この数か月、ダイエットのひとつの常識でもある低糖質ダイエットを緩くやっていたのですが、これでいいのかなー? と、なんとなく疑問を感じつつ、でした。というのも、低糖質の代表選手ごはんを減らせば、あるいは抜いてしまえば、確かに体重は減る(でも体脂肪は減らない)。で、ほんのちょっと食べる量が増えると、すぐ元に戻ってしまう。
そんなふうに悶々としながらも、週末を過ごした京都でおいしいものをパクパク......。
私が世界一好きな朝食「イノダコーヒー」のモーニングセットから始まり、ランチは「くいしんぼー山中」のステーキ。上質の近江牛は小豆色していて、トロける舌触りでした。
最初の夜が「わらじや」の鰻ぞうすいで、次の夜が「水円」の懐石料理。おなかはもうだめ、もうだめだけど、おいしすぎて残すことができません!
というような誘惑に勝つことができず、当然のごとく低糖質ダイエットは断念です。
でも、悶々としていた気持ちを解決することができたのです! 天からの啓示みたいに、素晴らしい回答をくださったのは、京都大学大学院 人間・環境学研究科教授の森谷敏夫先生。60歳を過ぎても、若さ、筋力、気力ともにものすごいヤングなお方です。
先生の理論をかいつまんでお伝えすると、
日本人の摂取カロリーはこの30年くらい減り続けている。なのになぜ、おデブやメタボが増えたかというと、それは明らかに運動不足。いや、スポーツクラブに行ったりジョギングしたり、運動量はそこそこあるはず! と思っても、重要なのはそういうエクササイズではなくて「日常生活で消費するエネルギー」。
立つ、座る、歩く、階段を昇り降りする、電車に乗る......。チリも積もればなんとかで、面倒くさがらなければこれらの消費カロリーは300~800Kcal/日にもなるとのこと。
リモコンを手元に集めて家の中で動かなかったり、掃除はルンバにお任せだったりではダメです。その代わりにとウォーキングを30分やっても、たった78Kcal。この"チリ積消費カロリー"がどれだけ大きいかがわかりますよね。
そして、ごはんなどの糖質を減らすことについては、「体重が減ったとしても脂肪ではなく、筋肉などに貯蔵されている糖質燃焼のグリコーゲンとそれに結合している水」なのだそうです。だから、ごはんを抜いて一時的に体重が減っても、脂肪を減らすことはできない。
しかも、脳のエネルギーは糖質だけなので、糖質が足りないと(脳の自己防衛本能で)眠くなったり集中力がなくなったり。困ったもんです。筋肉だけじゃなく脳にもよくないなんて。
ふだんあまり動かずに、でも強迫観念にとらわれてエクササイズして、ごはんを抜いて。これが非効率なダイエット法であることが、よくわかりました。かといって、たくさん食べたことを正当化しようというわけではないですが......。
ただいま、「健康的にやせる」ことについてさらなる取材と研究を進めていますので、また報告いたします!
(文/南ゆかり)