2010年に開設以来、6年先まで予約が殺到する学童保育がある。幼児~小学生向けの総合塾も兼ねた、東京都目黒区の「BunBu学院」だ。読み書きそろばんから英語に速読、さらには五輪金メダリストが講師を務める柔道クラスまで。「日本の未来のリーダーを育てるスーパー学童」を掲げた独自の教育カリキュラムに、多くのメディアも注目して取材に訪れる。このユニークな学童を運営するのが細川眞紀子さんだ。
――そもそもなぜ学童保育を?
「9年前に1人目の子どもを出産したのですが、当時の保育環境は今以上に整っておらず、子どもを預けるのは悪いこと、という風潮すらありました。周囲のお母さん方は、子どもを産んで幸せなはずなのに、仕事や育児に追い込まれて皆大変な思いをしている。パートナーとの関係が悪化する人も少なくない。これはおかしいんじゃない? と。結婚後はずっと専業主婦でしたが、2人目を出産後に33歳でベビーシッターの会社を起業したんです」
とにかく思い立ったら即行動。もともと身内に起業家が多く、自分がすることにも抵抗がなかったという。
「でも1年も続けると、お子さんをただ短時間預かるだけのベビーシッター業では飽き足らなくなって(笑)。起業を通じて、未来の社会に通用する人材を育てることの重要さも痛感しました。もっと長い時間お子さんを預かって、自分なりの理想の保育をしてみたくなったんです」
その強い想いに背中を押されるように、都内に自力で保育園を開設。そこで子どもの成長の可能性に感銘を受けた。が、保育園を卒園した子どもは、小学校にあがると行き場がなくなる。通称「小1の壁」を打破するために、今度は学童を作ろう......。細川さんが考える理想の教育として誕生したのが、BunBu学院なのだ。
【後編に続く】
細川眞紀子(ほそかわ・まきこ)
株式会社ニリア・バニー代表取締役。ベビーシッター派遣会社や認可保育園の運営を経て、2010年5月にスーパー学童 BunBu学院を開設。
教育プロデューサーとしても幅広く活動し、2013年1月に著書『「将来有望」な子どもの育て方 ~20年後を考えた子育て』(アスコム刊)を上梓した。
[BunBu学院]
(取材・文/編集部)