こういうのは比べるモンではないのですが、敢えてがっつり比べてみようと思いますが、ワタシは坪口昌恭は世界一のピアニスト/キーボーディストだと思っているのですが、とにかく坪口は何でも出来る。ピアノもバップからモダンポリリズムまで自由自在ですし、キーボードのグルーヴもハンパないし、ワタシがやりたい事を総てテレパシーの様に理解してくれるし、打ち込みもハンパないです。
 
 おまけに芸術の話が出来、音楽理論の話しが出来、本当に豊かである。普通、こんなに出来る人は器用貧乏みたいになるんだけれども、まったくならない。彼の家は、実家も含めて20年以上前から総て(引っ越す度に)遊びに行っていますが、もう、部屋全体が楽器の様に成っている。本物の音楽家です。
 
 そして今日、大西順子さんとピットインでのライブのリハをしました。大西さんにはピアノしか無い。アコースティックピアノ一本槍なのです(ローズとかも持ってたけど)。カッコいい。総合格闘家ではなくてボクサーに似ている。アルバムをプロデュースすると決めてから、何度か生でピアノの演奏を聴きましたが、目の前でやられると、余りに物凄いので、勘違いして、女性として好きになってしまうのではないかと思うほど、頭がクラクラします。あんなに楽器が弾けるというのは、ちょっと恐ろしい事でもある。大西さんが弾き始めると空間が光り出すのです。
 
 鈴木、類家といった、つきあいの長い、そして今や日本を代表する中堅以上のプレーヤーである彼等も、リハの間はクールにしていましたが(というか、2人とも日本人独特のシャイネスがハンパないんで)、終わって大西さんが帰った後、ワタシが「やっぱ、、、上手いね(笑)」と、こう、ニュアンスが上手く伝えられないんですが、呆れた様な、苦笑すら浮かべている様な感じで言うと、鈴木君は「いやあ、もう、凄いですよ」と言い、類家君は黙って頭を振っていました(「もう、無理ですよ」的なニュアンスで)。
 
 そんな大西順子さんですが、現在着々と準備中の復帰第一作の前に、既に別のレコーディングセッションを終えています。
 
 それが「機動戦士ガンダム サンダーボルト」というアニメのOSTなんですね。

 既に情報公開があり、トレーラーが複数アップされている様なのですが、あの中で聴こえるアコースティックピアノは、総て大西順子さんの演奏ですし、そして言うまでもなく録音されたトラックは、まだまだ未使用のまま、第二話以降を待っています(4話だけなんですけどね)。
  
 ワタシのご贔屓筋であらば、ワタシがジャパンクール全般に疎い事は御存知でしょう。ジャパンクールは、何かとても素晴らしそうだな、とは思いますが、まあ、こっちはこっちでやる事があると(テレビ観るとか、DVD観るとか、本読むとか、ビーバップの練習とか、ラップの練習とか、それらをポリリズムをかけてやる練習とか、伊勢丹行くとか、料理店いくとか、、、、って、何回数えてもこんだけしかないんですが・笑)。
 
 いつもギャグの様にして言っている「自分の中で、アニメは<ど根性ガエル>で終わっている。よ~しこせんせーい!」は、ブラフでもオトボケでもありません。ガチなのです。
 
 あれこそ徒花というのでしょうが、偶然テレビでカチあった「ヱヴァンゲリヲン」の一番最初の奴?を数回見て、「へえー最近のアニメって面白いなあ」と思ったのですが、やっぱ続きませんでした(特に嫌だったとか失望したとか。とかではなく)。
 
 漫画は、ガキの頃は「少年ジャンプ」を読みながら歩いてる二宮尊徳みたいなガキでしたが、そうですなあ?中、、、、学かな?入学して卒業しましたね。去年「耳かき仕事人サミュエル」というのを何十年かぶりで読みましたが、それ以降一冊も読んでいません。後はこれまた徒花的に、82年ぐらいから1~2年だけ「ガロ」を読んでました。「ガロ」は漫画より呉智英のエッセイとか、そういうのが読みたかったんで、漫画を読んでる感じではなかったです。
 
 あと、何がある?ゲームか。ゲームも一時期はスタジオでレコーディング中に居眠りしてしまうほどやりましたが(太陽の石を捜しすぎて)、しかしスーパーファミコンが出たばかりの時のマリオ3までと、あとは1人でラブホテルに行く時(「ええ?!1人でラブホテルに行けるの??!」というビギナーの方は、まあその、、、、ワタシの書いた本読んだりすると出て来ますが、まあ、読む必要ないです)備品で置いてあったWiiの、ゲームではなくて、似顔絵を作るのにハマったのが最後です。あれとてもう数年前だなあ。UAがそっくりに出来て、写真撮ってサイトに載せた記憶があります。
 
 アイドルさんたちは、仕事柄、一応、、、、、聴く、、、、、は聴きますね。という程度で、ごめんなさい正直に言うと、その80%以上はユーチューブですらなく、テレビで聴きます(夜中にやってんの。ただアイドルのPVだけが延々と流れる番組とか)。ですから、「何が起こっているか」というのは、ざっくり見当がつきますが、何というチームの何という人が好きか?とかいった事はないですね。ワタシの最後のリアルアイドルは後藤真希さんです。今でも写真集を見つめて、自らを慰めたりしています。フランコ・ベラルディのイタリア左翼運動史などを読んだ後に。
  
 とはいえ、この国に住んでいて、ガラケーが壊れたんでガラケーに機種変するような(最近・笑)、そして、ネットもユーチューブ以外やらず、といった人間でも「ルパン三世」と「機動戦士ガンダム」の音楽を(どっちもグルングルンにスピンオフ作品ですが・笑)担当させて頂いている訳で、もう、何と言うか、気分は国家事業に参加。ですね。国からの発注(笑)。
 
 (挿話ですが、一応念のため。ジャパンクールだけをなおざりにしている訳ではありません。ワタシは――東京スポーツ以外――新聞を一切読みませんし、ラジオも一切聞きません。サッカーも見ません。国文学の新しいのは金原ひとみさんと中原昌也さんしか読みません。何も知らん新宿区民です)
 
 そんな、頭の中は基本的に次のライブの事と、来週のラジオの事と、今夜の飯と酒の事、あとフェチ持ちなんで、フェティシスト活動を少々。しか考えていない様なワタシでさえ、テレビと雑誌を見て生きていれば、我が国の文化的な趨勢は、文字通り国の空気として伝わって来ますし(「ガールズ&パンツァー」という、物凄い作品にテレビでカチあってしまい、しばらく呆然としていました。ああいうものがあるんですね。なんかもう、とにかく「しばらく呆然としていた」としか言いようがありません)、「ジャパンクール」は、まあよくある話しで、「昔からあったけど、名前がついた物件」ですよね、でも、ワタシが知る限り、スシ、キモノ、タバコ、フトン、ビーフボール、電化製品、日本車、イチロー、等々とは規模が違う、というか、そもそも意味が違うと思っています。
 
 と、勿論ジャパンクール論が書きたい訳ではなく(てか書けませんからね。対象を知らないんだから。今はリズムの本に取りかからないと行けない。という状況です。著述家としては)、何をお伝えしたいかというと、ある日、「ああ、今夜あの店11時で閉まる日かあ、どうしようかどうしようか」とかガチマジに悩んでいると、突然、「あのう菊地さん。ガンダムの音楽のオファーが来ました」と言われる訳ですね。
 
 その時のワタシの第一反応は「え?」というものですが、第二反応は「ああそうだな、ジャズが使われる必然があるんだろうな」というもので、