新シリーズの映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』には、『ハリー・ポッター』の世界から複数のキャラクターが登場すると、2016年11月10日(現地時間)に行われた記者会見の場でJ・K・ローリングが認めた。
若きアルバス・ダンブルドアをひと目見たいと期待するファンは、米ワーナー・ブラザースが企画している全5部作の2作目まで待つ必要がある。老いたダンブルドアは小説や映画の中でその性的嗜好を明かさなかったが、2007年にカーネギーホールで行われたインタビューの中で、彼に秘密を明かすよう説得したのはほかならぬ作者自身だった。若き日のダンブルドアは、従来ほどプライバシーに慎重にならないかもしれない。
ダンブルドアは同性愛者かと質問され、ローリングは「答えは簡単です」と述べた。「この映画は5部作であり、その関係においては劇中で明かされるものがたくさんあります。だから、話したいと考えていました」と語った。
ローリングは、「若いダンブルドアは、たくさんのトラブルを抱える男に見えるでしょう」と述べ、「我々は成長過程にある彼の姿を見ます。彼の性的嗜好については、そこで見つけてください」と続けた。
珍しく公式行事に出席したローリングは、温かく社交的だった。行事には、エディ・レッドメイン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー、キャサリン・ウォーターストン、エズラ・ミラー、そして監督のデヴィッド・イェーツも参加した。8本ある従来の『ハリー・ポッター』の映画とは異なり、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の脚本は、2001年に出版された古い小説に基づき、すべて著者自身によって執筆される。
彼女はどうやって脚本の書き方を学んだのだろうか。
その質問に、ローリングは「読まない本を買った」と答え、「その本を机の上に置いたまま、私は『ハリー・ポッター』の脚本作りに夢中になりました」と述べた。
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、数年前、ワーナーが小説の映画化権を獲得した後にシリーズ化が決まった。ワーナーが映画化交渉のためにローリングと接触した時、彼女はすでに魔法生物に満ちたブリーフケースと共にニューヨークにやってくる魔法生物学者、ニュート・スキャマンダー(レッドメイン)に関する鮮明な経歴を持っていると伝えた。「ニュートのキャラクターは魅力的でした」(ローリング)。
「ニュートがどんな人間で、彼に何が起こるかについて、私には幾つかの考えがありました。私はそれを彼らに伝えるべきだと考えました。ニュートを誤った方法で描いてほしくなかったからです」(ローリング)。
ローリングのメモは、最初の脚本の草稿となった。
『ハリー・ポッター』の世界に影響を持ってきたスターを使わず、本作品をあらためて大きなスクリーンに登場させるという考え方に、懐疑的な意見を持つファンも少なくない。
そうしたファンに対して、どんなメッセージがあるかといった質問を、彼女はうまくさばいた。
彼女はまず、この物語が従来の『ハリー・ポッター』以前の時代を描くことに言及し、「ハリーは登場しません。まだ生まれてないですから」と述べた。
続けて、「しかし、同じ世界を描く作品ですから、複数のキャラクターが登場します」と述べ、複数のグループについて言及していることを強調した。
「皆さんは、本作を通じて、より多くのことを知るでしょう。私はとても慎重です。なぜなら、これは『ハリー・ポッター』だからです。書きたいものを何でも書くことができる独自の小説を持つことは、確かに栄光です。私は再び、トップシークレットの世界に戻ってきました」(ローリング)。
ローリングは「私は、可能な限りベストな仕事をしてきたと思います」と語り、「本当に伝えたいと思ったストーリーを語りました」と述べたが、だからといって日々の仕事を諦めたわけではないという。
「私は今も小説を書いています。それがすごく疲れている理由です。現在は一冊の小説と脚本を書いています」(ローリング)。
アメリカの大統領選挙について、ソーシャルメディア上で発言してきたローリングは、ドナルド・トランプについては語らず、「何も言いたくありません。私たちは映画のためにここにいるのですから」とコメントした。
しかし、暗黒卿の軍勢が魔法世界に脅威を与えている時代を舞台とする映画のテーマは、昨今の出来事からも生じ得る。ローリングは「部分的には、世界で盛り上がっているポピュリズムの問題から情報を得ています」と話した。
ローリングは、執筆プロセスについても語った。
「書かなければならない。書いていないと妙な気分になります。明らかに書く必要がなくても、書くことが好きで、書かなければ精神が分裂するような感じです。書かないではいられないのです」(ローリング)。
彼女は、仕事をする場所も時間も選ばないという。
「私はいつでもどこでも書くことができます。第1章のうち、驚くべき量の文章を化粧室で書き上げました。化粧室は唯一、冷静と平和が得られる場所です。昨晩は、飛行機の中で暗い気分になってしまい、仕事をしようと考え、2作目のシナリオを書き進めました。すると、とても気分が良くなりました」(ローリング)。
映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の第1弾は、11月18日に米劇場公開される。
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