友人や家族ではなく、その道の"プロ"に相談がしたい――。
そんな働く女性のお悩みに答える連載「お悩みキャリア相談室」では、株式会社Waris(ワリス)共同代表、キャリアカウンセラー、ライターでもある田中美和さんが、読者のみなさんのお悩みに答えます。
第21回目のお悩みは......
夫婦ともに40代、共働きで子どもは小学3年生です。夫は結婚当初から「仕事が命!」というタイプで、早朝に出勤し深夜まで残業、週末も自室にこもって仕事......という生活を続けています。
共働きであるにも関わらず、家事育児はほとんど私がこなしてきました。何度か話し合いをしようとしたこともあるのですが、「仕事なんだから仕方ないだろう」と聞く耳を持ちません。そんな調子なので当然子どももあまり父親になついておらず、たまに食事の席が一緒になっても気まずい沈黙が流れるだけで苦痛です。
最近はなんのための家族なのかわからなくなってきてしまい、夫への愛情も嫌悪感へと変わり、真剣に離婚を考えています。離婚した場合、シングルマザーとして子どもをきちんと育てられるのか、私の収入だけでやっていけるのか......など色々と不安もあります。参考にしたいので、子持ちで離婚する際の心構えや準備などがあれば教えてください。
【40代、Aさん、大田区在住、貿易事務】
安定した仕事の確保が最優先。
十分な情報を集めて後悔のない選択を!
ご主人があまりに多忙で育児に全く参加しない......いわゆる"平日母子家庭"状態に陥っていらっしゃるのですね。このような場合、Aさんのように離婚が頭をよぎるケースも少なくないようです。精神的にも体力的にもつらいですよね......。
しかし、離婚となるとAさんの肩にのしかかる負担も並大抵のものではなく、慎重な決断が必要です。
離婚した場合、前の夫から支払われる養育費は(夫の年収にもよりますが)一般的なサラリーマンの場合で月平均3~5万円程度とされます。実際には7割近くの男性が養育費を支払わないとも言われています。他にも公的な助成や免除の仕組みはあるものの、苦しい家計状況に置かれている母子家庭が大半で、経済的自立は絶対条件です。
シングルマザーとしてお子さんを育てていくうえでは、安定したお仕事の確保が最優先です。現状の雇用形態は正社員ですか? 正社員でない場合は、なんとか正社員への道を探りましょう。職場の上司に正社員登用の可能性を相談してみてもいいと思います。シングルマザー専門の転職エージェントもありますよ。シングルマザーは、危機意識を持って精力的に仕事に取り組む傾向が強く、企業からは高い評価を得ているそうです。
また、すでに正社員であったとしても、今の時代、会社が絶対安泰とは言い切れません。ご自身のスキルにさらに磨きをかける意識が重要です。貿易事務の仕事をされているとのことなので、貿易実務検定や通関士試験、英語や中国語の勉強をされるのもいいでしょう。担当している国・エリアの言語やカルチャーを独自に学ぶのもいいですね。
実際の離婚に関しては、様々な弁護士事務所が無料の相談コーナーを設けていますから活用してください。周囲にシングルマザーとして働く人がいれば、リアルな声を聞くのも手です。十分な情報を集めて、最後はAさん自身の「どうしたいか」を大切に、後悔のない選択をしてくださいね。
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/田中美和)
----------------------------------------------
●あなたのお悩み募集中!
仕事、生活、結婚、将来......あなたの日々のお悩みをキャリアカウンセラーに相談してみませんか?
投稿は下記応募フォームからどうぞ。
----------------------------------------------
【お悩みキャリア相談室】過去記事一覧はこちら>>
-
重さもサイズもちょうどいい! テレビも見られる女子タブレット、シーン別使いこなしテク3
-
一覧へ
-
誰もが知っている「あの曲」を作って歌ったのは伝説のツワモノ社員/株式会社ドン・キホーテ 本部長 田中マイミさん