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天体のメソッド 第13話(最終話)「はじまりのそらから」

2015/01/03 20:55 投稿

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  • 天体のメソッド
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前話:第12話「円盤のない街」
第13話のあらすじ
  • 「ノエルの事を覚えているのが、私だけじゃないとわかっただけでも良かった」という乃々香。しかし、汐音は「それでいいの?」と疑問を投げかける。「乃々香っていう女の子は、一度こうすると決めたら、絶対に最後まで譲らない。真っ直ぐで素直な言葉にみんなが動かされる、そんな女の子だったはず」と。
  • 「私の事を信じて」という汐音に、乃々香は「もう一度天文台のみんなで集まりたい」と伝えた。
  • 湖の桟橋に集まった5人。湊太、こはる、柚季はそれぞれに「何か大切なものを失くしたのに、それが何か分からない」という感覚に苛まれている事を告白する。
  • それを聞き「安心した」という汐音。「みんな同じ想いで繋がっている」と。
  • 汐音に促された乃々香は、「みんなで円盤を呼ぼう」と提案する。
  • 天文台に来た5人は「ノエルに会いたい」という願いを胸に、7年前と同じように円盤を呼んだ。すると、突風に汐音の麦わら帽子がさらわれていった。
  • 5人が天文台の外に出ると眼下には満開のひまわり畑が広がり、あたりに黄色い花びらが舞っていた。
  • 天文台からの帰り道、乃々香と汐音は2人が出会った湖畔のベンチに座る。乃々香は母親との「どんなに悲しい事、辛いことがあっても、ありったけの笑顔でにっこりする」という約束を回想した。
  • 乃々香は汐音に「あの日、出会ったのがあなたで良かった」と伝え、汐音も「私も」と返す。
  • その日の夜、柚季と湊太はアルバムのページを一緒に捲り、こはるはキリゴンとその“設計図”を見て、昔を振り返る。乃々香の家に泊まった汐音は花織の写真を見つけて微笑んだ。
  • 翌朝乃々香が起きると、修一がオムライスを作っていた。「リクエストされた」という。
  • 乃々香は家を飛び出し天文台を目指す。ノエルへの想いを綴ったビデオで「ノエル、あなたに会いたいの!」と叫ぶ自分に、「会えるよ」と優しく声をかける。
  • 汐音、柚季、こはるは頭の中にノエルの声を聞いた。湊太も含めた4人は、花びらに導かれるようにそれぞれひまわり畑へと向かう。
  • 乃々香もひまわり畑へと足を踏み入れる。駆けて行くと、広場のような所に既に4人が集まっていた。
  • 空から汐音の帽子が風に運ばれて戻ってきた。5人の視線の先に着地した帽子。それに手を伸ばして拾ったのは、水色の髪の女の子。
  • 乃々香が「おかえり、ノエル!」と声をかけると、ノエルは振り返り「ただいま」とにっこりしながら駆け寄って来た。
  • おしまい

考察のようなもの
いよいよ最終話です。
展開自体は、大方の人にとって「まあこうなるだろうな」だったと思います。
 
再びみんなで円盤を呼ぶ→ノエルと再会


一番無難だけど温かい気持ちで満たされる、それこそ登場人物も視聴者もみんな「にっこり」で終われるハッピーエンドでした。
ストーリー以外の面に関しても、映像がとても美しかったです。特に、ひまわり畑での再会という舞台設定が良いです。街を舞う黄色い花びら、それに導かれていく5人というのも画面映えしました。
  
          まるでひまわりの花びらに誘われるかのように・・・

難点を挙げるなら、再会後にどうなったかに加えて、なぜ時間が戻ったのかという疑問に対しても説明が無かったこと。視聴者に解釈を委ねる形は、余韻を残して想像力を掻き立ててくれて、それはそれで良いのですが・・・。初見では個人的にちょっと消化不良感がありました。さすがに一定の説明はあるだろうと思っていたので。
しかしそこはセリフや描写が細部まで良く練られたこの作品。最終話をもう一度見直してみると、様々なシーンにヒントがあって、ある程度の答えが出せるようになっていました。

何度も書いていますが、この作品は「結末がどうなるか」という表面だけ見ていても楽しみ切れません。「どういうプロセスで結末に至るのか」あるいは「背後にどういうテーマがあるのか」が重要です。そして、作中に色々なヒントを見つけながら、自分なりに行間を想像してみることに面白さがあると思うのです。その観点から言って、13話は全体を通じたテーマの総まとめとして、うまく情報が散りばめられた上できれいな締めになったと思います。

作品全体を通して描かれていたのは、何があっても変わらぬもの、つまり「天文台のみんなで、ずっと仲良く一緒にいたい」という5人の想いです。それを7年前に円盤に願ったことでみんなの心をつなぐ不変の想いとなり、ノエルとの出会いも生みました。
ところが7年後、円盤のない街での5人は必ずしもその想いを実現できていない状態にあります。そんな中、乃々香は再びみんなで天文台に集まろうと提案しました。それに対し、柚季・湊太・こはるはそれぞれに、何かが欠けているような思いにとらわれていることを告白します。柚季のセリフを借りるなら「失くしたことは分かるのに、それが何だったか思い出せない」という「大切なもの」。これはもちろんノエルとの思い出を指します。が、それだけではありません。7年前の「願い」のことも指しているのです。
桟橋での汐音の言葉からそれが良くわかります。
「安心した、みんな同じだってこと。柚季も、こはるも、湊太も、私も、乃々香も。きっと、同じ想いで繋がっている。7年前のあの時からずっと。もう一度確かめないと、大切なものを。完全に、私達の中から消えてしまう前に。」
  

     ここでの汐音の言葉は、作品全体のテーマが見事に凝縮された名セリフだと思います

このように見ていくと、みんなで円盤を呼ぶということには二つの意味が重ねられているのが分かります。一つは大切な友達であるノエルとの再会を果たすため、ということ。もう一つは、7年前から変わらず今もみんなの想いが一つだと確かめる、ということ。
  
   7年前も今も5人の想いは変わらない。円盤に願うことは、それを確かめることでもあります

ちょっと抽象的な見方をするならば、ノエルは願いの実現を手助けする存在であったと同時に、5人の想いを象徴するような存在として描かれ続けていたのかもしれません。

まとまりが無い文章になってしまいましたが、
 “「願い」がみんなの心を繋ぎ、それは何があっても、ずっと変わらない”
というのが天体のメソッドのテーマだと、私は解釈しました。

時間が戻ったことについて
ループについて明確な説明がありませんでしたので、私が想像したことを書いてみます。
12話放送後に、「円盤の街」と「円盤のない街」の対比が目的であり、時間が戻ったこと自体は重要ではないと書きました。しかし、最終話まで見終えて、考えをちょっと修正したいと思います。

上でも書いたように、円盤のない街でも乃々香達の心は同じ想いで繋がっていました。これは、円盤に願いを叶えてもらわなくても、自分達だけで同じ想いを7年間持ち続けることができていたということを意味します。(乃々香や汐音がノエルのことを思い出さなかったらどうなっていたか?という疑問もありますが。そこまで考えると複雑というか、野暮な話になってくる気がするのでやめましょう)
ここで改めて円盤=ノエルの役割を考えてみると、直接的に願いを叶えることというより、願いを叶えるための手助けをすることだったと思います。つまり、最終的に願いをかなえるのは願った者自身。それができるならば、もう手助けはいらないからノエルは消えてしまう。そしてその段階にまで至れば、そもそも最初から円盤の手助けが必要なかったと確認できる。だから時間が巻き戻され、円盤の存在自体がなかったことになる。
これが願いを叶えるための一連の円盤システム(=天体のメソッド?)で、時間が戻った理由ではないでしょうか。
しかし、「また円盤呼んだじゃん」という話になります。が、それは円盤に願い事を叶えてもらうというより、呼ぶこと自体でみんなの心が繋がっているのを確認したという事で説明できると思います。そしてもう一つ、大切な友達であるノエルを再びにっこりにするためだったということです。だから、5人と再会したノエルは円盤ではなく一人の女の子として現れて、円盤はもう街に来ないのではないでしょうか。もはや円盤システムの範囲外の話ということです。
このように考えてみたら、個人的にはループをすっきりと理解することができました。
公式サイトの13話終了版ビジュアル
ノエルもいますが、湖の上空に円盤はありません

過去話数との対比シーン
最終話では、これまでのやりとりを思い起こさせるシーンがありました。

汐音「私の知っている『乃々香』っていう女の子は・・・」
11話、「みんなで天文台で流星群を見よう」と汐音を説得した時の乃々香。「○○っていう子は」という表現で柚季、湊太、こはる、そして汐音の性格を言い当てていました。それに対するお返しといった所です。相手への深い理解を示し、その後の行動を後押したというのも11話と同じでしょう。
  
 この後5人で集まった時にもみんなを後押しし、笑顔が絶えない汐音。すっかりキャラが変わって
 しまったように見えますが、こちらが本来の性格なのでしょう。


乃々香「おかえり」 ノエル「ただいま」
Cパート、ひまわり畑での再会シーンです。これ、1話のラストと立場が逆になっています。
今度は待っていたのが乃々香、戻ってきたのがノエル。
さらに深読みするなら、「願いを叶える」という立場も逆転しています。1話では「今度はノエルが願いを叶える番」とノエルが話していたのに対し、ここでは乃々香がノエルの願いを叶えてあげたとも言えます。ノエルの本当の願いは、11話で流した涙に込められた「みんなと一緒にいたい」という想い。乃々香達がもう一度円盤を呼ぶことで、それを実現することができたのです。
  

これ以外にも、柚季のプラカードが「円盤反対」→「円盤歓迎」だとか、細かく見ていくと更にたくさんあると思います。1話から見直すとより深く味わえる作りになっているなと、改めて感心する最終話でした。

その他諸々
ここからはあまり深く考えず、ノリで書いていますのであしからず・・・
汐音の麦わら帽子
これはどことなく円盤を想起させるアイテムです。円盤の代わりにノエルを連れてきたということでしょうか。だとすればやはり、上にも書いたようにあの円盤はもう出現しないような気がします。
 
  

ひまわり畑
映像として本当にきれい。円盤を呼んで5人が天文台から出てきたシーンとか、乃々香がひまわり畑に向かったシーンとか、思わず見とれてしまいました。
  
 
そして、ひまわりも円盤っぽいっちゃ円盤っぽい。
ちなみに、花言葉にも何か意味をかけてるんじゃないかと調べてみました。
「私はあなただけを見つめる」「愛慕」「崇拝」・・・微妙でした。考え過ぎたようです。

特別EDアニメーション
何これかわいいw
そして楽しいw
  
後ろをぴょこぴょこ動き回るノエルと、リアルキリゴンさんがgoodです。

ある意味、視聴者サービス
・「お兄ちゃんのバカぁ!」
 
柚季がたまにする「お兄ちゃん」呼び、破壊力抜群でございました(*´д`*)
・ノエル再登場
  
  
最後にノエルを登場させず、乃々香たちとの再会を匂わせるだけでおしまい、という演出もありだったと思います。
そこをあえて、ノエルをしっかりと画面上に出してしゃべらせたのは・・・そう、需要に応えたに違いありませんw
出てこないまま終わったら、きっとニコ生とか阿鼻叫喚だったと思うのです(^_^;)



最後に・・・
「天体のメソッド」、3か月間本当に楽しませてもらいました。とにかくストーリーが良く作り込まれているので、先の展開を予想しながら毎週ドキドキワクワクしてました。オリジナルアニメの醍醐味を余すことなく味わえた作品です。キャラもかわいい、映像もかなりの高クオリティ、アニメ史に名を残すレベルのED等々含め、何度も見直したくなってくるところです。
ついでに、これだけ本格的に北海道が聖地になったオリジナルアニメは初めてだと思うので、結構応援しながら見ているような面もありました。

ということで自分の中では「まどか☆マギカ」などと並ぶ、2010年代屈指のオリジナルアニメにランクインとなりました。しかし、他の方の感想を見ていると、単純に表面上の展開(5人が仲直り→ノエルとお別れ→再会)だけに着目して「内容薄い」というネガティブな意見も目立ちます。全然そんなこと無くて、中身が濃くて深く見れば見るほど楽しめる作りになってると思うのですが・・・。本作のように自分で良く考えながら見なきゃいけないアニメが、今の時代には流行らないのかなーと思わされる所です。
きっと円盤の売れ行きも芳しくないでしょう。しかし、今後もこういう作品が生み出され続ける事を願ってやみません。なんなら円盤さんにお願いしてもいいくらいです。

製作スタッフのみなさんには本当に感謝です。
そして2013年に設立されたばかりのStudio3Hzさん。HPによると「オリジナル作品にこだわって制作」するとのこと。次作にも大いに期待しております。


当ページの画像は著作権法第32条に基づき『天体のメソッド 第1話「円盤の街」』『同 第13話「はじまりのそらから」』および『TVアニメ「天体のメソッド」公式サイト』(http://sora-no-method.jp/)より引用しています。
画像の著作権は各権利者に帰属します。


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