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【特撮】「強さ」のものさし

2018/02/11 17:04 投稿

  • タグ:
  • 特撮
  • ウルトラマン
  • 仮面ライダー

1、はじめに ~特撮の”強さ”はガバガバだ~


 特撮作品について語られる議論の中で最も不毛な議論の一つは、いわゆる「最強議論」だろう。どの仮面ライダーが一番強いのか、どのウルトラマンが一番強いのか、どの怪獣が一番強いのか・・・エトセトラエトセトラ。この類の議論が満場一致で解を導き出せる事はほとんど無く、大体平行線のまま議論は終わる。

 そもそも、それぞれの作品単位で見ていけば、各々異なった世界観を有しているものであるわけで、作品間で比較をしようとしても「違う作品だから」で片付けられる問題であるはずだ。

 しかし今日まで特撮作品は長期シリーズ化されてきており、実に様々な試みがなされてきている。一つの作品に複数のヒーローが登場し、それぞれのヒーローがフォームチェンジやパワーアップ変身を用いて戦い、さらにシリーズをまたいでクロスオーバー作品が作られて新旧ヒーローが共演を果たすこともある。

 このように複雑に絡み合った軸の中で「強さ」というものを一様に定義する事は非常に難しい。入試で用いる偏差値のような画一的な基準というものは無いのだ。

今回は、筆者の見た限りの作品で申し訳ないのだが、様々な特撮作品の中で「強さ」についてどう管理・定義しているのかについて見ていきたいと思う。



2、「強さ」を管理するのが難しい事例



 まず、作品の性質等の点で、非常に「強さ」を定義しにくかったと思われる要素について見ていきたい。


A、旧ヒーローが客演で登場


 今日の特撮作品の長期シリーズ化は一ファンとして全くうれしい限りで、劇場版などで新旧ヒーローが一堂に会するシーンは特に心踊るものである。のだが、じゃあどっちが強いの?という議論が発生するとこれはもう戦争になることが避けられない。

 「ウルトラマンとウルトラセブンはどっちが強いか」「初代仮面ライダー1号と仮面ライダービルドが戦ったらどうなるか」というような問いに答えられるものはいないのだ。

 ウルトラマンシリーズのマルチバース設定など世界観を統合するような要素があっても、あるいは直接対決するような描写があっても、その強さを同じ軸で語ることは難しい。

 なぜかといえば、それは「個々の作品で出来上がった一つの世界観」があるからなのだ。それぞれが紡いできたストーリーがあり、それを無理やり統合して同じ強さ軸で語ると、例えば「光の国を蹂躙したウルトラマンベリアルに勝利したウルトラマンゼロを苦しめたハイパーゼットンの派生形態を軽々倒したウルトラマンオーブを倒したギャラクトロンを操る伏井出ケイはベリアルの部下」みたいなよく分からない関連性が出てくる。

 あくまでもクロスオーバー作品はクロスオーバー作品、本編は本編としてそれぞれ楽しむ心の余裕が必要かもしれない。

 ・・・いっそ仮面ライダーディケイドのように設定ごと破壊できる存在、みたいな滅茶苦茶な設定のほうがかえって合理的なのかもね。


B、上位互換変身の登場


 物語の転機において、主人公や敵のパワーアップイベントが登場することは多いが、これが例えば、「いわゆる初期フォームの上位互換的存在」になると厄介だ。

 客演作品などにおいて登場する姿は、そのヒーローの最も代表的な姿である初期のフォームが多く、そのときにこのような上位互換フォームがあると、戦っているときに「なんでそっちに変身しないん?」見たいな疑問が出てきてしまう。世界の命運がかかっているような場面でいわゆる「舐めプ」みたいに見えてしまうこともあるのだ。子供への説明なども大変かもしれない。

 昨今の作品で言えば仮面ライダービルドラビットタンクフォーム→ラビットタンクスパークリングフォーム、仮面ライダーゴーストオレ魂→闘魂ブースト魂のようなやつだ。

 まあ販促的な大人の事情もあるので、こういったケースでは見る側が想像力を働かせて補完していくしかない。

 「強力すぎる力はより大きな破壊を生み出すため自重している」「そもそもすでに基本フォームで全ての力を扱えるレベルに熟達している」「本気を出すと消耗が激しい」などなど。お好きなものをどうぞ。

 ・・・個人的には、ウルトラマンオーブで主役を演じた石黒英雄さんがインタビューで語った「本来の姿を取り戻してもフュージョンアップを使うのは、そのほうが楽だからでしょうね」ってのが好きですねw


C、あまりにも強力な能力


 もうこれは設定した段階でどうなんだと思わなくもないが、作中で持て余すレベルの長強力な能力が登場することがある。

 仮面ライダーカブトハイパーフォームはなんと時間逆行ができるというとんでもない能力を持っている。この能力を利用して、やられたはずの味方を助けるためにやられる前の時間へまるでワープするように飛び敵を倒す、という描写もあった。正直「もうこれ使えばいいんじゃないかな」みたいに思うシーンもあったが、演出的にも扱いにくかったのだろう。初登場以降極端な使い方がされることは少なかった。

 シャイニングウルトラマンゼロも似たような時間巻き戻し技、時間の干渉を受けない空間の創造ができる存在だ。これもあまりにも強力な能力であるためか使われる機会はそれほど多くない。

 冒頭であった「最強議論」に必ず名前が出てくるのがこうしたチート級能力保持者であるが、先ほどの上位互換フォームと同様「何で使わないん?」という事態が発生しやすいキャラクターだ。使わずに他のキャラクターに敗北したりすることもあるもんだからまた始末が悪い。これもやはり脳内補完で「あえて使わない理由」をこじつけていったほうが精神衛生上良さそうだ。

 ・・・まあしかし登場したら登場したで盛り上がるフォームではありますよねwもっと色々なとこで使ってほしいなあ・・・。



3、「強さ」の表現が管理しやすい事例



 さて、今度は作中で各キャラ・各フォームの強さをかなり上手くまとめていると思った事例を見ていこう。


A、変身やフォームチェンジにリスク・制限がある


 あえて変身をためらうような要素を設ける、というのはかなり有効で、「禁忌に手を伸ばす」「覚悟の変身」といった演出がしやすくなり、その分登場したときの強さのインパクトを際立たせる働きがある。物語の強弱をつける面でもかなり機能する要素で、名シーンの数々を生み出してきた。作中で「あえて強力な姿に変身・フォームチェンジしないで戦う」意味を補完してくれるのが助かるところだ。・・・もっとも客演で別作品に登場したときこともなげに使うこともあるのだがまあそれは別の話。

 例としては次のようなものがある。


・変身することで暴走する危険性がある

(仮面ライダービルドハザードフォーム、仮面ライダーオーズプトティラコンボ、ウルトラマンオーブサンダーブレスターなど)

・変身することにより寿命など大切なものを失う

(仮面ライダーダークキバ、仮面ライダーゼロノスなど)

・変身に制限時間がある

(ウルトラマンシリーズ全般、仮面ライダー555アクセルフォームなど)

・変身し続けることで本来の存在から乖離していく

(仮面ライダー鎧武極アームズ、仮面ライダーブレイドキングフォームなど)


B、具体的な基準となる設定が存在する


 具体的に数値で強さを表す、というのは最も分かりやすいやり方の一つだろう。いわば偏差値のように上下関係でランキングを形成できる。作中の演出上でも、「格下が格上に勝つためにいかにその差を埋める要素を用意するか」という点に工夫を凝らしやすく、ドラマチックな展開に繋げやすい。

 仮面ライダーエグゼイドは変身アイテムのガシャットにレベルという要素を設けた。レベル3はレベル2より強いといった具合に強さの上下関係を明確にした。またより高レベルのガシャットを求めるという物語を動かす起点にもしやすい要素だった。レベルの差を埋めるために個々のキャラクターの経験値やアイテムの活用などにスポットが当たるシーンも多く、展開上上手く機能していた要素なのではないかと思う。

 またそういった固定の強さではなく、変動していく数値もある。放送中の仮面ライダービルドの「ハザードレベル」や、仮面ライダーブレイドの「融合係数」などがそれだ。これらの数値は、キャラクターの感情の高まりや成長度に応じて上昇していき、その程度を可視化することでよりわかりやすくする作用をもっている。「こいつ・・・前に戦ったときよりも成長してやがる・・・!」みたいなことをより分かりやすく表現している、といえばいいだろうか。融合係数の高くないギャレンが、いざというときに急激に強くなり強敵を撃破する熱い描写にも説得力を持たせている要素だ。


4、おわりに ~結局どう解釈すりゃいいのさ~


 まあ散々いってきたが、結局作中で言及されている以上の要素については自由に考えて補完していくしかないということだろう。むしろあまり無理やり整合性を求めすぎてもいけないのかもしれない。「どいつが最強だ議論」は各作品の考察にもなり非常に楽しい語り合いの一つだが、あまりそれに固執しすぎて作品それぞれの魅力やクロスオーバー作品の楽しさに水をさすようなことがないように気をつけたいものです。それはそれ、これはこれで楽しむ、という心を忘れないようにしたいですね。

 あ、あと筆者はウルトラマン・仮面ライダーシリーズの他の特撮(スーパー戦隊とか)については「まだ」あまり視聴したことがなく、上記の内容で取り上げることが出来ませんで、それらのシリーズのファンの方については大変申し訳ない。ぜひ「これ面白いよ!」というものがあれば教えていただけるとうれしいです。

 最後に、こういった話になると必ず取り上げられる言葉ではありますが、モモタロス先生のありがたいお言葉でこの場を締めようと思います。ありがとうございました。


「どっちが強いかじゃねえ。
 戦いってのはなぁ・・・ノリのいい方が勝つんだよ!」


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