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リンクスインターナショナルが販売するUSBのみならずAC出力も可能なモバイルバッテリーenerpad AC-24Kを使ってみた。
とことんプロ仕様な同品を記者目線でレビューする。
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大きさはiPadミニとほぼ同じ大きさで、厚みはその3倍強。質量は約700グラムとかなりの大型。
普通にモバイルバッテリーとして持ち歩くには大きくて重い。
アウトドア用や災害時の非常電源として大切に保管しておくのも選択の一つではあるが、記者は取材時に持ち運んで通常の小型モバイルバッテリーと同じ方法で使用した。
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本体とマニュアル、充電用のACアダプターに高級感ある布製のソフトケースが入っている。
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USB出力5ボルトが2ポートと、アース付き3極ACコンセントが1つ付いている。ACは独立した電源スイッチがついているので、不要な時は切っておく。
すべてのポートで同時出力可能なので、スマホやタブレット端末を同時に充電しながら、さらにノートPCをACで充電することもできる。
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内蔵されるバッテリーはSANYO製の3.6ボルト24000mAhと大容量。
USBで5ボルト出力時は内部で5ボルトに昇圧するので、15000mAhとなる。3000mAh程度のスマホであれば5回は満充電できる計算だ。
AC出力時は消費電力65ワットの連続出力時で1-1.5時間使用できるとされている。このあたりは実際にノートPCを充電して実証してみた。
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さて、内臓バッテリーが大容量であれば充電に相当時間がかかるものと思っていた。付属の専用充電ACアダプターを見ると20ボルト2アンペアとなっていてスペック上の充電時間は4-5時間ではあるが、実際にはもう少し早く充電できた。
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いろいろな検証をしようと考えていたところ、偶然にもいきなりピンチに遭遇した。
取材時に使用する一眼レフカメラのバッテリーが減っていたのに、取材当日の朝に気が付いてしまった。
前日夜遅かったので、カメラのバッテリーチェックを怠っていたのだった。
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バッテリーグリップを付けて2本のバッテリーを使用しているので、そうそうバッテリーが切れることはないのだが、とりあえず1本だけでも充電すればカメラは使える。
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一眼レフでもコンデジでも、バッテリーの充電器はたいていは専用のもので、ACでなければ充電できないものがほとんどだ。
その充電器をカメラバッグに入れて、enerpadのAC出力をON。
電車乗車中と取材前のカフェでの時間調整中に無事1本をフル充電することができた。
その後、帰りにもう1本を充電してみたが、問題なく2本分をフル充電した。

ここまで切羽詰まった状況での使用は自分の責任とはいえ、九死に一生を得たまさにプロ仕様。
しかし、趣味の世界でも例えばバードウォッチングや、撮り鉄、航空撮影などのシチュエーションで、ACコンセントとは無縁の環境でカメラのバッテリーを充電できるのはありがたい。そのためには大きさも質量も気にならないというプロやセミプロ向けには最適だろう。
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スマホも、記者会見時に録音をしたり、ちょっとした撮影を行うことが多い。
意外とスマホのバッテリーは酷使するものだ。
今まさに流行りのAR系ゲームがどのくらいバッテリーを消耗するのかは知らないが、一休み中にガンガン充電して遊びまくることもできよう。
そして普段使っているモバイルバッテリーよりも早く充電しているような気がした。
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気がしたではだめなので、USBによるDC出力がどのようになっているのか、簡易型通過電流計を使用して測定してみた。
スマホのバッテリーを10パーセント以下まで消費して充電をスタート。
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電圧計は本来、負荷に対して並列に接続するものだが、おそらく疑似的に内蔵している負荷に接続されているので、きちんとした電圧は測定できないかもしれないが、4.94ボルト。定格5ボルトに対して誤差の範囲だろう。

大切なのは電流で、1.55Aを示した。
この商品は2ポートで最大2.4Aの大電流を流せることになっているが、これは仕方のない面がある。
リチウムイオンバッテリーは充電制御が難しく、充電回路できちんと制御してあげないと最悪バッテリーが破裂してしまう。
おそらくスマホ側で電流制御をしているのだろう。あるいは2Aの急速充電に対応していないのかもしれない。もしくはケーブルが大電流を流せる仕様になっていないのかもしれない。
いずれにせよ、1.55Aも流れれば十分に早く充電することができる。
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充電を開始して2時間40分12秒後に、スマホが満充電された。
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積算電力量計は2945mAhを示していた。
電源を入れっぱなしで、通信をしながらの充電だったので、スマホのバッテリー容量2900mAhとほぼ合致する。
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今度は、ノートPCをACで充電してみた。
記者はlenovoのIdeaPad Flex10を使用している。
完全にPCの内臓バッテリーを使い切った状態で充電を開始した。
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充電中に電源を入れて、OSのアップデートをオンラインで行いながら充電を続けた結果、満充電することができた。
バッテリーが消耗していることを考えて、そのまま充電を続けながら使用し続けたが、5時間以上使用してもまだ十分に使用することができた。外出先のカフェでAC電源がなくても1日使うことは可能だろう。
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新幹線の中で、スマホとモバイルルーターを同時に充電してみたが全く問題はなかった。

リンクスインターナショナルの阪口貴紀さんに話を聞いた。

--ACアダプターのプラグが3極なのは何とかなりませんか?

「そのご意見はいただいています。次の製品からは2極仕様にするか、変換アダプターを付属するか検討してみたいと思います」

--海外で電源周波数や電源電圧が不安定な場所では使用価値はあるかもしれませんね

「ありがとうございます。本体を充電しながらの出力はできませんが、周波数変動や電圧変動に弱い機器は本品を介して給電を行っていただくと安心ですね。持ち運ばなくても家で備え付けの電源として普段使いしていただくと、災害時の非常電源にもなります。アウトドアにもいいですね」

--結構な大きさですし質量もありますので、それらを気にしないプロ仕様だと思ったのですが、一般向けにもう少し小さな持ち運びしやすい製品があってもいいのではないですか?

「そうですね。次回の製品では記者さんやカメラマンのような玄人の方にも使っていただけて、普段気軽に持ち運べる素人志向も考えてみたいと思います(笑)」

プロ仕様なモバイルバッテリーは間違いなく大は小を兼ねる。しかし、質量がある分だけ機動性を考えると、気軽にというわけにはいかないのかもしれない。
しかし、転ばぬ先の杖、備えあれば患いなし、重ささえ我慢できればオールマイティーに使えると思われるので検討する価値ありのモバイルバッテリーだ。

※写真はすべて記者撮影

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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