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舞台『曇天に笑う』ステージレポート

2016/05/31 22:26 投稿

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 526日(木)、東京・天王洲 銀河劇場にて、舞台『曇天に笑う』のゲネプロが行われた。『曇天に笑う』は、2014年にTVアニメ化もされたコミックス『曇天に笑う』(マッグガーデン刊)が原作で、昨年2月にも一度舞台化されている。その前回公演が好評で再演が決まったという注目作だ。


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 作品の舞台は、明治11年の滋賀県・大津。廃刀令によってかつての地位を追われた武士たちが乱暴狼藉を働き、平穏とは言えない時代。琵琶湖内に設けられた“脱獄不可能な監獄”「獄門処」には、そういった武士をはじめとする多くの不穏分子が収監されていた。そんな世情を反映するように続く曇天で、薄暗い日々……。人々は、300年に一度現れて世に騒乱を起こす伝説の「大蛇(オロチ)」が現れる前触れではないかと不安になっていた。

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 本作の主人公・曇 天火(くもう・てんか)は、大津にある曇神社の第14代目当主。剣の腕も立ち、町の治安を守る役目に就いていた。その朗らかな笑顔と、前向きな考え方は多くの人から慕われ、まるで「太陽」のような存在感を持っていた。

 そんな天火には、ふたりの弟がいる。兄を超えたい、認められたいという気持ちから剣術の訓練に明け暮れる次男の空丸、そして天火を慕い、言うことはなんでも肯定する元気な三男・宙太郎だ。

この三兄弟に、13年前に瀕死の重傷を負っていたところを助けられて以来、曇神社で居候をしている風魔忍者の末裔・金城白子(きんじょう・しらす)を加えた4人で仲良く暮らしていた。

 そんな日々の裏側、獄門処では囚人や看守をアヘン漬けにする仮面の男がある計画を進めていた。また、「大蛇」復活を見越して、右大臣・岩倉具視(いわくら・ともみ)が軍や警察から選りすぐった猛者たちで結成した直属の部隊「犲(やまいぬ)」も、大津に集う。大蛇の器となり、世に災いをもたらす者となるのはいったい誰なのか。大蛇の器を巡る策謀の渦のなかで、曇三兄弟はどのような運命をたどるのかは、是非その目で確かめてほしい。

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 ストーリーの展開と合わせて注目したいのが、曇三兄弟、とくに天火が弟たちに向ける大きな愛情だ。玉城裕規さん、細貝
圭さんの対談を行った『キャストサイズ』本誌の取材でも、玉城さん演じる天火の「愛」について語られている。


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 とはいえ、キレイ事だけではうまくいかないのが世の中。細貝さん演じる犲の隊長・安倍蒼世(あべの・そうせい)の「大蛇復活を阻止する」という強い使命感と覚悟が、天火の生き方とどのように交差するのかも注目してほしい。

その過程で演じられる剣戟のアクションシーンも見応え満点だ。

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 ここまで文章で紹介してきた作中での時代設定や情勢、「大蛇」の伝説、犲などの組織について、プロダクションマッピングを駆使して印象付けつつわかりやすく描かれる。原作を知らない方でも、スッと『曇天に笑う』の世界に入り込めることだろう。

舞台『曇天に笑う』 

東京公演:527日(金)~65日(日)天王洲 銀河劇場


大阪公演:610日(金)~611日(土)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

公式サイト:http://www.vap.co.jp/dontenniwarau/theater/

C)唐々煙/マッグガーデン  撮影:渡部孝弘 テキスト:高木伸秀


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