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喫茶店とかに置いてあるなんか自由帳みたいなやつ

【特撮】鏡には歪んだ自分の姿が映っている ~参~

2018/04/01 15:58 投稿

  • タグ:
  • 特撮
  • 仮面ライダー
  • 仮面ライダークウガ

~壱(ビルド)~

http://ch.nicovideo.jp/cafe_ratte_notlatte/blomaga/ar1462475

~弐(オーブ)~

http://ch.nicovideo.jp/cafe_ratte_notlatte/blomaga/ar1462805


闇と向き合った覚悟の先で

(仮面ライダークウガアルティメットフォーム)


 自らの闇を受け入れるのは激しい苦痛と覚悟、そして勇気が必要である。何かをなさなければならないとき、決断を迫られたとき、迷うことなくそれを受け入れることができるだろうか。仮面ライダークウガに変身する五代雄介は、自らが持つ力の意味、闇との向き合い方を自力で模索し、その答えを出した人物である。彼が答えを出したその時、どういった結末が訪れたのであろうか。

 クウガはグロンギを封印していた古代の戦士である。現代に蘇りゲゲルと呼ばれる殺戮ゲームを始めるグロンギと戦うため、冒険者五代雄介はクウガとして戦う決心をする。彼は決して孤独ではなく、信頼できる友人たちや、一条薫をはじめとする警察関係者も彼とともにグロンギ達に立ち向かった。

 しかしその戦いのさなか、すでに五代は自らの闇と向き合っていた。仮面ライダークウガ作中ではグロンギの凄惨なゲゲルが描写され、被害者も少なくなかった。クウガもまたそれを止めるために暴力でもって解決を図るほかなく、そのことに五代自身も深く悩み苦しんだ。クウガがグロンギと戦う姿は時に怒りに燃え、時に痛みに耐え、苦痛にもがく青年の姿として描かれた。

 五代雄介は暴力で暴力を止めるということに悩み抜いた。答えを出すことを急ぐことなく、悩み抜くことを良しとしたのである。「納得いかないときはとことん悩んでいいんだよ。」「何年かかったっていいんだよ。みんな悩んで大きくなるんだから。」

 しかし悩み続ける彼を戦いは待ってはくれない。アマダムの影響で、自らの身体が人間のそれから逸脱し、変質していくことを肌で感じる五代。状況に流されるように戦いに巻き込まれていく彼は悩みの中で、どう折り合いをつけたのか。「こんな奴らのために、これ以上誰かの涙は見たくない!皆に笑顔で、いてほしいんです!」「本当は綺麗ごとが一番いいんだもん。暴力でしかやり取りできないなんて、悲しすぎるから…。」彼は自らのやるべきことをやるために、やりたいことをやるために、苦痛に耐えながら戦いへ向かうのである。その戦いの先に、暴力のない世界があることを信じて、そして仲間の前では、笑顔と、サムズアップを忘れることなく…。

 戦いの果て、ついにグロンギの首領ン・ダグバ・ゼバと対峙する五代に最後の試練が訪れる。それまでのグロンギとは比較にならない力ですべてを蹂躙するダグバ。その時点でのクウガ最強の姿アメイジングマイティも歯が立たない…。

 ダグバに対抗するには、クウガがダグバと等しい力を手に入れるしかない。「黒き闇」「究極の闇をもたらすもの」「凄まじき戦士」と呼称されるクウガアルティメットフォームがそれである。劇中では古代の文章から「聖なる泉枯れ果てし時、凄まじき戦士雷の如く出で、太陽は闇に葬られん」「心清き戦士、力を極めて戦い邪悪を葬りし時、汝の身も邪悪に染まりて永劫の闇に消えん」と暗示され、登場前から不穏な空気を匂わせていた。五代本人もこの姿を幻影として一度垣間見ており、あまりの危険性の予感からその使用を自ら封じていたほどである。一度変身すれば、暴力にすべてを支配されてしまい、破滅に至ることを悟る五代。しかし、殺戮を繰り返すダグバを止めるためには、もうこの手段しかない…。

 変身の覚悟を決めた彼は戦いに臨む前に、親しかった人々に会いに行き「旅に出る」と告げる。人によって思い思いにその言葉が受け取られ、ついに一条刑事から最後の決戦の連絡が入る。決戦の場所へ赴く直前、一条刑事の前で最後の変身を果たす五代。本来であればアルティメットフォームとなったその姿は、自我を失った黒い複眼を持っていたはずだが、五代が変身したその姿はいつものクウガと変わらない、赤い複眼だった。

 この演出が仮面ライダークウガという作品を通して五代雄介が出した一つの答えになっている。自らの破滅を覚悟しながらも、最後まで優しさを捨てることなく戦う決意をした姿である。彼は自分が暴走した時の「処理」を一条刑事に託して戦場へ向かった。闇へと向き合ったその先に光がないことを覚悟していたからこそ、最後に光をつかむことができた、ということなのだろうか。一貫して闇に対する姿勢を貫いてきた五代だからこそその姿に説得力が生まれる、ということでもあろう。

 吹きすさぶ吹雪の中、文字通り血を吐きながら戦う五代とダグバ。五代は泣きながら、ダグバは笑いながら…。暴力の果て、相打ちになるかのように二人は倒れ、吹雪の中にその姿は見えなくなる…。

 本編中では、戦いが終わった後の五代の消息はぼかして描かれている。戦いで命を落としたとも、無事に生き残り旅に出たともとれる描写がなされている。当初の予定では五代の明確な死とともに物語が終わることが計画されていたとも聞く。彼が生きているとすれば…闇を抱きしめきり、光となった彼の前には平和になった青空がどこまでも広がっているのだろう。


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