約8万人に1人が発症するとされる遺伝性の病気・フェニルケトン尿症(以下PKU)は、現代医学では根本的な治療法が存在しない指定難病です。食品のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸を別の栄養素に変換するための酵素が生まれつき弱く、たんぱく質をわずかな量であっても摂取すると精神発達に障害が生じてしまったり、最悪の場合死に至るケースもあります。日常生活に甚大な影響を及ぼすPKUの啓蒙活動を行うスペインのNPO・Fundación PKUは、インパクト抜群な比喩を用いたOOHを公開することで多くの人にPKUの支援を呼びかけました。
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“The Most Unfair Diet(世界で最も窮屈な食事)”というタイトルのビジュアルは、PKUと戦う人が魚や鶏肉、たまごをはじめとしたたんぱく質含有量の高い食品を身体で表現している様子が描かれています。その体勢は窮屈そうで、怯えきった表情を浮かべることでいかに日々の食事が恐怖にあふれているかをストレートに伝えています。
そんな人々が少しでも気持ちよく食事を楽しめるようにという願いで、Fundación PKUは血中たんぱく質濃度を精密に計測する機器の開発資金を集めています。発症人数が少ないために知名度も低い難病の啓蒙と同時に、一般人の理解促進を行うことで少しでも生活を楽にしようと試みた施策でした。
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