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馬刺しみかんに山猫~銀河へ~

「Enty」とか

2015/11/15 02:21 投稿

コメント:4

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  • 馬刺しの人
  • Enty

(Twitterで垂れ流したことの加筆修正版)

先日、「
全てのクリエイターとエンターテイナーにパトロンを」と掲げる「Enty」というサービスを知り、早速登録してページを作成してみた。

onazimaimaiさんのプロジェクト | Enty - エンターテイナーとファンをつなぐ

ちなみに、栄えある支援者第一号は自分自身。
自分は最初にして最後の味方だ。

で、この機会にWeb時代のコンテンツ価値と製作者の生計について随想をつらつら。

まず話の結論として、Web時代においてコンテンツを販売して利益を得るというスタイルは問題を多く抱えるため、これからはこういったマイクロファンディングやパトロンシステムが有力な選択肢になると思う。


かつて、コンテンツが物理的な媒体に制約されていた時代は、コンテンツ販売=媒体販売という形を取ることが出来た。
例えば書籍であったり絵画であったり、レコードであったりだ。
この時代は媒体自体に価値があったため、コンテンツの価値は媒体自体の価値の付加価値という形で既存の商習慣で取り扱えた。
その盗難や被害も物品を扱うルールを基本とすればよかった。


しかし、まず情報のデジタル化が訪れ、内容の完全なコピーを無制限に作成することが可能になる。
いわゆる海賊版の席捲だ。
もちろん海賊版自体はその前の時代から存在したものだが、デジタル情報が主流のコンテンツでは一層深刻化した。
この端的な例はPCゲームだろう。
一時期のファイル共有ソフトでは発売直後にゲームのコピーが溢れ、そのシリアルキーや認証回避版が出回っていたものである。

これに対し、ゲームではコンテンツそのものを売るのではなく、コンテンツにアクセスして楽しむ権利を売る動きが出てくる。
オンラインゲーム文化はその申し子といえるだろう。
この流れはインターネットの浸透とともに映像や音楽でも一般化する
月額定額でWeb上にある音楽や動画をストリーミングで見放題といった具合だ。
この辺から、物品のやり取り用に作られた商習慣、価値の感覚と齟齬をきたし始める。
「金と時間を払ってレアアイテム手に入れても所詮サーバ上のデータじゃん」
という言葉が、ある意味この混乱を象徴しているように思えるのは私だけだろうか。

いずれにしてもこれで「コンテンツの所有」という通念が崩れ始める。
所有という観点ではコンテンツの王様「書籍」がかなり抵抗している方だが、電子書籍はジリジリと一般化しつつあり、その多くがWebかWebとつながった端末での閲覧を前提としている。
もちろん紙の本も消えはしないだろうが、おそらく「紙の本を購入する」ことと「コンテンツを楽しむ」ことが分離していくだろう。


さて、Webが一般化して大衆のインフラとなると、「誰でも自作コンテンツを衆目に晒す」場が登場して整ってきた。
Youtubeやニコニコ動画、Pixivはその代表格だし、なんだったらAAで面白い話を作る人でも良い。
この段階になると、もはや「コンテンツを購入する」という通念すら崩壊し始める。
例えばニコニコプレミアム会員に月額納金したとして、これはニコニコからコンテンツを買っているのか?
公式アニメしか見ないという人ならそうかもしれないが、多くの人には「ワイワイ楽しむ場への入場料」だろう。
どちらかと言うと現在のWebにおいてコンテンツは「共有財」としての性質を強めていると言えるのだ。


ただし、コンテンツは代償なしに無から湧いてこない。
動画をアップしたり絵を書いたり小説を書いたりした人間は判るだろうが、コンテンツを生み出すには時間というリソースをバカ食いする。
当たり前だが人間一日24時間しか持ってないのは平等であり、それはコンテンツを楽しむ側だろうが送り出す側だろうが同じである。
しかし、送り出す側は多量の時間リソースを消費する。
これを無償で続けるのは、どこかで限界が来る。
好きでやってることでも、だ。

コンテンツを作り続けるには時間が必要で、その時間を実生活からひねり出すためには働く時間やそれ以外の時間を削らねばならない。
趣味も兼ねてれば「それ以外の時間」から融通するのも苦しくないが、働く時間と競合するのは物理的にキツイ。
具体的には財布の中身がやばい。
時間の問題を置いといても、単純に機材などでコストがかかるパターンも有る。
やる気や創造性などとは別のところ、経済的事由でエンタメ活動を断念する・縮小するというのは珍しい話では無い。
その活動とコンテンツを楽しんでいるファンとしては実に残念な結末だろう。
中には多少なら金銭的な支援をしてでも活動を続けて欲しいと感じるファンも居るだろう。
だが、コンテンツの販売という形を整えるのは中々大変であるし、その方法自体も先に述べてきたような通念の変遷に晒されている。
金銭的な援助が必要で、援助の意思があるファンも居る、良い方法だけが無い。
このギャップを埋める方法が近年アレコレと模索されているわけだ。


その一つの回答は、再生数・コメントなどに比例してプラットフォームから製作者に報酬が出るというスタイル。
いわゆるYoutubeの広告収益やニコニコのクリ奨だ。
この2つは収益の仕組みが違うが、作品ごとに人気と比例した報酬が発生するという意味では同じだ。
これはこれで一応機能しているのだが、「コアな少数のファンが居る」というパターンだと額がかなりしょぼいため、気持ち以上の助けになりにくいという問題がある。
一応、Youtubeなどで表示されてる広告から商品購入しまくるという手もあるが、要りもしない商品1万円買って、投稿主に届くのが千円未満では辛いものがある。


で、対抗馬として前から考えられているのがいわゆる「お布施システム」「投げ銭システム」である。
これだと、ファンの「支援できた」感も強く、全く関係ない企業にほとんど吸われるということも少ない。
が、日本では少額で気軽に低手数料で送金するスマートな方法が無いため、これというサービスが現れていないのが現状だ。
自分の口座を晒すという猛者も居るには居るが、個人だと実名などがもろバレで若干リスキーだ。
その点ではBitcoinなど暗号通貨にも期待したいところだが、まだまだ浸透が進んでいない。
現実的な手段で考えれば、先にまとまったポイントなどを購入しておいて、それを制作者に個別でお布施できるシステムとかだろうか。

ニコニコポイントとかそれにピッタリというかそんな感じの話も漏れ聞こえて来たりしてたんですがどうなんですかねドワンゴさん!

ちなみにこのタイプではAmazonギフトを利用したKampa!というシステムが有り、山猫さんも実際に利用してお年玉をねだったことがある。
その時わかったことは、「100人ファンがいたら、100人が10円くれるケースより1人が1000円くれるケースのほうが多い」ということだったり。
ある意味ガチャゲーの課金比率と同じである。


もう一つ、ここ近年で目立つのはクラウドファンディングだろうか。
ただこれ、プロジェクトに対して出資を募るというスタイルなので、長期の応援には向かないし、プロジェクトがポシャると非難轟々になるという問題がある。
あと、あくまで出資という体なので明確なリターンとゴールを提示しなければならない
ゲームを作るならいいが、ゲーム実況しますには正直向いてない。


で、やっと今回のEntyだ。
これはほぼそのまんまのシステム「Patreon」が既に海外で走っていて、その日本版といった感じのものだ。
その構造をひとことで言うと、Webでパトロン(支援者)を募って作品でもプロジェクトでもなく「エンタメ活動そのもの」を直接支援してもらいましょうという仕組みだ。
コンテンツを購入するのではなく、「楽しませてくれる人」にお金を出して支援という形なので、先程から述べてきたコンテンツ価値の変遷に影響を受けない。
人が対象なので歌い手やネットアイドル、批評家、レビュアー、大道芸人などエンターティナー・パフォーマー全体を包括して扱えるのも利点だろう。


ただし欠点もすぐ思い浮かぶ。
一応システムを介しての支援なのでマシだろうが、
かつてのパトロン/芸術家の関係と同じく、コンテンツ制作者がパトロンの意向に左右される可能性が低くない。
かと言って完全に支援から気持ちを脱色してはファンも制作者も面白くないし、応援したい気持ちを形にするコンセプトに反してしまう。
今のところこれは、エンターティナーの方で芯を強く保つことでしか対処できないかと思う。
また、かつての「商品を購入して応援」より遥かにコンテンツ制作者と支援者の位置が近いため、それが却って気軽な支援を妨げる場合もあるだろう。
まだ始まったばかりのスタイルなので、多分これから問題が続出してくると思う。

このサービスが順調に成長していくか、ずっこけて消滅するか、現時点ではなんとも言えない部分があるのだが、いずれにしてもWeb時代においては、以前のコンテンツ販売という手法がかなり苦しくなってきており、コンテンツ制作者は活動を続けるための方法をいろいろ模索する必要があるように思われるのだ。


コメント

onazimaimai (著者)
No.2 (2015/11/15 15:06)
>>1
コメントでお答えしようとしたら分量が膨れ上がったので次記事を御覧ください
(´・ω・`)
おすしすき
No.4 (2015/11/15 18:34)
Entyという企業、サービスの脆弱さについて少し。

Entyは基本、自社で動画サイト等のプラットフォームを持たない。
ニコニコ等、他社のサービスに依存する寄生型のサービスだ。
もしニコニコに「金集めは規約違反だからBANね」と言われればそれまで、Entyが助けてくれることはない。
登録するならクリエイターは最低限の覚悟を持つ必要がある。

今現在Entyは、対応の速さやユーザー意見の反映など概ね好評を得ている。
ただ同時に、DLsite社のコンプライアンスポリシーを、そのまま自社サイトに掲載する(削除済み)など、
中々どうして、管理体制への不安も感じる。

一部に存在するEnty=個人支援、Entyがコケたら個人支援の理念までコケるかの様なミスリードには気を付けよう。
Entyは本当に、自分の個人情報や作品を任せるにたる企業か、検討中の人は、確り見極めようということだ。
onazimaimai (著者)
No.5 (2015/11/16 08:30)
>>4
Enty自体は私も「スゴイ危なっかしい」と感じてます。
企業立ち上げそのものの一発目感がバリバリ漂ってますよね。
コケる可能性は相当高いと思います。

ですので、しっかり考えてから参加しようというのは真にもってそのとおりだと思います。
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