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カリヲのブロマガ

安楽死

2014/10/07 19:10 投稿

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二日しか保たない注射の効能が切れた

朝からそこは痒くて痛かろう

オンオン啼く声は犬というよりアシカだった

アシカも犬と近い動物だと聞いたことがあった

もう口の筋肉を強ばらして犬のように鋭く啼けないのかもしれない


何故か親父は犬缶の三分の一残して冷蔵庫に入れた

私は残りの三分の一を与えることにした

エリザベスカラーをつけたそれは自力で餌が食べられない

左手に乗せて口の側に運んだ

残りをすぐに平らげたがその間オンオンと啼いていた

薬がなければ我慢できない

飼い主が容易に手当もできない

餌をやって散歩に行くだけの世話に限界が来た

 

犬は病院が嫌いだった

手綱を引く度に抵抗していたが 今日ははじめて前で小便を漏らした

先生の顔を見るなりオンオン啼いた

安楽死をお願いし 先生はため息をついた

無理矢理診察台に引き上げ 私は首を押さえつけた

オンオンの声が響いた

私の涙と鼻水は音もなく床にしたたり落ち 床を汚さないようにTシャツの裾で粗雑に拭った

先生が殺す手順の説明を丁寧にする

麻酔を入れて寝ている間に致死量を流し込む

犬には意識がなくなったところで生涯は終りである


右前足の毛を少し刈り麻酔の針を入れる

暴れる首を上から両腕で押さえ込む

これだけある生命力を奪ってしまうのは今更ながら惜しい気がした

行程が進むごとに一つ一つ丁寧に先生は説明してくれた

麻酔を入れて10秒

カラーで見えない顔を覗き込む

重力に逆らえずにゆっくりまぶたは下がり目を覆う

眠ってしまった

もう首を押さえる必要はなくなった

離したその手で注射を打つ反対の前足を撫でた

普段足を触ると怒るのだが

もうそうすることもできない


キュウリほどの太さの注射器から麻酔をゆっくり入れて行く

そして先生が聴診器を心臓に当てる

ものの数十秒で

亡くなりました と言った

まだあったかい

生前と何も変わらない

なんと静かであっけない死だろうと逆に怖くなった

口で一言「安楽死」と決断しただけで

こんなにも死が簡単なんだと

先生に抱き上げられたその身体はぬいぐるみのようにくたっとしていて

筋肉の強ばりは一切ない

もうこれは生き物じゃない 

ものになったんだとはじめて思った

そこにもう今までいたものはなくて

中身のない物質になったんだと

でもそれはかつてないほどに美しく汚れのないもののように見えた

ものが静止している分 しっかり目でとらえられたというだけなのかもしれない

安楽死は一万千円だった

それが命を終わらせる値段だった


ブルーシートを下に引いて自動車に乗せ火葬場に行く

車が揺れ上を向いた左目は半開きになった

硬直するまでにどうにかつむらせようと指でまぶたとまぶたを押さえた

火葬場に着いた

中に運ぶ時に もはや十何年ぶりに犬を抱き上げた

かつて20kg近くあったおデブちゃんは今や米袋よりも軽かった

いつも私より温かかった毛皮はぬいぐるみよりも冷たく無機質に思えた

書類を書き終え線香をやって手を合わせると

ここでお別れですのであとはこちらでやります

首輪は外してもち帰って下さい と言われた

首輪なんてもう必要ないから処分してほしいと思った

お別れはもう病院で住ませていたからそんなに悲しくはなかった気がした

火葬代は1500円だった

動物の死体は凍らせておいて溜まったら一斉に焼く分安いが骨は手元に戻らない


家に帰って車に引いたブルーシートは速攻捨てた

餌入れも鎖も犬用クッキーもシャンプーも

ありとあらゆる犬のものを捨てた

一度も入ることのなかった未使用の犬小屋も

未開封のドッグフードも

早く犬の痕跡を消したかった

見たくなかった

思い出したくなかった

ここで止まっていたくなかった


なのに最後に写真をいっぱい撮った

死体の姿もiPhoneで撮った

捨て去りたいわけではない

病気も安楽死も私の決断も全部受け止めたかった


夜になるとお腹が痛くなった

中学校の時の自律神経失調症が再発したのだろう

その為によく学校を休んでいた

まだ受け入れきれていない

いろいろ考えては悲しさと空しさがこみ上げる

何かにすがるのは情けなくて

泣くなら一人で泣こうと思った

時間が解決してくれるのか

決意ができても気持ちがついて来ない

成人したいい大人が なんて様だと皮肉に思う


十六年は人間だったら高校生の子供を育てるだけの時間だ

ペットは独立しない

人間の大人のようにはならない

ずっと飼い主と共にいる

だからずっと世話をする

子供をずっと世話する気持ちで

小さな頃から知っているから

自分の子供の成長を

自分の子供のいろんな顔を

自分の子供が老いるのを

自分の子供が病気になるのを

自分の子供が死ぬのを見る気がして

その分それがとても苦しい

好きにならなきゃこんな気持ちはなかっただろうと

失恋のように臭い台詞は浮かんでやまない

幸福の分 跳ね返りも大きい

そういえばアレは台風の日にやってきて台風の日に去って行った

台風が来るたび また思い出すのかもしれない


今夜もお腹が痛い

生理痛が毎日続くのかと思うと

それもまた憂鬱である




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