行って、それで「大体分かった」ってなってから行かなくなって(笑)。食べるには食べるんですけど。だから続いたのは音楽だけなんですよ。ずーっと好きでやっているというのは。

―いまは何かハマっていることはありますか。

蔦谷:いまはないですね。音楽くらいしかないのが幸いしているというか。ハマると結構ヤバイというか。カレーはまだいいんですけど、ダーツはほんとにやばかったですね。「音楽できなくなっちゃう!」って。あれはやばかったですね。なんにもいいことなかったですね。ダーツ界でまあまあ有名になっちゃって(笑)。

――あはは。蔦谷さんの音楽活動が続いてくれることを本当に嬉しく思っております。今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!

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『ピーチガール』ストーリー
女子高生のももは、日焼けした肌に色が抜けた赤い髪という派手な見た目のせいで、周囲から「遊んでそう」と誤解されてしまうけれど、中身は超ピュア。真面目で硬派なさわやか男子・とーじに中学時代から片思いしているが、ある日、学年一のモテ王子・カイリにとある勘違いから一方的にキスをされ学校中の噂に。一方、クラスメイトのさえは色白で男ウケ抜群。でもその中身は最強最悪の小悪魔!ももの幸せを邪魔しようと、次々と罠を仕掛ける。そんなももの絶体絶命のピンチを救ってくれたのは、もものピュアな内面を好きになったカイリだった。カイリととーじ、全くタイプの違う2人の間で心が激しく揺れ動くもも。果たして最後に選ぶのは−?

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