収入が上がれば、生活が楽になる。私は昔、そう思っていました。
社会に出たばかりの頃、頑張れば収入があがる、と思い、必死になって仕事をしていました。実際に収入があがり、金銭的に豊かになってきているのですが、本当に使えるお金、つまり可処分所得がどれだけ増えているかを見ると、社会保険料や税金が増えてそれほど増えていません。
商社に20年勤めている都内在住の松尾好美さん(仮名) は、可処分所得についてこのように言っています。
「この10年で年収が600万円から800万円に上ったのですが、実際に使えるお金はそれほど多くなっていないような気がしました。実際に収入と支出をよくみてみると、額面では200万円増えたけれども、税金等を引いたら170万円しか使えるお金は増えていない。そして、収入が上がった分で家賃と生活コストが毎月10万円以上アップして、実際には毎月数万円、年間30万円程しか使えるお金が増えていないことに気がつきました」
多くの人が、この罠に陥ります。収入が増えれば、生活が楽になり、使えるお金が同じ比率で増えると思ってしまう。でも実際は違います。
収入が増えても、生活コストを支払った後の可処分所得はあまり増えず、同時に働く時間も増えるので、自分で自由に使える時間、つまり可処分時間もなかなか増えていかないのです。
年収が上がったのに、お金が貯まらない、そして時間の自由もなくなった。と私と同じ経験をしている人は多いハズです。
そこで、大切になるのが「お金にも働いてもらう」という考え方。
アベノミクスで投資の話題をよく耳にするようになりましたが、投資とはお金に働いてもらうということ。つまり、1人でダブルインカムを作ることができるのです。
たとえば不動産投資。
ちょっと怖いイメージがありますが、私たちが支払ってる賃貸住宅の家賃は、かならず家賃をもらう側の人がいます。たとえば15万円の家賃を支払っている人がいたら、15万円を毎月毎月受け取っている人がいるということなのです。
その家賃を受け取る大家さんは、その収入に対しての労働はしていません。つまり労働に関係なく、お金が入ってくるのです。
この大家さんが3つの部屋を持っていたとしたら、45万円が毎月、労働には関係なく入ってきます。この部屋をローンで買っていたとしてもローン返済は毎月25万円程。
毎月20万円、可処分所得として自由に使えるお金が手元に残り、さらに労働時間も増えないために可処分時間も増えるのです。
総務省が2008年に発表したデータによると、日本国内には5700万戸があり、そのうちの約37%にあたる2100万戸が賃貸住宅です。そして個人で大家さんをやっている人が300万人はいると言われ、可処分所得と可処分時間の両方を手にしている人がたくさんいるのです。
その自由に使えるお金で美に投資をする。
そんな『美マネ』な使い方が、これからの賢いお金との付き合い方になってくるのです。
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/泉正人)
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