■使うと「増える」お金の使い方がある
私はあるお金の質問をされたとき、混乱しました。
「お金を使うと、お金は増えますか? 減りますか?」
当然私の答えは「減ります!」でした。
ランチで800円使えば、財布から800円が減ります。好きな10万円のバッグを買えば、財布から10万円が減ります。昔から欲しかった500万円のオープンカーを買えば、500万円が減ります。当然のことで、お金は使えば減っていきます。だから節約が必要と、小さい頃から両親に教わってきました。
でも、次の質問をきいた瞬間、考え方がガラッと変わったのです。それも、視界が開けたようにパッと明るくなりました。
「あなたが会社の社長だとします。会社でお金を使うのは、お金を増やすためですか? 減らすためですか?」
会社で使うお金とは、たとえば、生産性を上げるために工場を改築する、営業を強化するために人材を採用する、社内のITシステムを構築する......など、すべて数百万円単位でお金がかかり、数百万円減ります。でも、その数百万円は、お金を減らすために使うのではなく、将来お金を増やすため(=利益を上げるため)に使うお金です。
これを私たちは「投資」と呼びます。
一方で、ランチの800円、バッグの10万円、車の500万円は、なんと呼ぶでしょうか?
それは「消費」です。
■投資と消費は何が違う?
投資と消費の違い。それは、
投資は、お金を増やすためにお金を使うこと。
消費は、リターンが無いものに、ただ単にお金を使うこと。
たとえば、私たちが普段の生活の中で使う「消費」のお金といえば、食費、衣料費、レジャー費、など普段の生活で使うお金です。
一方で「投資」のお金といえば、将来お金が増えて戻ってくるもので、書籍代、学校の授業料、資格取得費、金融商品、など今すぐお金を使うけれども、数ヶ月~数年後には増えて戻ってくる可能性のあるものです。
そして、すぐにお金としては返ってこないけれども、知性や教養として中身が磨かれ、クオリティオブライフ(=QOL・人生の充実度)が高まることも、投資と呼びます。
■人生の質を上げることも「投資」の1つ
たとえば、ワイン教室に通うことも投資の1つです。時間とお金をかけてワイン教室に通うことで、よりクオリティオブライフ(QOL)が高まり、将来、質の高い時間を楽しむことが出来るようになります。そしてランニングを習う、ヨガに通う、というのも同様です。健康になることで、QOLが高まります。そして、美にかけるお金もQOLが高まるので投資になります。
さらに、将来の健康や美しさは、お金で買うことができない程、価値が出てきます。もしくはお金で健康や美を買うとすれば、膨大なお金がかかります。そのための今日の健康や美にかけるお金は、QOLが高まり、かつ金銭面でもメリットになる投資と考えることができるのです。
この考えを持った人は、お金の使い方がガラッと変わります。消費を出来る限り効率良く減らし、投資のお金を増やす、ということ。これを継続するだけで、自然と収入が高まり、支出が減り、お金の知性が高まっていくのです。
これが、美マネ思考です。お金を使うことは悪いことではありません。お金の無駄遣いはよくありませんが、しっかり管理した上で、自分の使ったお金が消費なのか投資なのかを考えていけば、自然と自由に使えるお金が増えてくるのです。
お金を使うとお金が増える。お金を使えば使うほど、お金が増える。そんなスパイラルを楽しんでいきましょう。
ひとつお知らせです。私が代表をつとめるFinancialAcademyで、2013年9月8日(日)に2000名規模の無料イベント(要登録)が開催されます。
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【今日の美マネPoint!】
☆自分会社の経営者視点を持とう! 経営者はお金を増やすためにお金を使う
☆消費を減らし、投資を増やす
☆QOLを高めるものに投資をしよう
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/泉正人)