今年のアカデミー賞の発表も近くなりました。日本時間では2月25日の朝、この映画の公開直後ですね。
この作品も、作品賞、監督賞、主演男優＆女優、助演男優＆女優など主要8部門でノミネートされています。大作ではないものの、観客の心をとらえた作品として、今年の賞レースのなかでは「台風の目」と言われています。受賞はなるのか、それはもうちょっと先のお楽しみですね。
ノミネートの中でも特にこれは納得！ と思ったのが主演男優＆女優賞。お互いに躁うつ状態にあるという難しい役どころを、とても自然に演じています。
主人公のパットは、妻の浮気が原因で心のバランスを崩して入院。その間に家も仕事も妻も、すべてを失くし、今は実家で両親と暮らしながら、社会復帰を目指してリハビリ中。いまもまだ、妻とヨリを戻したいと、彼女の理想の男になろうと努力するも、妻は接近禁止命令を解いてくれない。
そんな時に出会ったのが、近所に住むティファニー。愛らしい姿からは想像もつかない、過激な発言と突飛な行動を繰り出す彼女もまた、事故で夫を亡くして精神的に不安定な状態。その2人があるきっかけから、ダンスコンテストに出場することになり......。
誰の目にも復縁はあり得ないのに、本人だけはそれを信じて疑わないパットと、本当は傷つきやすいのに挑発的な態度を繰り返すティファニー。なんともイタいふたりのやりとりは「そんな失礼なこと言う？」「その返しはないでしょ！」とある意味めちゃくちゃですが、目が離せません。
パットは、一見とてもまともな男性に見えるのに、突然キレ出したり、大人げない態度を取ったり。演じるブラッドリー・クーパーのイケメンな容姿とのギャップが、コワくもあるけれどリアル。ティファニーを演じるジェニファー・ローレンスは、基本不機嫌そうな顔をしているのですが、急にセクシーになったり、子どものような無防備な表情になったりと、シーンによってパッとイメージが変わるのがすごい。今後も気になる、注目の女優さんです。
パットの両親役のロバート・デ・ニーロとジャッキー・ウィーヴァーもいい感じ。彼らもまた問題を抱えていたりするのですが、パットとティファニーのダンスコンテストをきっかけに、家族としてまとまっていく様子に心温まりました。
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『世界にひとつのプレイブック』［公式サイト］
監督・脚本：デビッド・O・ラッセル
出演：ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス
原題：Silver Linings Playbook
2月22日（金）よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
(c) 2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.
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（文／ミヤモトヒロミ）
