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金沢工業大学学園祭・声優トークイベント「えりりん&あさぽんのSchool of The Halloween」(2016年10月30日・日曜日)レポート

2016/10/30 23:49 投稿

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「アイドルマスター」などで知られる、声優の中村繪里子さんと下田麻美さんのトークイベントが、2016年10月30日に石川県の金沢工業大学・5-101教室で開催された。2人の愛称から、「えりりん&あさぽんのSchool of The Halloween」と銘打たれたこのイベント。会場の教室に集まった”受講生”(300名超)を相手に、”特別講師”の中村先生と下田先生が授業を行う、というコンセプトで進められた。この記事では、約90分に渡るその授業の模様を、レポートする。

 14時。司会者である、金沢工大の総合表象文化研究会4年の学生の合図で、講義室に中村先生と下田先生が入場した。2人の代表作である「アイドルマスター」の「CHANGE!!!!」が流れる中での登場に、教室内は沸いた。あちらこちらで赤と黄色のサイリウムが振られ、「えりりん!」、「あさぽん!」などの歓声も響いていた。
 イベントのコンセプトに沿うと、この時間は「朝のホームルーム」であろうか。下田先生は、4年前にも金沢工大の学園祭に出演したことがあるということで、「同じ大学の学園祭に2回も来られるなんて。ここまでひいきにしていただいている学校は他にありません!」とあいさつした。中村先生は、今回が公私ともに初めての金沢だということで、「初めて北陸新幹線に乗った!」と嬉しそう。中村先生が、同じく声優の日笠陽子さんとともにパーソナリティを務める、「おどろき戦隊モモノキファイブ」を石川県で放送しているラジオ局、北陸放送(MRO)の電波を、「ラジコなどではなく、初めて生で聞くことができました!」と報告するなど、中村先生のラジオ好きな一面も垣間見えるあいさつだった。

 あいさつが終わると、話題は2人が今朝早起きして訪れた、兼六園の話になった。初来県である中村先生はもちろん、下田先生にとっても初めての兼六園ということで、念入りに下調べをしての観光だったという。「兼六園で朝食を食べたい」と、早朝の園内開放があることまで調べて臨んだのに、「園内で朝食を食べるには、予約が必要だったなんてっ……!!」、「予約がいっぱいで入れなかった。」と悔しそうに語り、会場の笑いを誘った。
 このほかに、2人曰く「よく分からないものがいろいろ入っている」という金沢の郷土料理、治部煮を食べた話では、受講生に「あの具は何なの?」と尋ねる場面があった。「鴨肉です!」と回答が得られると、中村先生は「あれ、トリ肉じゃなかったの!?」と驚いた様子。すかさず入った下田先生の、「鴨もトリですけどね。」というツッコミは、さすがであった。

 ホームルームもそこそこに、1時間目の授業が始まった。「トリックorトーク」と銘打たれた授業の冒頭、司会の「今からお2人には仮装をしていただきます!」という振りで、教室がどよめく。2人が抽選箱からくじを引き、その結果で仮装の内容が決まるという試みだった。
 少々トラブルはあったものの、くじの結果、中村先生は白猫の耳のカチューシャ、下田先生は黒いウサギの耳のカチューシャを装着することになった。受講生から「かわいいー!」という歓声が飛び、はにかむ2人の表情が印象的だったが、「これ、どんどん上にズレていってる感じがするー!」と、下田先生。しばらくは耐えていたものの、その妙な装着感にとうとうギブアップ。代わりにコウモリの羽のカチューシャを先生が取り付けると、受講生からは再び歓声が上がった。中村先生が「これ、最後までつけるんですか?」と司会に聞くと、「はい」という返事。「私もう、35歳なんだけどなぁ…」と苦笑いして、会場の笑いを誘った。

 仮装が終わると、「トリックor"トーク"」ということで、フリートークに移った。フリートークのテーマは2つ、「ハロウィン」と「声優」だった。以下にそれぞれの内容をまとめてレポートする。

<ハロウィン>
 中村先生が、東京の渋谷で体験したお話が中心。ニュースでも取り上げられているように、渋谷は大騒ぎだという。それとちょうど時期が重なる形で、渋谷に用があった中村先生は、たいへん怖い思いをしたとのこと。街を歩けばバイオハザード状態で、口から血を流した人がうろついているそう。「繪里子さんはそういう仮装はしないんですか?」という下田先生からの質問には、「いやだよー!怖いもん!!」と答えていた。
 「東京はいまそんな状態なので、金沢に来られてよかった」と中村先生が話すと、「金沢では仮装は見ませんでしたか?」という質問が司会から飛ぶ。すると中村先生は、「全身バナナの仮装をしている人は、この大学の学園祭で見た!ちょっとふとっちょな感じで、おいしそうだった。」と話し、会場は笑いに包まれた。

<声優>
 筆者が特に印象に残っているのが、このテーマでの先生方のお話である。これまでの笑いを交えた面白可笑しい話から一転、声優として、プロとして、どのような姿勢で役に臨んでいるか、2人のまっすぐな思いを聞くことができた。これも、学校という場ならではのことなのかもしれない。
 まず、「声優になったきっかけは?」という質問では、下田先生は「よく覚えていない、気づいたらなりたいって思っていた。」と話している。小4くらいには、明確にその思いを抱いていたそうだ。当時放送されていた、「セーラームーン」が、その思いにつながっているのかもと振り返っていた。中村先生は、「お芝居がしたい」という思いが、きっかけだったと言う。でも、「俳優とかは無理だろうなぁ」と感じていたらしい。思春期の頃には友達から「声がおもしろい」と評され、「出てきただけでおもしろいんじゃ、やっぱり俳優は向いていない。」と、その思いに拍車がかかったそうだ。しかし、声優という存在を知ったのもその時だったと話す。「子どものころは、声優が歌って踊ることになるなんて、思ってなかった!」、「少しだまされたー!」と、最後に2人は笑いあっていた。
 次の質問は、「役をするときに心がけていること」というものであった。司会から「同じ役を、いろいろな声優が取り合っている。そんな中で、どうやって自分の色を出していくのか?」という質問が投げかけられた。この質問を2人の先生は最初、いまいち理解できていないようであった。そして質問の真意が分かっていくにつれて、「○○ちゃん(ほかの声優)と比べてっていうのは、あまりないかな。」、「それよりも、なんで自分がスタッフの方々に、呼ばれたのかなぁってことを考える。」と、真剣な表情で語りはじめた。台本を読み込むときに、「自分の役のセリフより、相手のセリフを読むことのほうが多い」、「相手を思いやれる姿勢が、役者には必要」だと、中村先生は強調する。「周りを蹴落とすわけではない。」と、2人はうなずき合っていた。「厳しい競争の中では、自分の個性を出していかないと生き残れない」と考えていた司会者と、「役は与えてもらうものであり、演技は自分の個性を出すものではない」と考えていた2人の先生の、異なる考え方が化学反応を引き起こし、とても深い話を聞くことができた一幕であった。
 このテーマ最後の質問は「初めて会った時のお互いの印象」であった。下田先生が中村先生と出会ったのは、16歳の頃のことで、「なんてしゃべりが達者な人なんだ」と思ったらしい。「ここまでしゃべりが達者な新人の方は、なかなかいないって思った!」と、中村先生をべた褒めしていた。褒められた中村先生が嬉しそうに、そして照れくさそうに、「帰りの新幹線で窓際を譲ってあげるー!」と下田先生にデレる場面では、見ているこちらも心がほっこりとなった。しかし、「私、通路側派なんですけど……」という下田先生の身も蓋もない反応で、会場には笑いが起こった。一方、中村先生の下田先生に対する印象は、「なんて大人との距離感を保つのが上手い高校生なんだ!」というものだったらしい。現場のスタッフが親戚のおじさんのように、お菓子をくれたり、親切にしてくれるのに対し、ぞんざいに扱うことをせず、でも適度な距離感を保つ下田先生に感心したそう。「双子役を1人でやるエネルギーもすごいって思った」と、アイドルマスターで、双海亜美と双海真美の両方を演じる下田先生のパワフルさにも、感服したとのことだった。

 トリックorトークの後の、2時間目の授業は「描くぜハロウィン」。制限時間40秒の間に、出されたお題の絵を2人の先生が描くという、王道のコーナーだった。「40秒?!短いよぉー!」という中村先生の悲痛な叫びも流され、1題目のお題は「魔女」。軽快な音楽と会場の手拍子に急かされ、2人が描き上げた絵を簡単に紹介したい。

<中村先生>
 魔女の宅急便のキキがほうきにまたがっているイメージ。キキの前にはジジの姿も。でも、顔だけ。「ジジの亡霊!?」と下田先生。「時間があったら、ほうきに吊るしたラジオも描きたかったのぉー!」という中村先生に、「ジジじゃなくてラジオなんですか!?」と、司会と下田先生のツッコミがそろった。

<下田先生>
 「シンデレラ物語」のパレットさんがモチーフだという、たいへんにユニークな魔女の顔の絵。目がへの字で、口が何とも言えない気持ち悪さ。「絵は上手いよね」、「でもシンデレラ感もパレットさん感も全くないよ!?」と中村先生。「本物のパレットさんはすごい美人ですよ!」と、下田先生は「シンデレラ物語」世代ではない受講生たちに注釈を加えていた。

 さて、続いては2題目と行きたいところではあるが、時間の都合で残念ながらカット。このコーナーは下田先生の衝撃作で幕を下ろした。

 3時間目は「魂はその声から」。いわゆるアフレココーナーである。このコーナーでは、主催者が用意した「お姉ちゃん日記」、「吸血鬼の苦悩」、「食べられないハム」の3つの物語のアフレコを、2人の先生が生で行った。それぞれに、ストーリーやキャラクターの方向性が異なる作品で、先生たちの様々な演技を目の当たりにすることができた。「お姉ちゃん日記」での、中村先生の早口でまくし立てるような長ーいセリフの演技と緩急の使い分け、下田先生のある時は少年、ある時はメイド、ある時は女子高生と広すぎる演技の幅に、受講生たちは終始圧巻されていた。

 4時間目は「言ってもらいたい!あんな言葉こんな言葉」。授業名を聞いた2人は、「これは、私たちが皆さんに言ってもらえるってこと?!」とイジワルに笑っていたが、当然そうではない。事前に募集した、2人に言ってもらいたいセリフを実際に言ってもらう、これも定番のコーナーである。セリフを一字一句書くことは叶わないが、シチュエーションは以下の3つであった。

<後輩に慰めてもらった先輩:「どうしてそんなに優しいの?好きになっちゃうよ…」>
 CV:中村先生。照れくさそうに、少し小悪魔的に、「好きになっちゃうよ……」と言う先輩に、心を射抜かれる受講生は多かっただろう。

<家賃の催促をするセクシーな大家さん:「早く払ってもらっていいかしら。じゃないと弁護士にー―」>
 CV:下田先生。リクエスト者のペンネームが「キング」だったことにピクりときたPは私だけではないはず。演技が素晴らしかったのは言うまでもなく、その後のトークも印象深い。「家賃は引き落としにしておかないと!私のガス代みたいになっちゃうよ!!」。

<下田先生:「お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ」
 中村先生:「お菓子がないならパンを食べればいいじゃない」>
 中村先生に対する、「マリーアントワネット風に。」というディレクション付きの投稿。「歴史上の人物風にって、正解がないじゃんか!どうしろっていうのー!」と中村先生。とても個性的なマリーアントワネットでした。

 4時間目が終わり、5時間目「教えて!中村先生!下田先生!」。事前に寄せられたお悩みや質問に対し、2人がアドバイスをしていくというコーナーだった。冒頭、「新幹線に4時間乗ると節々がヤバいの!」「かさぶたが無くならずシミになっちゃうの!」と、自らをネタに悩みを披露し始めた2人の先生に、会場はたじたじだった。寄せられたお悩み・質問と2人の回答は以下のとおりである。

<Q:意中の相手を落とす必殺テクニック、”あれば”教えてください>
 A:「それを知ってたらもう結婚してるよー!」と2人。「”あれば”ってことは、なかったらアドバイスしなくてもいいんじゃないかな?」と中村先生が開き直る。その後は、「学校の校門の塀の隙間に挟まって、待ち伏せして、あとをついていく」、「サークル活動中にガンダムを作る」、「ちょっとお尻を出してみる」など、とてもためになるアドバイスをしてくれた。

<Q:声優という仕事はハードですが、2人の自己管理法を教えてください>
 A:「指にササクレができたり、舌の色がいつもと違うと、翌日調子が悪くなることが多い。だから、常にチェックして、気づいたらビタミン多めの食事を採ったり、サプリを飲んだり。これをやり始めてから、体調が崩れることが少なくなった。」と下田先生。中村先生は、「食欲が異常に湧いてくると危険。あと、食べてる夢、さらにそれを味わうような夢を見ると風邪をひく!胃から何かしらの信号が脳に行ってるんじゃないかな。」と、「中村家秘伝」の知識を教えてくれた。さらに「うちを出る前に”シモダ”のスイッチを入れていく!」とも。”シモダ”というのは、中村先生の家のお掃除ロボットのことだという。元々はアイドルマスターの打ち上げでの景品で、下田先生が中村先生の代わりに引き当ててくれたから、”シモダ”と名付けたそうだ。「たまに”シモダ”がベッドの下で力尽きてるの。その時はごめんねシモダーって。」と語る中村先生に、下田先生は何とも言えない表情を浮かべていた。

<Q:来月、某女性声優さんのバスツアーに1人で参加するのですが、周りになじめるか不安です。打ち解けること間違いなしの一発ギャグを教えてください>
 A:「この、某女性声優さんっていうのは―ー?」と中村先生。「私ですね!」と下田先生。質問への回答は後に回し、下田先生はまず、バスツアーに向けた思いを話してくれた。「質問者さんみたいに、1人でも来てくれるっていう人が結構いらっしゃって。それって結構勇気がいることだと思うんですけど、それでも来てくれるっていうのがうれしい。そういった人たちが、寂しくないように、私も全力でフォローしたいです!」
 下田先生の熱意と思いやり、ファンへの感謝が伝わるトークの後、本題へ。「こ、こういうことは、私はトークの達者な先輩たちにもまれて育ってきたところがあるので、繪里子さんのほうがー―」と、まずは下田先生が中村先生になすりつけるものの、最終的には下田先生に回答権が戻ってきてしまう。なすりつけ返しに成功した中村先生は、とてもうれしそうにガッツポーズをしていた(その印象が強すぎて、どのようにしてなすりつけ返したかを忘れてしまったことをお詫びしたい)。しかし結局、一発ギャグの回答を今日聞くことはできなかった。この回答は、バスツアーでのお楽しみだということなので、ツアー参加者のレポートを待ちたい。「素敵なお土産も用意しているので、楽しみにしていてください!」とのことだった。

 5時間目が終わり、最後の授業。ここでは○×クイズとジャンケンが行われ、最終的に5人の受講生に、2人のサイン色紙が贈られた。コーナーの最初には会場全員が立ち上がる場面もあり、その流れから「ウェーブをしよう!」と2人が発案した。立ち上がった受講生を全員座りなおさせ、そこからウェーブをさせるという流れは、広いドームでの光景をほうふつとさせた。

 そして帰りのホームルーム。BGMは「THE IDOLM@STER」。通称「歌マス」と呼ばれる、アイドルマスター原点の曲、主題歌である。「最近、この曲をバックに、歌わずに話すことなんてなかったから、本当にしゃべってていいのかなーって思っちゃうよぉー!」と、中村先生は戸惑いながら、お別れのあいさつ。下田先生からは「また会いましょうー!」と前向きなお話。そしてBGMが”アイマス曲”なこともあり、「アイドルマスターも、来年の1月にはプロデューサーミーティングがあります!まだまだ続いていきますから、楽しみにしていてくださいね!!」と、Pにはうれしい呼びかけが、2人の先生…いやアイドルから贈られた。
 そして、THE IDOLM@STERの音楽と、どこからともなく聞こえてきたコール、チラホラ光るサイリウムに見送られ、2人は会場を後にした。

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 以上、本日参加させていただいた、「えりりん&あさぽんのSchool of The Halloween」のリポートでした。拙文にお付き合いいただきありがとうございます。
 なお、本記事の内容は、イベント中に筆者が走り書いたメモが基になっています。注意はしたつもりですが、一部にニュアンスの違いや誤りがあるかと思われます。ご了承ください。
 最後に、楽しいひと時をくださった、中村さんと下田さん、金沢工業大学の総合表象文化研究会のみなさまに感謝を込めて。ありがとうございました。

文責:バターP

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