交差点。すれ違った人がまとう香水が香った一瞬で、たちまち遠い思い出に引き戻され思わず後ろを振り返った――そんな経験はありませんか? 香りと記憶の連動から、初めて会った人の香りが印象に残り、再会して「そうそう、この香り」なんてことも少なくないのでは?
目には見えない香りですが、相手に与える印象は強く、ファッションやメイクと同様、もしかしたらそれ以上にその人のセンスと好みを語ってくれるものかもしれません。実際、リップやアイシャドウを選ぶよりも慎重に吟味するほど、"香水を選ぶ"という行為は女性にとって特別なものです。
香水選びに迷ったら、ぜひフレグランスカウンターで試して欲しいのが、ケンゾー パルファムより8月23日(金)に発売される「フラワー エア オーデパルファム」。高田賢三氏が好きだったポピーの姿を、都会で働く凛とした女性になぞらえた香水です。ポピーをモチーフにデザインされたボトルはドレッサーに置いておくだけでもかわいいデザイン。
担当した調香師アルベルト・モーリヤス氏によれば、女性たちの心からインスピレーションを得て、女性のさまざまな表情を描いた香りなのだとか。トップノートはラズベリー、ピンクペッパー。ミドルノートは「ケンゾー」のために調合されたダズリングローズ、そしてマグノリア、ガーデニア。ラストノートはホワイトムスク。
つけてみると、まず若々しくフルーティーな香りが広がり、少しクールでモダンな印象も。そして華やかなバラの香りに包まれ、やがてほどよく甘い穏やかで上品な余韻に導かれます。「優しく穏やかでほどよく甘い。エレガントかつチャーミングでときにクール、そしてセクシー」――女性なら誰もが憧れる要素が香りとなって集約したという印象。つけていてとても心地がよく、女性らしさが上がったような気さえします。
この香水の世界観と、モチーフとなった強さと儚さをあわせ持つポピーのストーリーはフィルムでも紹介されていますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
つければ気持ちを高めることができ、ふとしたときに香ると心が落ち着き、自分を取り戻せる"香水の力"。自分の理想の女性像を演出してくれる香りに出合えたら、心までをも豊かにしてくれそうです。仕事中は身にまとわなくとも、ボトルに鼻を近づけるだけで、気分転換の効果はチョコレートより上かもしれませんよ!
[KENZO]
(文/大森りえ)