僕は心ならずの「りくりゅうペア」の璃来と住んでいる。ほんのいっときは熱烈な相互転移があったような記憶もあるが、もう互いにその時の感覚は忘れきっている。彼女はほぼ毎日、僕を恨みがましい上目遣いで見ているだけで、1日中、何もしない。じっとりした深い後悔と、ドス黒い不快感が、無力で稼ぎもない僕の中で生ゴミのように腐食を進行させている愛の巣。
僕はアパートの外に出て、外を歩く。心ならずも、という感覚は、ここに引っ越して住んでいることも含まれる。そこはおそらく璃来が決めた部屋で、私鉄沿線の、駅から歩いて3分ほどの、いわゆる駅前物件だが、僕と彼女が住んでいるこの世界は、コンビニは駅前のローソンしかなく、ファミレスや、あらゆる煌びやかで嘘くさい、都会っぽいガジェットが一つもない、冷たく、硬く、非インターネット的で、最新のメディアがVHSであるような世界で、街灯が白かった頃の東京の私鉄沿線の空間だ
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