施策の意図を説明した動画は、“Ketchup to the Rescue(救世主ケチャップ)”というタイトルで公開され、Tripadvisorに集まるレビューの多くには「ひどすぎる!」「最低のレストラン!」「人類史上最低のパスタだった」といった、心無いコメントが投稿されることがわかります。
「だからこそ、いくつもの賞を獲得しているケチャップの存在が活きてくると思いました。わたしたちのケチャップを使えばどんな料理でもおいしくできることを証明するために、Tripadvisorで最低の評価をされてしまったレストランに無償提供し、卓上のわかりやすい場所に置いてもらいました」
「すると、まるで魔法のようなことが起きたのです」と画面に映し出されると、実際にCurtice Brothersのケチャップを置かせてもらったレストランの評価が少しずつ、けれども着実にTripadvisorでの評価が伸びていくことがわかります。
以前までは「ここはスルーしていいです」とレビューされていたレストランには「決して悪くはない選択肢」というコメントが付いたり、ベルリン市内にあるTraum Eckというトルコ料理店はランキングでの順位を4つ上げるなど、ケチャップ1つで多くのレストランの印象を変えることができたようです。
さらに、この施策に参加したレストランの内、最終的に廃業に追い込まれた店舗はゼロ。最低評価を得ていたにもかかわらず、Curtice Brothersのケチャップを置いて以降、事業そのものを立て直すことができた店舗もありました。
施策の経過報告として、参加レストランの周辺地域に公開された屋外広告では、コメントや評価の変遷を紹介。元々はひどいレビューが付いていた店舗に、ポジティブなコメントが徐々に集まっていくリアルな様子を描きました。
商品のおいしさや特長を直接訴求するのではなく、時間をかけて遠回しに存在感をアピールする手法は、同社の見込み顧客のネットワークを拡げつつ、高い説得力で多くの人の目に触れる機会を獲得しました。