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キリンビール『一番搾り』ブランドから、今年5月に地域限定の『47都道府県の一番搾り』第1弾が発売。以降、8月まで毎月数県の“その土地に合った一番搾り”を届けてきたのですが、10月12日についに47都道府県達成となる、群馬、栃木、石川、富山、福井、奈良、和歌山、佐賀、沖縄の『一番搾り』が発売! さらに、『一番搾り 熊本づくり』は全国で購入できるようになりました。 

ガジェット通信では、これまで発売されるたびに、各県限定の『一番搾り』を飲み比べする<47都道府県の一番搾り研究会>を実施。

<47都道府県の一番搾り研究会>関連記事:
http://getnews.jp/archives/tag/一番搾り

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ラストとなる今回は、キリンビールの本社へ伺い、ビールマイスターの中水さんにオススメの食べ合わせや豆知識、今回の各県のビールの違いをたっぷり聞いてきましたよ。

通常の『一番搾り』との大きな違い

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「通常の『一番搾り』との一番大きな違いがパッケージから分かるんですが何かわかりますか?」と中水さん。

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麒麟のイラストのお腹の色が違う……など素っ頓狂な答えを返してしまいましたが(実際違うんですよ!)、正解は「生ビール」と「ビール」の表記の違い。『47都道府県の一番搾り』は「ビール」なんです。
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【豆知識1】「生ビール」と「ビール」の違いって?
缶が「ビール」でジョッキに注がれて出てくるものが「生ビール」というわけでもなく、製造工程上に“熱処理が加えられているか”が違いのポイント。

製造技術がまだ発達していなかった昭和40年ごろまでは、すべて熱処理をして出荷するのが当たり前。理由は、ろ過しきれなかったビール酵母が残っていると出荷後も発酵が進んでしまうから。現在は技術の発達により、最終工程で熱処理を加えなくても出荷できる「生ビール」がスタンダードになっているんです。

『47都道府県の一番搾り』はその土地の特徴を出すため、香りや苦味など、突出した部分をあえて作っているものがあります。

ビールは熱処理をすると苦味が増す。その良さを活かし上手くバランスをとっているために、今回のシリーズは「生ビール」ではないそうです。

「最近はクラフトビールも流行っていますし、“ビール表記”のものは熱処理で一手間加えているので、ちょっと凝ったビール、味のバランスが整えられたビール、と捉えている通の人もいます」(中水)

テイスティングは泡を立ててね!

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【豆知識2】
ビールを注ぐ際にグラスを傾けて注ぐと、炭酸が抜けにくい。逆にテーブルにグラスを置いたまま上から注ぐと泡が立って香り立ちも良くなります。炭酸は若干抜けやすくなりますが、必要な炭酸しか残らないので、テイスティングの際は味わいの違いも感じやすくなるとのこと。

でも実は「缶ビール」は最初は大きな泡を立てたほうが美味しく飲めるんです。大きな泡に余分な苦味や雑味がくっついて弾けていく。

また、缶の封をする直前は酸化させないために炭酸ガスを吹き込む。プシュッと缶を開けた後、10秒くらい炭酸ガスが抜けるのを待つ方が、より美味しく味わえるそうですよ。

一番搾り 群馬づくり(オールモルト)

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きめ細かく柔らかなふっわふわの泡が特徴。見た目からその滑らかさがわかります。絹のような泡が残るように、というコンセプト。アルコール度数は通常より少し高い5.5%。スタンダードな『一番搾り』と同じく、麦芽とホップのみのオールモルト。麦芽はもちろん群馬県産の麦芽を使用しています。

群馬の食は少し味付けが濃い目だそう。そのため、アルコール度数を少しだけ強くして重さを出し、地元の食に合うように作られています。ふわふわの泡で調和をとっているのだとか。

一番搾り 石川づくり(オールモルト)

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グラスに注ぐと黄色から白に変化する不思議な泡にも注目。こちらもオールモルトですが、炭酸や苦味を抑え、味わいはまろやか。少しだけ元気の良い酵母を使っているため、スッキリ感が高く、スタンダードな『一番搾り』よりも柑橘系のホップの香りが華やかに広がります。

一番搾り 福井づくり(お米入り)

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泡が細かく白い。福井県産のお米・コシヒカリが入っているところが一番の違いとなっています。お米が入ると、まろやかさやスッキリさが際立ってくるのですが、スタンダードなものよりも苦味が少し強い気がしました。スッキリさが際立つと、苦味も濃く立ってくるそう。“やわらかな苦味”、“まろみ”を表現するため、炭酸ガスを少なめにしてまろやかに仕上げています。また、お米が入っているので喉に少しデンプンが残るような後味も特徴。

一番搾り 奈良づくり(オールモルト)

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こちらも泡が黄色から白、また黄色に変化し、細かい。アルコールは5.5%。濃くて少しまったりしたコクがある味わい。これは、スタンダードな『一番絞り』より麦芽の量が多いため。さらに、旨みを閉じ込めた凍結ホップを使用しているので、香りが高い。豪華さ、贅沢感のある1杯です。濃いので、奈良漬など漬物や発酵した食べのもにも合いそう。

一番搾り 和歌山づくり(オールモルト)

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スタンダードな『一番搾り』と同じく麦芽とホップのみのオールモルトなのですが、後味がすごい! 全然違います。後味にふわっと追いかけて広がる柑橘の香り! 和歌山といえばみかん。今回、柑橘の風味を強く出したい、ということで特殊なホップを使用。アメリカ産のカスケードホップを使っているそうです。苦味を抑え酸味も少し出した、そのままごくごく飲んでほしいビール。

【豆知識3】「ホップにカスケードを使っていると柑橘系」、これを覚えておくとビールを選ぶ際に役に立ちますね。

一番搾り 佐賀づくり(オールモルト)

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白くきめ細かい泡に加え、液体の色も淡い黄色。本当にキラキラ輝くような透き通った黄金色が美しい。一口飲むと、甘さをかなり感じます。けれど苦味もしっかりある。色は淡いのですが、実はカラメル麦芽が入っているからだとか。佐賀は甘辛い料理が多いため、佐賀県産の2種類の麦芽を使用し、地元の食と合うように甘苦い味わいに仕上げています。

地元の料理と食べ合わせ! ビールの違いで食感まで変わる!

地元の食文化にも合わせて楽しめるように作られている『47都道府県の一番搾り』。一部、代表的なご当地料理と一緒に食べてみました。その結果、新たな発見にビックリ!

一番搾り 富山づくり×ます寿司

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スタンダードな『一番搾り』では行っていない、昔ながらのデコクション製法を取り入れているので、麦のしっかりした味わい、そしてコクがあるのが特徴。一番最初の『一番搾り』に近い作り方で作っているのが、この“富山づくり”なんだそうです。
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確かに酸味があるものに合いそうな“富山づくり”。ます寿司と合わせると、お酢の酸味がまろやかになり、ごはんの甘みと旨みが増して調和します。

一番搾り 沖縄づくり×ゴーヤチャンプルー

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“沖縄づくり”自体は香ばしく爽快な味わい。グラスを傾けて泡を立てないようにゆっくり注ぎ、炭酸強めで合わせます。苦味と香ばしさ、そして後味のスッキリ感が絶妙にマッチ。

【豆知識4】ビールの銘柄を変えなくても、注ぎ方だけで味わいは変えられる!
炭酸ガスは辛口感が増すので、炭酸を残したほうがゴーヤの苦味がより感じられるようになるとか。苦味が強かったり香草の効いている料理、辛い料理も、ビールでスッキリと味わえるようにグラスを傾けて注ぎ、炭酸強めで合わせるのがオススメ。
素材そのものを味わう料理は、グラスを傾けずに泡を立てて、ビールそのもののテイストと素材の風味を一緒に楽しみましょう。

【豆知識4.5】苦手な料理のときにも使える!
炭酸が強めならスッキリと料理の苦味や辛味なども流してくれる、ということは、苦手な料理の味も多少スッキリと流してくれるということ。もし、一緒に食事をしている相手が食べた料理の反応がイマイチだったら、グラスを斜めに傾けてゆっくり注いだビールを差し出してあげましょう。

一番搾り 栃木づくり×餃子

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凍結ホップを使用し、華やかな高級感のある香りが広がる“栃木づくり”。栃木県産のお米が入っているため、少しモチモチとした後味が残るところも特徴。餃子に合わせてみると、餃子の皮のモチモチ感が増す! 餃子を口に入れた状態で“栃木づくり”を口に含むと、お米のモチモチ感が餃子のモチモチ感を引き立てるのです。多少でも食感まで変えてしまうなんてすごい。

これまでは、キリッとしたビールを美味しく飲むための餃子といったイメージでしたが、風味を引き出し餃子を美味しく食べるためのビール、こんな逆のパターンもあるんだな、と感じました。

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「餃子は皮や中の具材でも合うビールが変わってきそうですし、お酢と胡椒で食べる場合は、柑橘系の“和歌山づくり”などが合うかもしれないですね」(中水)

一番搾り 熊本づくり×からし蓮根×黒糖ドーナツ

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7月に地域限定で発売された“熊本づくり”は、10月12日から全国発売。熊本産の米を使用し、色も濃くて炭酸が強めのしっかりとパンチのある味わい。熊本特有の濃い味の料理に合うように作られているそうです。

炭酸が強いので、からし蓮根の辛味を最初にふわっと引き立てますが、お米が入っていることによって、その後に辛味をまろやかに抑えてくれる、まさにベストマッチの組み合わせ。

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最後にデザート的に熊本の“黒糖ドーナツ棒”と食べ合わせ。風味の強い“熊本づくり”と合わせると、黒糖の甘みが増して美味しい。良い〆のデザートになりました。

地元の料理に合うように作られていることが改めてわかった、今回の研究会。みなさんも、ビールに合わせて料理を選んでみては?

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<『47都道府県の一番搾り』を飲み終えて>
一番絞り麦汁だけを使う「一番搾り製法」で作られている『一番搾り』。単なる製品名ではなく、“一番絞り麦汁だけを使う”という統一された製法の軸があるからこそ、これだけ違いのある、さまざまな『一番搾り』が作り出せるのだな、と実感しました!

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