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第三章 第十八話 「最終話」 2/3

2014/03/29 19:00 投稿

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「最終話」2/3

「でかミク! テレビテレビ、ニュース見て見て見て!
 今、氷先生と!
 る、流川先生の名前が!
 う、うちの学校が、きょ、教頭が、出てる!!」



「え?!」

ちびミクと急いでリビングに駆け込み、
ドラマを見ていたおばあちゃんに言った。

おばあちゃん、ごめんね、ニュースにしていい?」

「まあ、慌ててどうしたの?」

チャンネルを変えると、そこには教頭先生が謝罪している姿が!



せいたかさんに聞いた話のとおり……。
静雅女子高等学校の、知られざる不祥事が
『氷の貴公子』によって白日の下に晒されていたのだ。

彼は朝早くに、流川先生を連れて
まだ誰も来ていない学校に辞表を出し、
そこから出勤前の校長に連絡をしたらしい。
その後、
せいたかさんを見舞い、その足で教育委員会に行ったのだ。
校長先生が朝からいなかったのは
何とか彼を思いとどまらせようと、動き回っていたからだろう。



彼は教育委員会に、
彼と流川先生が教員免許を持っていないのに
教師としてこの四月から静雅女子高等学校に勤めていたこと、
そして、
学校もその事実を知りながら彼らを雇っていたことを告白した。
特に『氷の貴公子』は予備校で驚異的な高い実績を上げていた。
予備校講師は教員免許を必要とはしない。
だけど、その大手予備校と癒着して、
強引な学校経営にあたっていた理事会や校長などの学校幹部は、
そこには目をつぶっていたらしい。
いざとなれば、明るみにでないうちに彼らだけ
トカゲの尻尾のように切ればいい。
……そう考えていたに違いない。
だけど、その『氷の貴公子』自らが教育委員会に告白するなんて、
学校幹部は思ってもいなかったのだ。

そして『氷の貴公子』は、
自分自身の不正を公にしただけではなかった。

理事長、校長ら学校幹部と、予備校経営者の間に
金銭的な裏取引があったことや、
県からの私立高校助成金を不正に授受し、
私的に流用していたことなどを
告発したのだった。
警察がすぐに動いたのは、彼らの間に立って連絡役をしたり、
そうした場に同席したこともある流川先生の証言が
決定打になったらしい。



『県警は理事長、学校長、及び予備校経営者ら数名の身柄を
 背任容疑で拘束しました。
 使途不明金、不正な助成費請求等について県教育委員会が、
 詳しい調査に移るということです。
 以上、現場からでした。』


と、アナウンサーが締めくくった。



ニュース自体は、数分で、とても小さな扱いだった。
連日の東京オリンピック開催決定の大きなニュースに、
さっと、かき消されていってしまった。

胸がざわつく。

すると間もなく、連絡網が回ってきた。
明日は本来、文化祭の振り替え休日なのだけど
この問題について、学校から生徒に説明するのだといって
臨時登校となったのだ。

おばあちゃんも、アプリを使って
隣で既に同窓会の方と連絡を取りだしていた。

「ミク。気持ちをしっかりと持つのよ。これからが大変よ!」

「はい!」




*************************

翌朝。
校門を通っていく私達生徒の表情は、みんな固かった。
テレビの記者が、カメラやマイクを構え、
私達にインタビューしようと待ち構えていた。
校門で登校指導をする先生が、彼らをなんとか押し止め
私達はその中をかいくぐるようにして生徒玄関に向かった。

まるで私達みんなが、悪いことをしたみたいで胸が苦しくなった。

今日はちびミクには一日、胸ポケットにいてもらうほうが
良さそうね。



朝から皆、落ち着かなかった。
昨日文化祭が終わったばかりだというのに
学校がどうなっちゃうのかわからなくて、不安になってるんだ。

そのまま、私はみらいと職員室へ行った。
担任の先生も、いつもと違って穏やかならぬ様子だった。

「もう知ってると思うが彼は辞めたよ。流川先生もだ。
 昨日、校長がいないと思ったら、
 こんなことになっていたとはね。
 彼ともっと早く、分かり合えていたら……。
 
それにしても
 君達生徒は全然悪くないのに、本当に申し訳ない。」

「学校は、どうなってしまうんですか?」

「失った信頼は大きいが、
 残った我々で、立て直していくしかない。
 ああ、日直でもないのにすまないが、
 これから先生達が会議をした後、全校集会になるから、
 クラスの皆には放送が入るまで、教室で待ってるように
 言っておいてくれないかい?」

「はい。」



教室に向かう途中で、ナナに会った。
今朝はもう松葉杖を使わず、
足を引きずるようにして歩いているけど……。
流石に今日は遅刻なんてしていないばかりか
……ナナは制服を着ていた。

「おはよう、ナナ。足もそうだけど、制服……。」

「あ、おはよ! でかミク! みらい!
 松葉杖なんてね、飾りよ、飾り。
 昨日、せいたか先生から予め聞いてて良かったよ。
 しょげてなんていられないよ!



 私、気合入れていくんだ。
 服装もそうだけど、遅刻なんてしてたら、
 せっかく入部してくれた一年生にシメシがつかないからね!
 それに私一人の行動で『あの学校の生徒はやっぱり』なんて
 世間から思われたんじゃ、私たちを支えてくれた
 他のクラブの子達に顔向けできないモンね!」

「そうだね!」

「うん、私達から、しっかりしないとね!」

流石、ナナだな。
私もみらいも、お陰でピンと背筋が伸びた気がした。



****************************

全校集会は、皆落ち着かず、いつもよりザワザワした。
誰もが不安なのがわかった。

ステージに上がった教頭先生が、
私達生徒にいきなり深々と頭を下げた。
余計、動揺が走った。




教頭先生の説明によると、しばらくの間は、
問題には関わっていなかった教頭先生が代表を務めるけど
教育委員会の指導も受けながら
学校長は新たに外部の人を迎えるらしい。
理事会は総辞職で、
やはり構成員を同窓会とも諮りながら再編するんだとか……。



でも、そんな形ばかりのことでいいのかな?
何かしなきゃ、何も変わらない。
どうしたら……。
教頭先生のお話が終わっても
同じように皆、不安は残ったままなので
また少しざわざわし始めた、その時だった。

「よろしいでしょうか?」

生徒会長の浦野さんの、澄んだ声が体育館に響いた。



ざわめいていた体育館が、しん、と静かになった。

「あ、ああ、いいよ。壇上に上がって。マイクで。」

教頭先生が答えたけど、浦野さんは穏やかに断った。

「では、前には出ますが……マイクは結構です。
 ありがとうございます。」

浦野さんが列から出て前に進んでいった。

「皆さん、おはようございます。浦野です。」

挨拶から始める丁寧な浦野さんだった。
すると、声があちこちから上がった。

「浦野さん、ステージに上がって!」

「そう、そう! 顔見せて!」

「高い所からなんて前置き、いらないんだからね!」

「……はい。わかりました。」

浦野さんが壇上に上がった。皆の視線が集まる。



「あらためて、皆さん、おはようございます。浦野です。
 文化祭では皆さん、お疲れ様でした。
 まだその余韻も残っているのに、
 三年生は、これから受験に向けて忙しくなっていくというのに、
 なんだか、とんでもないことになっちゃってますね。
 私もびっくりしています。
 今回の件で、学校を去られた先生方もいると伺っています。
 背任容疑、だなんて犯罪を犯していた人もいます。
 私達に、関係ないじゃないって気もしちゃいますよね。」

いつもと違って浦野さんの声は、少し、震えていた。

 
「昨日の新聞には静雅女子高校の文化祭が取り上げられ、
 静雅女子高校っていい学校だねって、
 お客さんに感じていただけた言葉も載っていました。
 それが一転、今日は校門で待ち構えてるテレビなどからは
 『とんでもない学校』扱いです。
 


 私、ゆうべは泣いてしまいました。
 でも今朝、登校途中に通りかかかる保育園の前で
 保育士さんや保護者のお母さんから
 『頑張ってね。くじけないでね。』って励まされました。
 園児も口々に、『また遊んでね、楽しかったよ。』って。
 笑顔で言ってくれました。
 そんなふうに応援して下さる方も大勢いるんだって思えたら、
 嬉しくなりました。
 
 ここで私達が、ふさぎこんでいたら……ダメですよね。

 そこで提案ですが、私達が出来ることで、
 まず私達がもう一度、この学校に来て良かった、
 と思えるようにしていきませんか?」

浦野さんは、涙を堪えて話しているようだった。



私は浦野さんの発言に、強く頷いた。
すると、いきなり浦野さんに向けて厳しい声がした。

「会長! それだけのこと言うからには
 当然なにか、考えはあるんでしょうね?」


……えっちゃんだった。



「え?
 ……はい。
 先生方もどうか一緒にお考えください。

 まずは、先生方へのお願いです。

 理事会とか、校長先生が変わるとか、
 そういう私達にピンと来ないことだけじゃなく……。
 今まで静雅女子高校は、どこが間違っていたのか、
 どうして今回の問題が起きてしまったのか、
 原因をまず、ハッキリさせてください。
 そして、そこから静雅女子高校をどうしていくか
 話し合っていく場を設けられないでしょうか?
 そこでは私達、生徒の意見も、
 学校を応援して下さるご近所の方のご意見も、
 反映できるような形で、これからのことを
 話し合っていけるようにしてもらえないでしょうか。
 あくまで
 『私達がまた自信をもっていける学校にしていく』、
 という目的のために。
 そんな会議の場を設けて頂けないでしょうか?
 
 そして私も含め、生徒の皆さんへも意見します。
 学校への要望は我侭であってはいけません。
 もちろん私達も、やるべきことはやる。
 守るべきルールは守る責任があると思います。

 どうでしょう?
 みなさん、私の提案は以上ですが、如何でしょうか?」



「賛成!」

私は思わず声を出していた。
私達の声を反映させる……とても素敵な考えだった。
意見を出すからには、責任も伴う……その緊張感に身も引き締まった。

何かしなければ!
そう思っていたけど、実際にどう動けばいいの?って
そんな戸惑いもあったけど、
浦野さんは具体的に考えていたんだ。

そしてえっちゃんも、そんな浦野さんの気持ちを知ってて
あんなふうにキツイ言い方だけど、
浦野さんの背中を押したのに違いない。



沸き立つ拍手の中で、
三年生からも、賛同の声が沢山上がった。
あ、書道部の先輩たちかな。

「三年生も、代表をその会議に参加させてよね!
 まだ半年、この学校の生徒だし。

 卒業した後だって、胸を張って母校の名前を口にしたいもの!」



他の生徒からもそんな声がいくつも上がるだけでなく、
私の担任の先生も、拍手をしていた。
そんな先生が何人も、何人もいた。

学校が、今、変わろうとしている。
『氷の貴公子』は、そのきっかけを残してくれた。

体育館に入った時は気が重かったのに、
今、浦野さんの呼びかけをきっかけに
皆が何かしなきゃ、という気持ちになっていた。






                        つづく

****************************


【 出 演 】 

 [オリジナルキャラクター:『初音ミク』『KAITO』
              (c)Crypton Future Media Inc,]

 ミク・ロンドライン
  (RLmiku ver.1.240改変モデル→オリジナルモデル:ろんどらいん様)

 ぐーちゃん(ごうりき七葉)
 (七葉1052式(仮)G型 ver.1.10改変モデル→オリジナルモデル:gouriki様)

 
 多田さん(多田みらい)

 (Tda式ミク・オリジナルモデル:Tda氏
  Tda式改変ミクJKStyle改変モデル モデル制作:YaMa*(山本)様)

 ちっちゃいミク
  (DIVA風ミクver1.05改ちび:ままま様  DIVAオリジナル: (c)SEGA )

 おばあちゃん
  (律子_割烹着 改変モデル フォトショップによる衣装の色変更
    →『メイド服リッチャン』改造モデル:ガンプラP様
    →秋月律子_衣装・オレシュミセーラー:S2K3様)


 生徒会長:浦野さん 
  (ula式初音ミク改変モデル→オリジナルモデル:ula様)

 運営委員長:えっちゃん
 (初音ミクXS改変モデル→オリジナルモデル:mqdl様)

 三年生 *改変してお借りしています。
 (初音ミク@七葉1052式:三次元CG@七葉1052氏
               2439氏
               ARミクの人(cs7008)

  初音ミク1052Mid v1.00PonnyTail:Toriten様
  初音ミク1052C-Re Ver.1.8a:箔鳥居様)

 担任の先生・教頭・校長・理事長・予備校関係者
 (モブ親父セットより:モノゾフ様→ベースモデル:mato様)

 氷の貴公子
  (KAITO_ruto_vest_G改変モデル→オリジナルモデル:ruto(ると)様)

 流川(るかわ)先生
 (とる式巡音ルカ ver1.5.14:とる様)

 レポーター
 (YM式氷山キヨテルver1.4:YM様)

 テレビカメラマン
 (学ラン君半袖v0.8a改変モデル→オリジナルモデルmato様)

 生徒
  (ブレザーさんv0.9&ブレザーさん改変モデル:mato様)


  
 
 

【舞台・アクセサリー】

 ミク家セットVer1_03a:お遊戯様

 カーテン:ログ太様

 机:わにあういる様

 リビング(角部屋)Ver.2.0:ろっし/ビリヤードP様

 デザインカプチーノ:エレクトリカ様

 
 MPhone:マシシ様

 公開用鎮守府内装v1.1:銀匙P様

 ド●ペリセット:ぱぴこ様

 ドリンクセットA:水城様

 山崎:アダルトP様

 署長室セットver.1.0 :モノゾフ様

 黒鞄:制作者不明

 ワイヤレスのダイナミックマイク(改良版)
              4種バージョン1.0:ましまし様

 誠凛高校風体育館ステージ Ver1.0(仮):九零様

 演題:とんぬら様




 
【使用ソフト】

 MMD:樋口M様

 MME:舞力介入P様

 PMXエディタ:極北P様

 Adobe Photoshop CC


***************************

コメント

せいたか (著者)
No.10 (2014/03/30 00:32)
>>6
papaGTさん、コメありがとうございます。
わざわざ読み返していただいて恐縮です。でも嬉しい。
端々に後半になってきて「そういうことだったのか」とわかるような言い回しがあったりするので
ソレを見つけてもらえたら光栄の至りです。
流氷ペア、その後を気にかけて頂ける方々が現れて下さるまでに、
氷さんと流川先生の二人が成長?変化?してくれて安堵しています。
憎まれすぎちゃって、一時はどうなることかと(笑)
人は過ちを犯しますが、ソレをどう受け止め、どう超えて行こうとするか……なのかなって思います。
なんらかの形で、描くかも知れないです。彼らのその後は。
癖のある二人は私は好きなので。

次回もよろしくお願いします。
kazu2
No.11 (2014/03/30 13:30)
前回に続き感想を書きたいと思います。

静雅女子高校の理事会、かなり悪どいことをやってたんですね。
そうせざるを得なかったという事情もあるのかも、知れませんがさすがに・・・
何気に思ったのは、流川先生も引き抜き組ってことは、
あれでも、生徒に教えるのは上手かったってことなのか・・・

ぐーちゃんの制服姿は新鮮でした。
まず、自分たちに出来ることからやっていこうという現れなのかなと思いました。

浦野さんの演説聞いて思ったのは、
自分たちの母校をこれだけ、何とかしたい、誇りに思いたいという生徒が今どれだけいるのかなと思いました。
いわば、これからは上(理事会など)ではなく、下(生徒達自身が中心)で改革していこうということですね。
きっといい方向に変わっていってくれると思います。

ここまでの話を読んで来て、せいたかさんとちびミクさんは
濁りかけていた静雅女子高校という池に投げ込まれた小石... 全文表示
せいたか (著者)
No.12 (2014/03/31 00:50)
>>11
kazu2さん、前回に続けてコメありがとうございます。
>何気に思ったのは、流川先生も引き抜き組ってことは、
 あれでも、生徒に教えるのは上手かったってことなのか・・・
うん……実際、突っ込まれるとこですよねぇ(笑)
予備校から引き抜かれてきた講師は、流氷ペア入れて5人くらいのつもりで前にカット作ってますが……。
流川先生は、最初の構想では汚職に関与した、くらいに設定してましたが、そこまで悪人に仕立て上げきれず
社会的には信頼失う(これだって大きな問題ですが)無免許のみに変えちゃってます。

ぐーちゃんの制服は新鮮ですよね。制服自体はRLさんのものなのですが。
上は制服なんだけど、怪我の関係で足は素足、ってところがかなりイイです。
全てをお見せしてませんが(笑)

浦野... 全文表示
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