7月16日に公開され、3日間で動員約92万人、興行収入約11.7億円で、本年度の洋画ナンバーワンヒットのスタートを記録している『ファインディング・ドリー』。2003年に公開された『ファインディング・ニモ』の続編として、物忘れの激しい「ドリー」を主人公とした冒険を描いています。
監督を務めたのは、『ファインディング・ニモ』や『ウォーリー』を手がけたアンドリュー・スタントン。『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』等の短編を手掛けてきたアンガス・マクレーンを共同監督に迎え、最新のCG技術を駆使した美しい海と魚たちの心温まるストーリーを見事にまとめています。
ガジェット通信ではアンドリュー・スタントン&アンガス・マクレーンにインタビューを敢行。貴重なお話を伺ってきました。
――本作を拝見して、『ファインディング・ニモ』よりもグッと笑えるコメディ要素が増えている様に感じました。今回共同監督を務めたアンガスさんは『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』などのコメディ寄りの作品で活躍されてきましたが、アンガスさんのアイデアが多く採用されているのでしょうか?
アンガス・マクレーン:僕がコメディを好むのと同じように、アンドリューもユーモアのセンスがある男なんだ。僕たちの感覚はとても相性が良かったと感じたよ。アンドリューの強みは、ただ単純にギャグを挿入していくわけではなく、ユーモアとキャラクターの感情表現を両立させられること。だから、僕が本作にユーモアを落とし込むにあたっては、キャラクターに沿ったものにしたよ。ユーモアだけではダメなんだ。
―新キャラクターのハンクやデスティニーは、ヴィジュアルだけでなく、内面も非常に魅力的でした。内面が魅力的なキャラクターを作る秘訣を教えてください。
アンドリュー・スタントン:ピクサーには、キャラクターたちのことを理解している、素晴らしい脚本家、そしてストーリーの作り手がいるんだ。魅力的なキャラクターを作るのは、そう楽な作業ではないよ。製作期間のうち、3年はストーリー作りに費やされているんだけど、その中で彼らは何度も何度も脚本を書き直しながら、キャラクターたちを理解していった。人という複雑な存在の一部分を、キャラクターを通じてシュミレーションするためにね。とても時間がかかる作業だったよ。
アンガス・マクレーン:『ファインディング・ニモ』では、クリエイティブ面でも、興行面でも成功を収めた。ドリーというキャラクターを描く本作では、彼女が抱える葛藤や強みを強調したよ。前作で起きたできごとを踏まえた上で、彼女の物語を補うようにね。
―本作では本人役としてシガニー・ウィーヴァーさんが出演しています。起用の理由とは?
アンドリュー・スタントン:アメリカでシガニーは、ネイチャー・ビデオや、湾岸地域に位置する博物館のナレーションの定番なんだ。彼女は『ウォーリー』でコンピュータの声を担当してくれたけど、本作で自分自身のことをシガニー・ウィーヴァーって言ったら面白いと思ったし、独特な名前だから、ドリーに言わせればウケると考えたのさ。あのシーンは絶対にカットされると思っていたけど(笑)、見る人見る人にウケ続けたから、本編に残ることになったんだ。
実を言うと、彼女を起用すべきかは少し悩んだよ。でも、内容に合っていて成立しているなら、やってほしいと思ったし、彼女自身もユーモアのセンスがある人だからね。オファーするとき、僕は彼女にこう言ったんだ。「子供たちは、君が出演した映画は覚えていないだろうけど、本作で聞いた君の名前は、生涯にわたって忘れないはずさ」ってね(笑)。
―確かに、子供達は絶対に忘れないと思います! 最後にドリーと同じように、お2人が最近してしまった、忘れ物を教えてください。
アンドリュー・スタントン:ごめんね、君たちの名前を忘れてしまったよ(笑)。顔は永遠に覚えていられるんだけど、名前を覚えることがどうも苦手なんだ!
アンガス・マクレーン:私は、何を忘れたかを忘れてしまっているよ(笑)。概念的に、何か重要なことをやらなければならなかったということは覚えているんだけど、それをやり忘れてしまうんだね。例えば、旅立つ前の荷造り。「今やらなくちゃ!」「忘れないぞっ!」て思いながらも、忘れてしまうんだよなあ。
―今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!
インタビュー後にはなんと、アンドリュー・スタントン監督がこんなステキなノートをくれました! 宝物にします!
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ガジェット通信編集部
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