今回は佐藤秀峰さんのブロマガ『少年 佐藤秀峰』からご寄稿いただきました。
※このブロマガ記事は2月7日に書かれたものです。
※記事のすべての画像が表示されない場合は、http://ch.nicovideo.jp/shuhosato/blomaga/ar98913 をごらんください。
■「なかよし」付録の漫画家セットをやってみた
昨日は生放送で僕の作画の様子をお届けしました。
「佐藤秀峰作画ライブ Vol.3」『ニコニコ生放送』
http://www.nicovideo.jp/watch/1360317050
2時間の放送中、前半1時間は週刊漫画Times連載中の「特攻の島」の作画、後半1時間は今、巷で話題の「なかよし」3月号付録の「漫画家セット」を実際に試してみました。
これで漫画を描く練習をすれば、漫画家になれるんですって。
「『なかよし』付録の漫画家セットがガチすぎると話題に!」2013年2月6日『togetter』
http://togetter.com/li/450679
本日はその試用レポートをしますね。
まずは大雪の東京を駅前の書店まで自転車を漕ぎ、かじかむ手で雑誌を購入。
残りは何と1冊。
本当に話題になっているようですね。
付録の箱を開けるとこんな感じ。
バインダーにプロフィールカード(?)、テンプレートに原稿用紙、修正ペン、スクリーントーン。
すごい!豪華!!
テンプレートを使うと簡単に可愛いイラストが描けちゃうぞ。
おぉ!これはプロのイラスト!
この青線をなぞれば、簡単にプロと同じイラストが描けてしまうという仕組みのようです。
さっそくペン入れしてみます。
フキダシをGペンでなぞります。
何か違うなぁ…。
鼻に斜線を入れてみたら、口とのバランスが悪くなってしまったようです。
で、唇に影を入れたら、ヒゲのようになってしまいました。
まぁ、いいか。
気にしなければ、問題自体が存在しません。
要するに絵というのはバランスです。
少女漫画ということで相手の流儀に合わせようとし過ぎたのがいけなかったのです。
バランスを取るために顔全体にベタを入れたらまとまりが出てきました。
OK、何も問題ない。
上のコマは背景に筆ペンでベタを入れ、最後に画面に血しぶきを飛ばしワイルドに仕上げます。
「おなかすいちゃったなー」というセリフに合わせ、少女の飢餓感を表現できるよう心がけました。
70点くらいかな?
続いて下のコマ。
先程のコマは完成形をイメージできないままに手なりに描いてしまい、ゴール地点を自分の中で設定できなかったことが、絵としての完成度を下げてしまったのではないかと反省し、今度は自分の絵柄でペン入れしてみました。
登場人物の2人の関係を想像してみます。
少年と少女は恋愛の一歩手前で立ち止まっています。
その一歩を踏み出すのは男か女か?
恋愛というのは闘いです。
闘って相手を倒さなくてはなりません。
少年の闘争心とギラギラしたエネルギーを紙に焼き付けるのです。
流れ落ちる汗が輝いていますね。
集中線を加えて迫力もアップ。
付属のスクリーントーンも貼り込み、カッコ良く仕上げましたよ。
食欲と性欲、睡眠欲は人間の本能的、根源的な欲求です。
少女の空腹、絶望感と、少年の生(性)への渇望を表現すべく注力しました。
中段のコマは面倒なので、僕のサインを描いておきました。
完璧。これで漫画家になれそうです。
動画はタイムシフトが残っておりますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
執筆: この記事は佐藤秀峰さんのブロマガ『少年 佐藤秀峰』 http://ch.nicovideo.jp/shuhosato/blomaga からご寄稿いただきました。
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