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天体のメソッド 第12話「円盤のない街」

2014/12/27 22:37 投稿

コメント:2

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第12話のあらすじ
  • 中3の夏休み、乃々香は霧弥湖町へ引っ越す途中。父親の運転する車がトンネルに入った時、ついさっき流星群をみんなで見てノエルとお別れしたはずである事に気づく。トンネルを抜けた先の霧弥湖の上空に円盤は無かった。
  • しいはら本舗で降ろしてもらった乃々香。そこは温泉まんじゅうを売る普通のお土産屋。円盤の痕跡は全くない。
  • 乃々香はこはると話す。しかし、「7年ぶり」と話すこはるは円盤の事もノエルの事も覚えていなかった。
  • こはるは乃々香が帰ってきた事を湊太に話す。「みんなで円盤を呼んだけど、実際には来なかった」と二人で振り返る。
  • 柚季を見つけた乃々香は話しかけるも、やはり円盤もノエルの事も知らない様子。背負うリュックの中に入っていたのはペットボトルロケット。
  • 乃々香はバスに乗って北美市へ。汐音が住んでいるはずのマンションを訪ねるが、そこには全くの別人が住んでいた。
  • 天文台を訪ねたが、まるで7年間誰も訪れることが無かったかのように荒れ放題だった。
  • 自室でなかなか寝付けない乃々香。起き出して「このままで良い訳無い。あの時ノエルは・・・泣いてたんだから」と呟く。
  • 翌朝、学校へ行った乃々香。柚季や湊太、こはるとは別のクラスだった。汐音は小学校の頃に遠くへ引っ越してしまったという。
  • 乃々香は3人に円盤の街のこと、ノエルがいたことを必死に伝えようとする。しかし、3人は信じることができない。湊太は「これ以上話しても意味が無いんじゃないかと」言う。
  • 再び天文台を訪れた乃々香。「私しかノエルの事を覚えてないなら、私が忘れたら本当に消えてしまう」と、一人スマホのカメラに向かってノエルの事を話す。
  • 柚季、湊太、こはるはそれぞれ、何かがおかしい事に気付き始める。
  • 天文台の前で「あなたに会いたいの」「もう一度にっこり笑ってよ、ノエル!」と叫ぶ乃々香の言葉も虚しく消えていく。
  • そこに現れた汐音。乃々香が「7年ぶりかな?覚えてる?」と問いかけるのに対し、「私が覚えているのは、流星群の夜に見たあの子の涙」と伝える。
  • その言葉に思わず泣き出しそうになる乃々香に、汐音は「ノエルが大好きなのはそんな顔じゃないでしょ」と言い、乃々香はうなずいて笑顔を見せる。汐音も乃々香に笑いかけた。

考察時々感想
想定外の展開が来ました。
「円盤のない街」というサブタイトルから、円盤が去ってからの後日談的な話を想像していました。が、そうではなく「円盤が来なかったとしたら」でやり直しとは・・・。
タイムリープとか主人公だけ記憶が残ってるとかいう要素は、決して珍しいものではありません。むしろ魔法少女まどか☆マギカなどに代表されるようなポピュラーな展開で、ありきたりとすら言えます。しかし、天体のメソッドに関して言えば話が別。円盤=ノエルの存在以外はSF・ファンタジー的要素が排されて11話まで来た中でのこの展開、完全に不意打ちを食らった感じです。
個人的には好印象です。正直、11話があまりに盛り上がり過ぎて、その後に見せ場を作るのは難しいんじゃないかと思ってました。なので12話・13話は作品全体のテーマを深掘りするような抽象的な話に傾き、ストーリー的な盛り上がりに欠けたまま終わってしまうのではと心配していました。しかしそれは杞憂で、出だしから視聴者を引き込む展開は見事でした。

今話の冒頭は1話と全く同じ。7年ぶりに引っ越して来た乃々香ですが、ノエルとの別れを思い出したことで1話と展開が変わってきます。トンネルを抜けた先にあったのは1話で引っ越して来た時とは違う、円盤のない街でした。
         
              見上げた空には・・・

  
        円盤が浮かぶ(1話)             円盤はいない(12話)
      乃々香「うそ・・・みたい」           乃々香「うそ・・・」


ここで考えたいのが12話のサブタイトル「円盤のない街」について。これは1話のタイトル「円盤の街」と対になっています。そして、それこそが今話の重要なポイントだと思われます。
・円盤が来たことにどんな意味があったのか。
・5人の関係にどんな影響を与えたのか。
円盤がやって来た街と円盤が来なかった街との対比により、これらが浮き彫りになっていきます。それがある意味、12話の目的ではないでしょうか。
したがって、「なぜ時間が戻ったのか?」とか「なぜ乃々香と汐音しかノエルを覚えていないのか」とかは、実はあまり重要ではないと思うのです13話で多少なりとも説明があるはずですが)。なので、ここではループに関する考察は丸投げしてあえてせず、円盤の街円盤のない街の対比を中心に見ていきます。

分かりやすい違いはもちろん、円盤=ノエルがいるかいないか
円盤の街でしいはら本舗が円盤グッズを売りにしていたのに対し、円盤のない街では普通の温泉街のお土産屋さん街に円盤の痕跡がない事が印象付けられます。
  
   熊の彫刻は円盤を抱える(円盤の街)        普通の熊の彫刻(円盤のない街)

  
    名物は円盤まんじゅう(円盤の街)        普通の温泉まんじゅう(円盤のない街)

登場人物について言うなら、円盤の街で当初プロ市民だった円盤反対に執着していた柚季は、円盤のない街では初めから穏やかな様子。また、湊太に気軽に電話するあたり、水坂兄妹の関係はずっと良好なようです。これは円盤が現れないことで花火大会が続いているから。柚季の心に深いトラウマを残した湊太の事故が起きていないのでしょう。
  
   リュックの中身はペットボトルロケット。    気軽に湊太へ電話する柚季。兄妹の仲は良さそう
   円盤の街ない街の柚季は無邪気で明るい  
   普通の少女
 

汐音はそもそも円盤のない街住んでいません。
円盤の街で7年前に乃々香の「すぐ戻ってくるから、一緒に流星群を見よう」という言葉を伝えたのはノエル。そのノエルがいなければ汐音と乃々香の「約束」が成立しないため、汐音が街に留まることにこだわる理由がありません。父親の都合に合わせて引っ越してしまったのでしょう。
 
  汐音が住んでいるはずの部屋には見知らぬ人が

このように様々な点が異なりますが、円盤のない街での柚季・湊太・こはるは仲が良さそうであり、決して悪い状況ではないようにも見えます。しかし、ノエルとの記憶を持つ乃々香にとって、ノエルが存在しなかったかのような状況を絶対に受け入れることができません。

12話での乃々香の行動の原動力は、流星群の夜にノエルが見せた大粒の涙です。これは、願い事をする者と願いを叶える者という関係を越え、ノエル自身の「友達としてみんなと一緒にいたい」という気持ち、寂しさが溢れたもの。そんなノエルの想いが無かったことにされているのを、乃々香は「これで良いわけない」と、必死になって否定しようとするのでした。
  
  ノエルの事を思い出してもらおうと必死な   私が忘れたら本当に消えてしまう」と、泣きたい
  乃々香は、痛々しくすら見えてしまう     のをこらえて冷静に記録を残すあたり、乃々香らしい

しかし、それが上手くいかないのが円盤のない街でした。
円盤の街で乃々香が積極的な行動を出来たのは、根本的なところでみんなの心が一つになっていたからこそ。それが無いために孤独感を強めて行ったのが、円盤のない街での乃々香です。芯の強い乃々香といえども、たった一人では心が折れそうになりました。
ここで考えなければならないのは、円盤の街円盤のない街の決定的な差、つまり願いの重みの違いです。
円盤の街では、円盤がいつも見守っていて、ノエルが願いを叶えようとしてくれていました。それによって5人は知らず知らずのうちに、願いを大切にし続けることができたのでしょう。結果、紆余曲折がありつつも最後にはみんな一緒ににっこりになることができました。
一方で円盤のない街では、柚季達の仲が上手く行っているようでも、5人の心が一緒にあるわけではありません。乃々香の「みんなと一緒に、いつまでもにっこりでいられますように」という、ノエルが素敵だと言った願いも叶わない状態になってます。願ったこと自体が忘れ去られていたのでしょう。

12話の終盤では、乃々香もノエルとの記憶を疑い始めていたのかもしれません。
そんな乃々香を救ったのは汐音。ノエルを覚えていると伝えられた時の乃々香の表情からは、ノエルの形跡が消えてしまっていること、みんなと心が通じ合わないことが、どれほど辛かったのかが良く伝わってきます。
  
  
    ノエルの存在や思い出を覚えている汐音が現れ、一人で抱えていた様々な感情が一気に溢れ出す


一方、柚季・湊太・こはるの3人もそれぞれに違和感を覚え始めています。
こはるの言う「無くしたかもしれない大切なもの」が指すのは、ノエルとの思い出であり、自分の「願い」の事でもあるのではないでしょうか。

               3人とも視線を向けるのは湖の上空

このように考えていくと円盤=ノエルの存在というのは「みんな一緒にいつまでもにっこりでいる」という“
願い”の象徴でもあり、それは作品全体を貫くテーマであるように思います。円盤の不在でこれを際立たせたのが12話でした。

【最終話に向けたポイント・伏線】
・ループの原因や仕組みは?
・乃々香と汐音だけがノエルの事を思い出せたのはなぜ?
・柚季、湊太、こはるの記憶をどうやって取り戻すのか?
・ノエルとの再会は果たせるのか?
・乃々香がスマホで残したノエルの記録はどう生かされるか?

その他諸々
ノエルは本当にいるのぉ!いるのぉ!いるのぉ!
柚季・湊太・こはるにノエルの事を話すも、全く信じてもらえない乃々香。
一人になった後の切実な叫びがこのセリフなのですが・・・。
唐突なエコーに、どことなく小○方さんを思い起こさせる言葉。思わず笑ってしまったじゃないですか・・・。
 
 12話で乃々香が見せる表情は、必死さや孤独感が
 良く伝わってきてすごく感情移入できるのだけど・・・


当ページの画像は著作権法第32条に基づき『天体のメソッド第1話「円盤の街」、第6話「本当の友達」、 第12話「円盤のない街」』より引用しています。
画像の著作権は各権利者に帰属します。


コメント

かぷり
No.1 (2014/12/27 22:58)
記事投稿お疲れ様です。

12話のラストは本当にグッとくるものがありました。
11話の終盤は、ノエルが消える前のいちばん泣き処だったんでしょうが、
私は正直どのキャラクターにもどこか感情移入できていませんでした。
でも12話の冒頭からの展開と、ラストの大どんでん返し、
汐音の一言、ここで一気に持って行かれた気がします。

最終回でどうまとまるのか気になるところですが、
12話を見終わった瞬間にきっといいラストになると確信しました。

あ、小○方さんは私も思いましたw
caco (著者)
No.2 (2014/12/27 23:19)
>>かぷりさん
長文駄文を読んでいただきありがとうございます。
ラストで乃々香と汐音が笑顔になるシーンは、本当に温かい気持ちになりました。
最終回がどうなるのか予想できませんが、5人だけじゃなくてノエルも含めた6人でにっこりになって欲しいところです。
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