今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■続・若者を雇用すると企業は高齢化するという話
こんな記事をみつけた。
「若者が多い会社に就職してはいけない」 2013年02月04日 『BLOGOS』
http://blogos.com/article/55521/
俺も去年似たようなエントリを書いた。
「若者を雇用すると企業は高齢化するという話」 2012年07月03日 『メカAG』
http://mechag.asks.jp/480673.html
企業の平均年齢が低いことをウリにしている会社、すなわち若者が多い会社というのは、いまはいいけど、10年後、20年後になると、どうなるか?
* * *
上から下まで全年齢層がそろっている会社なら、定年で退職する分を、若手の新規採用で補っていけばいい。つまり何年経っても年齢構成は変わらない。
しかしいま若者が多い会社は、10年後そのまま平均年齢が10歳高くなる。新規採用もできない(10年後も急成長を続けて業務拡大してれば別だけど)。だからといって若者を採用しないわけにはいかないから、いまいる社員をリストラすることになる。人口構成が逆ピラミッド型になっている日本社会の縮図。
新入社員として入社し、10年経って、そろそろ転職もしにくくなってくる頃に、放り出されるわけだ。これが若者が望んだ「実力社会」「年功序列でない社会」なのだから、不満はないはず。でもホント?(笑)。
* * *
小学生の頃って1年後のことなんて、雲をつかむような話で考えられないよね。ほしいおもちゃがあるのに「来年の誕生日まで我慢しなさい」なんて言われた日には、もう未来の彼方、来世のように感じたものだ。
同じように学生の頃って10年後なんて考えられなかった。でも、その日は来るんだよね…。
いや、10年後なんて考えずに生きるのもいいと思う。というか10年後を考えてなにが得か計算して生きてもつまらないし、そもそも計算通りになんていかない。どうせ当てが外れるなら、悔いのない道を選んだほうがいい。
ただあなたが選んだのが若い社員だけの会社なら、10年後、社内でいま「中の下」以下の人間は放り出される。それだけは承知しておくべき。中の下というのはその会社との相性を含んだ評価ね。個人の絶対的な能力ではなくて。能力が高くてもその会社に向かない人というのは少なくない。むしろ個人の能力が高い人ほど、相性の問題が大きくなる。
* * *
元記事のコメント欄を見ると、反発している人が多いな。まあ、気持ちはわかるけどね(苦笑)。だれだって認めたくないものだ。若者が中年になり、やがて老いて死ぬなんて。「おいこら、ケンカ売ってんのかよ!」となるよね。
しかし…中高年を叩く時は「若者の方が柔軟だ」と主張するのに、その「若者」が10年経っても、柔軟性はいささかも損なわれないと主張するのは、無理がないか?w たぶん自分よりも年寄りしか見てないんだろうな。いまの「若者」が10年後に競争しなければならないのは、自分より若いその時の「若者」だ。
中高年なんてリストラして、若者主体の会社をどんどん作れば、日本は発展していくとか言ってる人たちがいるけど、なんか1年先の事も考えられない小学生を、うまく大人が言いくるめているように、俺には見えてしまうんだけどね。若者が自分たちの味方だと思ってる人たちは本当に味方なの?と(笑)。
* * *
最近、はてなとかドワンゴとか退職者が目立つよね。サイバーエージェントもリストラするらしい。別にこれらの会社が悪いとか、経営者が無能だというわけではなく、「若さ」をウリにしてそれを維持しようとする企業の避けられない宿命。
そういうのが好きな人はそうすればいい。でも大半の人はそういうのって向かないんじゃないかな。なのになんか最近はやたら終身雇用・年功序列批判、雇用の流動化こそ正しい、自分に合った職場を探してどんどん転職すべきって風潮があるよね。
そういうのに向いている人がそうするためのルートは開くべき。でも全員がそうしなけりゃいけないわけない。むしろ大半の人間はそのルートを選ばない。
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ネットでよく「これからの時代は、"みんな"こういう生き方を目指すべき」という記事があるけど、人の向き不向きを無視してるんじゃ?「これからの時代は、"こういうタイプの人は"こういう生き方を目指すべき」であるべきだろう。「こういうタイプの人は」の部分こそが重要だと思うのだが。「みんなこういう生き方をしなさい」「こうすればみんな幸せになれます」じゃ宗教だよねぇ。
だいたい「ネット時代は」とか「グローバル時代は」とか言うけど、要するに幅広い対応力を身につける(コミュニケーション能力w)一方で、他人と差別化できる専門分野を持て、ってことしか言ってない内容が多い。
これってなにも最近の傾向じゃないよね。「T型人間」とか1980年代にも言われたことだ。Tの横棒が広く浅い知識、縦棒が狭く深い知識。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年02月18日時点のものです。
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