カラメルカラムの屋根裏部屋

僕とラジオ。

2014/08/20 14:56 投稿

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こんにちは。『事情により音声のみでお送りしております。』パーソナリティの白川です。

私とラジオの出会いは、B'zが『LOVE PHANTOM』でオリコン1位を獲っていた頃、なのでWikipediaによると1995年、つまり小学校6年生でした。

今は亡き祖父がゴルフ大会の賞品として持って帰ってきたイヤホン付きのポータブルラジオを譲り受けました。弟と同部屋だったために、就寝時間となれば電気も付けられなかった当時の私にとって、イヤホンから流れてくるラジオの声は人生初の「夜の楽しみ」となったのです。

文化放送でお気に入りの番組が出来ると、毎晩必ずラジオを聴くようになりました。それは両親にも姉弟にも知られていない、自分一人だけの秘密の遊びに感じられました。小学校を卒業し中学生になると、段々と夜更かしは深くなっていき、24時、25時、26時…と深夜ラジオの世界にハマっていきました。
当時はまだインターネットが一般家庭に無かった時代ですので、Googleにラジオパーソナリティの名前を打ち込んで画像を探すこともできません。

そしてラジオパーソナリティは滅多に顔をメディアに出さない時代でもありました。私は、イヤホンから漏れ聴こえてくる声を頼りに自分の中でパーソナリティの姿を想像しました。時に公開録音イベントでお顔を拝見しショックを受けたりもしました(笑)。

私がラジオを通して「手に入れた」感覚が三つあります。

一つ目は聴覚情報から文字通り「イメージ」する感覚です。

先ほど書いたラジオパーソナリティの容姿もそうですが、特にラジオドラマ(当時はすごく多かった憶えがあります)においては声と音楽と効果音だけのドラマからキャラクターの動きや世界の風景を思い浮かべるようになり、それらは自分の中でまるで映画のようにリアルに、自然に存在するようになりました。まがりなりにも想像力を仕事の原材料としている今の自分は、この頃生まれたようにすら思います。

二つ目は「孤独」の感覚です。

週末の深夜ラジオはだいたい26時や27時くらいに番組が全て終了します。すると、ラジオ局アナウンサーの落ち着いた声で

「本日の番組は全て終了いたしました。
J・O・Q・R 1134キロヘルツ、文化放送です」

※だいたいこんな内容だったと思います。JOQRは文化放送のこと。

というアナウンスが流れ、世界の終わりを告げるように唐突に放送が途切れます。そして砂嵐のような「ザーーーー」というノイズが始まるのです。暗闇の中、ラジオの音だけにすがっていた少年にとって、このノイズは圧倒的な孤独の音でした。

柵で囲われた二段ベッド(上に弟が寝ていた)が、その瞬間宇宙を漂う一人乗りの宇宙船に変わった気がしました。今でも深夜徘徊をしていて、誰もいない静まり返った街を歩いていると、あの頃のノイズの音が耳の奥で鳴っているような感覚に陥ります。

三つ目が「旅する」感覚です。

最近はラジオを聴くにしてもradikoなどを利用しているので、「チューニング」という行為自体すごく懐かしいものな気がしますが、私が当時使っていたラジオはボタンを押して細かいチューニングをするタイプでした。

番組終了によってもたらされた孤独から逃げるために私がとった行動は、「まだやってる放送局はないか?」というものでした。いつも聴いている贔屓の放送局から浮気を試みるのです。チューニングボタンを少しずつ押していきながら、人の声を探していきます。ほとんどは砂嵐のノイズです。たまに声が聞こえたとしても、30分も経たないうちにその局も番組終了となってしまいます(大体番組終了時間は一緒なのです)。

ついに全ての局が砂嵐に呑み込まれてしまうと、砂嵐の先にある世界に目をこらす(正確には耳をこらす)ようになります。ノイズを聴いているとすごーく小さな声で、知らない言語が聴こえてくるのです。おそらく韓国とかロシアとか、その辺りのラジオ放送だったのでしょうね。もちろん何を言ってるのかはわかりませんが、孤独の先に知らない世界があることが私をとても安心させたように思います。

さて、長くなりましたがそんなわけでラジオに色々と育てられた私は今夜からラジオを始めてみたいと思います。ニコニコ生放送でのラジオです。まだまだ最初は拙いトークかと思いますが、長く続けていきたいと思っていますのでぜひ応援よろしくおねがいします。この番組が次の世代の誰かを圧倒的孤独に叩き込めるように、というのが目標です。

『事情により音声のみでお送りしております。』
8月20日(Wed) 22:00スタート。以降毎週水曜日放送予定。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv188462020

タイムシフト予約も可能です!

メッセージは 
ccstation.radio@gmail.com
までお送りください!

がんばるぞー。

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