朝食に子どものおやつにと活用できる「ヨーグルト」。一般的に健康にいいとされていますが、近年の研究によって新しい効果が分かってきたそうです。
食品免疫学、腸内細菌学、食品アレルギー学を専門分野にもつ農学博士の上野川修一氏によると、ヨーグルトが健康にいいと言われる理由は2つあるそう。
ひとつは主材料が牛乳であること。牛乳はそれだけで牛の赤ちゃんが成長するもので、タンパク質、カルシウム、ビタミンなどがバランスよく入っている栄養価の高い食品です。もうひとつは発酵。牛乳が発酵してできたヨーグルトには、乳酸菌が豊富に含まれています。この乳酸菌が腸内でいい作用をするとされています。
ヨーグルトは、腸内細菌のバランスを整え、善玉菌を増加、腸内の乳酸菌を活性化して免疫力をアップしてくれます。腸を健康にしてくれるのですね。
乳酸菌が健康にいいとはよく聞きますが、実は乳酸菌は酸に弱く、ヨーグルトの乳酸菌はそのほとんどが胃酸で死んでしまうそうです。しかし近年、死んでしまった乳酸菌でも健康にいいことがわかってきたのだとか。それは、死んでしまった乳酸菌が腸管にある免疫システムを刺激して、免疫力を上げてくれるからだそうです。
さらに年齢を重ねるとともに、乳酸菌は減少すると考えられていましたが、近年ではヨーグルトなどの発酵食品から摂った乳酸菌(生菌・死菌ともに)の刺激によって量が増えることが報告されています。しかし、摂取した菌は定着しにくいので毎日食べ続けることが大切です。
食べる量は1日100g以上を目安に。その際、腸内にいる乳酸菌のエサとなるオリゴ糖やはちみつと一緒に食べるとより効果的です。また、ヨーグルトから出る水は捨てずに混ぜて食べるようにしましょう。この水には、良質なタンパク質やビタミン、ミネラルが溶け込んでいるので、より効果的に栄養素を取り入れることができますよ。
何気なく食卓に加えていた「ヨーグルト」。これからは食べ方を工夫して、より効果的に摂りたいですね。
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(文/編集部・寺田)