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第三章 第十七話 「フィナーレ」③

2014/03/14 19:00 投稿

コメント:16

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「フィナーレ」③

 ~でかミク・①~

せいたかさんと旧校舎の中央階段を三階へ駆け上がった。
すると、ちょうどそこに書道教室の方からナナが走ってきた!
ああ、良かった。
ちびミクがその肩に乗っている!

でも、すぐ後ろにはあの人が迫って、
……ナナの襟を掴んでしまった!
必死に抵抗しながら、ナナはちびミクをかばっている。

「ぐッ! 痛いじゃないのッ!」

「ごうりき君! 頼む! その手のその『小人』を!」

「きゃあ~!」




「ナナッ!」 「ぐーちゃん!」

「あ、でかミク! せいたか先生! パス!」

私達を見つけたナナが、ちびミクを放り投げた。

「せいたかさん!」

「ちびミク!」

ちびミクがまっすぐこっちに飛んでくる!



ナナはちびミクを投げた直後、後方に振り飛ばされ、
その勢いのまま、床に体を叩きつけられていた。

そしてせいたかさんが
空中のちびミクを受け止めようと両手を上げた、
その時だ。

突進してきたあの人が、無防備になったせいたかさんに、
タックルするように抱きついた。

「頼む!
 その子と話をさせてくれ!
 話だけでいいんだ!」

「やめなさいよッ!!」

私はせいたかさんにしがみつく彼を引き剥がそうと
爪を立てて彼の腕に掴みかかった。
だけど彼はひるむ様子が全くない。
せいたかさんは、ちびミクに触れさせないように
更に高く両手を上げて、彼に向かって叫んだ。

「待て! 落ち着け! 」



「頼む! お願いだ!」

「ああッ!」

……一瞬、何が起きたかわからなかった。
次の瞬間、
せいたかさんの掌にいたはずのちびミクが、
何故か宙に浮いていた。
周りの光景が、色を失くしたスローモーションのように、
ゆっくりと流れていく。



違う!
私とせいたかさんは、階段を……落ちているんだ。



ちびミクは……あの人の掌に受け止められてしまった。

私は空中でせいたかさんに引き寄せられた。
そしてせいたかさんは私を上にして……
そのまま落ちていったのだ。



「きゃ~ッ!!」

誰か、女の人の悲鳴が聞こえた。

「せいたかさんッ!」

これは、ちびミクの叫び声……。
そして彼が、力なく、わめく声が聞こえる。

「そ、そんな、そんな。
 私はこの子と、話をしたかっただけなんだ!」



「せいたか先生! でかミク! 大丈夫?」

階段の上から、ナナの声だけが聞こえた。
はっとして、次の瞬間、私は慌てた。

「せいたかさん! ごめんなさい!」



すぐにせいたかさんの上からおりると
私はせいたかさんの体を確かめ、ナナに向かって叫んだ。

「私は大丈夫!
 それより、せいたかさんが!

 せいたかさん、怪我……頭から血が!」

せいたかさん!
私の胸はぎゅーッと締め付けられるように苦しくなった。



「違う! 私じゃ、私のせいじゃない!」

階段の上の彼は、
目を泳がせながらせいたかさんの流す血を見ていた。

「せいたかさんッ! せいたかさんッ!」

彼の手の中のちびミクが、ずっと叫び続けている。

「そんな、なんで?
 どうしてこの人が……。
 血がこんなに……。
 こ、こんなことになるなんて、そんな……。」

階段を駆け下りて来た流川先生は、
やはり血を流して倒れているせいたかさんを見て、
震えながら喚いている。
そうか、さっきの叫び声も、流川先生だったんだ。
でも、どうしてここに流川先生がいるのか……。
そんなことは今はどうでもよかった。

「せいたかさん、聞えますか?! せいたかさん!!」

あまり体を揺すっていいわけがない。
私はせいたかさんに向かって呼びかけ続けた。

「せいたか先生!! でかミクさん!!」



階下から来たみらいが、
私と、倒れたままのせいたかさんを見て驚きの声を上げた。

「わあああああああ!」

「ああっ!!」


突然、彼は叫び声を上げながら、
また立ち上がろうとしていたナナを突き飛ばし、
理科研究室へと走り去っていってしまった。



「せいたかさん!せいたかさん!
 せいたかさん!せいたかさん!」


ああ、
ちびミクの叫び声が、だんだん小さく、離れていってしまう!
その時、せいたかさんが、私の手をギュッと握った。

「で、でかミクさん。 
 ごめん。
 俺は大丈夫だから。
 ち、ちびミクを助けてくれ。」



私は……意を決して、せいたかさんの手を握り返した。

「はい!
 みらいは、せいたかさんをお願い!
 私は、ちびミクを連れ戻しに行く!!」

「うん!」



私は電気が体中に走ったみたいに立ち上がると、
階段を一気に駆け上がった。




****************************

「流川先生ッ!
 ボケッと突っ立ってないで、誰かを!
 職員玄関に私の担任がいます!
 それと、すぐ救急車を呼んでください!」

「ああああ」



「しっかりしなさい! あなたが撒いた種でしょう?!」

「えっ?」

「でかミクさんにつきまとっていたのも!
 さっきビデオを撮ったのも!
 全部、あなたでしょう?!
 このビデオカメラが、
 ボイラー室の配管の陰にあったわ。
 中のメモリーカードは、あなたが持っているのよね?!」

「ど、どうして、それを。」



「ちょっとは目が覚めたんなら、救急車を呼んで!
 急いでッ!!」

「は、はい!」

「くそ、待ってろ……。ミク!」

「せいたか先生、動いちゃ、ダメです!」




******************************

~でかミク・②~

階段を駆け上がると、
あの人に突き飛ばされて倒れていたナナが足首を押さえていた。

「ナナ! 大丈夫?」

「でかミク、ごめん。
 転ばされた時、足、ひねってしまって。
 先に行って、すぐ行くから!」

「うん!」



私は走った!
ちびミクを、助けなくちゃ!!

理科研究室の扉は、中から鍵がかけられていた。

「ここを開けて! 開けなさいよッ!!」



私は何度も何度も、感覚が無くなるほど、
拳で扉を叩き続けた。

校庭からは、フォークダンスの音楽と
みんなの楽しそうな歓声が、変わらず流れてきていた。

****************************

 ~ちびミク~

氷の人、息だけじゃなく、また心の音も乱れてる。
お部屋に入ると、扉に鍵をかけ、
私を握ったまま、うろうろとお部屋の中を歩き回った。
段々、私を握る手に力が入ってきて、苦しいよ!

「あああ、何故こんなことになってしまったんだ。あああ。」

私は氷の人に向かって叫んだ。

「落ち着いて! この手を緩めて! 苦しいよ!
 
あなた、私と、お話ししたいんでしょう?!」



氷の人は、ビクッとして私を見つめた。
そして、すまない、と小さく言うと、手の力を緩めてくれた。
だけど、また一気にしゃべりだした。

「そうだが……そうだが、
 ……この写真や動画は、私じゃない!
 それを弁解したかったのに、
 ごうりき君には、もう信じてもらえない!
 おしまいだ。
 君とだって、もっと、もっと、違う形で会えれば。
 こんな、こんな乱暴は。
 あいつにだって、
 怪我をさせようなんて思ってたわけじゃない!

 なのに、あんなに血を。
 死んじゃったかな?
 あああ、どうしたらいいんだ、私は?!」

せいたかさんは……心配で心配で仕方がないけど、
せいたかさんは大丈夫。
せいたかさんに何かあれば、きっと私もいないもの。
パソコンの電源は入ったまま。
でかミクさんの写真達が画面一杯に表示されたままだった。

「私の話を聞いて!」



「私、今、生まれて初めて物凄く怒ってるけど
 何に怒っていいのかわかんない!
 でも、今、しなきゃいけないことを言うわ!

 この動画や写真達、あなたじゃないことはわかってる。
 でもこんなの、
 絶対でかミクさんに見られたらダメ。
 でかミクさん、二度と立ち直れなくなっちゃう!
 あなたにはそれがわかるでしょ?!
 さあ早く、早く消してッ!!」




「ここを開けて! 開けなさいよッ!!」

扉を叩く、でかミクさんの声だ!

「あああ、ロンドライン……そうだ、もう彼女だけは……。」

一瞬、今までとは違った、氷の人の心の音が聞えた。

「早く! 見られないうちに!!」



氷の人は私を机の上に降ろしてくれたけど、
声も体も震えたままだ。

「電源を切れば……。」

「それだけじゃダメョ! 今すぐ全部消すの!!」

「わかった。
 ……う、う、あれ?」

氷の人の操作はせいたかさんより、すごく早かったけど、
突然、手の動きが止まった。

「どうしたの?!」

「消せないんだ。
 写真はファイル毎に何かロックがかけられている?!
 そんな!
 だめだ、消せない!
 フォーマットしても間に合わない……。」

今の私にできるかな……。
さっきのハウリングのせいで、
時々クラッとするし、まだ足がガクガクするけど……。
やるしかない!

「そこをどいて! 私が消す!!」



「え? 君が? いったいどうやって?」

「黙って見てなさい! 
 
いい? パソコンの電源、絶対切らないでね!!
 あなたが、
 でかミクさんのことを、そんなに心から大切に思うなら!!」


「な、なんだって? ど、どうしてそれを?!」

氷の人は、ギョッとした顔をして、硬直した。



私はパソコンの正面に立つと、小さくつぶやいた。

『あなたのでかミクさんへの心の音、聞こえたから。』




『行くわ!』






                       つづく

****************************

【 出 演 】 

 [オリジナルキャラクター:
 『初音ミク』『KAITO』『巡音ルカ』
              (c)Crypton Future Media Inc,]

 ミク・ロンドライン
  (RLmiku ver.1.240改変モデル→オリジナルモデル:ろんどらいん様) 
 

 ぐーちゃん(ごうりき七葉)
  (七葉1052式(仮)G型 ver.1.10改変モデル→オリジナルモデル:gouriki様)

 多田さん(多田みらい)
  (Tda式ミク・オリジナルモデル:Tda氏
   Tda式改変ミク JKStyle改変モデル→モデル制作Re:YaMa*(山本)様)


 ちっちゃいミク
  (DIVA風ミクver1.05改ちび:ままま様  DIVAオリジナル: (c)SEGA )

 せいたか
  (KAITO_ruto_jacket:ruto(ると)様)

 氷の貴公子
  (KAITO_ruto_vest_G改変モデル→オリジナルモデル:ruto(ると)様)

 流川(るかわ)先生
 (とる式巡音ルカ ver1.5.14:とる様)

 


【舞台・アクセサリー】

 学校セット V0.0.1:mato様

 診察室・処置室:まお(はばねら)様

 iMic 27インチモデル:ログ太様

 本棚:無駄に壮大な超ド級アクセサリのP様

 ティーカップ:BK3様

 OPTLETデジタル一眼レフカメラセット_v0.8
                 :mato.sus304様

 SMC-MMDER_300mm_f2.8
           :ザ・蝦入。(おめだべ屋。)様



 

【使用ソフト】

 MMD:樋口M様

 MME:舞力介入P様

 PMXエディタ:極北P様

 Adobe Photoshop CC














コメント

kazu2
No.14 (2014/03/15 21:08)
upお疲れ様です。
今回の話はいろいろありすぎて急展開な話でした。
いきなりせいたかさんが負傷離脱ですか、
『先生』を守れなかったことが負い目になってるのか、
『誰かを守るためなら、自分はどうなってもいい』みたいな考え方も持っちゃってるのかなと。
それは違うだろうと言いたいですね。

個人的には、氷先生の気持ちも分からんでもないというか・・・
一度目的の物が目に入るとそれしか見えなくなるという(視野が狭いともいいますね)
(私もそういう傾向がるので)
その結果で予想外の結果が起こるとどうしていいか分からなくてパニックになるという状態ですね。
流川先生もその傾向がありますね。
しかし、みらいさんと流川先生のシーンはどっちが先生で生徒なんだか分からないなw
みらいさんやでかミクさんは教師2人がうろたえまくってるのを見て、逆に冷静になれたって側面も
あるのかも知れませんが。

そしてちびミクさ... 全文表示
せいたか (著者)
No.15 (2014/03/16 04:32)
>>13
poncan718さん、コメありがとうございます。
電源落としたり強制終了しただけではデータが消えない、とちびミクさんは考えてますね。
しかしponcan718さん、鋭いですね……次回、『初音ミクの消失』です。
次回もよろしくお願いします。
せいたか (著者)
No.16 (2014/03/16 04:48)
>>14
kazu2さん、コメありがとうございます。
せいたか、『誰かを守るためなら、自分はどうなってもいい』という考えは持ってないですよ。
あの場合、とっさの判断と言うより、勝手に体が動いちゃってる感じです。

氷先生は確かに視野が狭いです。次回、もっと炸裂してます。
>しかし、みらいさんと流川先生のシーンはどっちが先生で生徒なんだか分からないなw
こういう先生と生徒の逆転現象……そうそう現実ではあって欲しくないですね。
氷さんと流川先生には、人としては反面教師って感じに描いてます。
ただ、救いは欲しい……というか、本人次第ですけど、変化するきっかけは作っておきたい感じです。

さて、ちびミクさんですが
>電子の存在だから、コンピューターには干渉出来るってことなんでしょうけど、自分の存在も危うくなりそうな・・・
まさにそのとおりですね……。

今回も曲のご紹介ありがとうございます。
偶然にも、新しい分野を開拓しようとして、最近聞いた曲ばかりでした。
>『可愛いとカッコ良いを両立させる』ということに関してはミクさん以上だと思います>リンちゃん。
う~ん、コレ分かる気がします。

次回も、というか今日up予定ですが、またよろしくお願いします。
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