2015年に大学読書人大賞を受賞した河野裕氏の傑作小説『サクラダリセット』シリーズ(角川文庫/角川スニーカー文庫)が2017年春にTVアニメとして放送されることが決定した。2017年春には、全国ロードショー予定の実写映画と連動することになっており、【前篇】【後篇】の 2 部作にて多角的に展開する。
本作は、能力者の集まった街『咲良田(さくらだ)』を舞台に、彼らが織り成す美しくも切ない、そして優しい感動の物語だ。他人の幸せを願い、時にその目的のためなら手段を選ばない浅井ケイ(あさいけい)、彼のことを一途に慕う春埼美空(はるきみそら)、かつて能力が原因でなくなってしまった相麻菫(そうますみれ)。失った彼女を取り戻すため、ふたりが力を合わせ、時を駆け巡っていく青春SFラブストーリー。
原作は『階段島』シリーズなどを手掛ける河野氏の処女作。全7巻にわたって描かれる物語は、透明感あふれる文体とともに、細部に散りばめられた伏線もあいまって、その圧倒的な構成力から見る人の心をとらえて離さない。本作のアニメーション制作は、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『planetarian』などを手掛け、作品の魅力を最大限引き出していくdavid production。監督は「のんのんびより」シリーズ、『田中くんはいつもけだるげ』などを仕切る川面真也氏。作品独自が持つ、空気感を巧みに表現する彼が、本作でdavid producitonとタッグを組み、はかないながらも煌めいている瑞々しい高校生の青春を描き出す。シリーズ構成は、『ef – a tale of memories』などを制作する高山カツヒコ氏。緻密に練られた作品の脚本を担当することで、キャラクター・ストーリーを原作と同様に紡いでいく。キャラクターデザインには『バクマン。』『食戟のソーマ』に携わった下谷智之氏。この不思議で温かい世界のキャラクター達を情感たっぷりに描き出す。
今回、原作者と制作スタッフたちからコメントが到着した。
【河野 裕(原作) コメント】
本作は意外と複雑な物語で、映像化するにはなんらかの割り切りが必要だろうと思っておりました。そこでアニメの打ち合わせの場で「異能力サスペンス的な部分をメインにしますか? 高校生が少し哲学的な話をしている雰囲気の部分をメインにしますか?」と質問させていただきました。どちらかに絞らないと成立しないのではないか? という思いがあったからです。そこで川面監督から頂いたお答えは、「私が作ると、なんであれ雰囲気は壊れない」というものでした。原作者としては、こんなにも心強いお言葉はありません。私はそれから全面的に川面監督を信頼して、脚本も読ませていただきました。放送が心から楽しみです。【川面真也(監督) コメント】
なにかしらの痛みに耐えている登場人物たちの、透明感のある心情を少しでも映像で表現できればなと思っています。とはいえ、とても難しいですけれども…スタッフ一同頑張っておりますので、ぜひ見ていただければと思います。【高山カツヒコ(シリーズ構成) コメント】
原作は、とても緻密なロジックで構成された、恋と正義と優しさの物語です。登場人物たちがみんな一生懸命に生きている様が、とても愛しくなる作品です。脚本の最終回を書いた時に、この世界と別れるのがさみしくなりました。でももうすぐ、今度は一視聴者として、もう一度サクラダリセットの世界と再会できるのが楽しみです。【下谷智之(キャラクターデザイン) コメント】
サクラダリセットに参加するにあたり、自分の絵柄とのギャップをいかに埋めていくかで試行錯誤すると ころからはじまりました。 原作の世界観や空気感、場面や情景を少しでも映像で伝えられるようにケイや美空、菫たちの表情を大切 に作りたいと思います。是非、ご視聴いただければ幸いです。【実写映画情報】
≪ ■映画「サクラダリセット」(前篇/後篇)2017年春2部作連続公開!≫
●キャスト
浅井ケイ(あさい・ケイ)– 野村周平
春埼美空(はるき・みそら)– 黒島結菜
相麻菫(そうま・すみれ)– 平祐奈
村瀬陽香(むらせ・ようか)– 玉城ティナ
岡絵里(おか・えり)– 恒松祐里●スタッフ 監督・脚本:深川栄洋
企画プロデュース:春名 慶【関連サイト】
小説「サクラダリセット」特設サイト:http://shoten.kadokawa.co.jp/bunko/character-novels/sp/sagradareset/[リンク]
映画「サクラダリセット」公式サイト:http://sagrada-movie.jp/[リンク]
(C)河野裕・椎名優 /KADOKAWA/アニメ「サクラダリセット」製作委員会
―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: バラン野島) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
コメント
コメントを書く